死の覚悟
目が覚めると、中谷先生がいた。
中谷先生はバスケ部の顧問で、かつては日本代表として活躍していたらしい。
「久遠、目が覚めたみたいだな」
あたしはおそるおそる、先生に宗馬がどこにいるのか聞いた。
「もう、ここにはいない、葬式も1か月前に行われた」
え?今なんて言ったの?
1か月ってどういうこと?
あたしは疑問に思ったので、先生に今日は何日か聞いてみた。
先生によると、今日は9月14日みたいだ。
あたし、1か月も眠ってたんだ・・・
それに、宗馬の死から1か月も経ったんだ・・・
「もう、大丈夫なのか?」と聞かれたが、あたしは「大丈夫です」と答えた。
ホントは大丈夫なんかじゃないけど。
先生は安心した表情で
「そうか。何かあったら、わたしに言いなさい」
と言われ、此処の病室を出ていった。
先生は頼りになるなぁ・・・
あたしはそう思った。
だけど宗馬が死んだのはあたしのせいだ・・・
あたしのせい以外考えられない・・・
そしてあたしは、机に会ったはさみを取り出した。
・・・あたしのせいで死んだんだ、他の人に会わす顔がない。
いっそ、死んだ方がマシだ。
あたしも、そっちの世界に行きたいよ・・・
あたしははさみの刃を、喉元に向けた。
先生、クラスのみんな、そしてバスケ部のみんな、そしてお父さん、お母さん、サヨナラ。
あたしがいなくなっても、元気でね・・・
あたしはそう思い、はさみを喉元に突き刺そうとした。
もう、死ぬ覚悟で。
するといきなり、
「何してんだよ アンタは!」
聞き覚えのある声がした。
この声は間違いない・・・宮口君だ。
宮口君に続き、大倉君や木村君、葉隠先生と中谷先生も入ってきた。
宮口君の大きな声で、あたしはうっかりはさみを床に落としてしまった。
そのはさみを拾おうとすると、木村君がヒョイと拾い上げ、葉隠さんに渡していた。
あたしは「返して!」と叫んだが、葉隠先生は「ダメよ!」と大きな声で言った。
あたしは呆気にとられて、それから何も言えなかった。




