お兄ちゃん
あの冒険者騒動から数日・・・
あの日来たアレスと呼ばれていた冒険者を除いた3人の冒険者が廃教会にやってきた
とは言っても先日の騒動でビーレギオン軍隊に偵察部隊が新たに作られ普段は廃教会近辺を警備している
エル達3人はこの警戒網に引っかかり監視されながらやってきていたわけなのだが彼女達はそれにすら気付いていなかった
いや、ビーレギオン達優秀すぎない?と思ったくらいだ
どうやら敵意はないらしくみんな武器などは構えていない
まぁアレスとやら以外の3人は元々ビーレギオンに囲まれた時点で穏便に済まそうとしてたしな
アレスとやらもいないしなにか話にきただけかもしれん
めんどくさいけど少しくらいは話を聞いてやるか
「やぁこないだぶりだね冒険者
今日は何用でここに来たんだい?
それとこないだのアレスくんがいないようだかど何かあったのかい?」
「今日はあなたに伝えたい事があって来ました」
「君はこないだのエルって子だね1番まともに話せそうだったから覚えてるよ
他は名前聞いてないけど」
「えっと・・・私はルナ・・・です
パーティでは僧侶をしてます」
ルナと名乗った少女は見た目は10歳くらいに見える
長い金髪をツインテールで結んで身の丈に合ってない杖を背中に担いでいる
「君はいくつ?冒険者ギルドってのはこんな子供も冒険者にするような所なのか?」
「えっと僧侶は教会から派遣されるのが普通で私はまだ11歳ですけど僧侶としては1人前と判断されてこのパーティに派遣されました」
「ふーんなるほどな可哀想に
それで後ろの男は?」
「俺はルシアス パーティではタンクを担当している」
ルシアスはタンクと言うだけあって結構な重装備だ身長も180cmはあるだろう
顔は兜を被っているから分からないが爽やかボイスって感じの声だしイケメンっぽそう
「んで君たちは俺に何を伝えに来たんだ?」
「あ、私は自己紹介的なのしなくてもいいんですね・・・」
エルちゃんがシュンとしてしまった
「あーエルちゃんの事も知りたいな〜」
「っ!!はい!私は前も名乗りましたがエルです!
パーティでは後衛の魔法使いをしてます
クロさんよろしくお願いします!」
そう言って握手を求めるように手を差し出してくるエル
あれ?こんな子だったっけ
「なんか君こないだあった時とキャラ違うくない?気のせい?」
「気のせいです!!」
そう言ってにっこり笑うエル
まぁいいや
「あぁよろしく」
とりあえず握手する
「んで何を伝えに来たんだ?」
「あ、はいそれはこの前来た時居たあのバk・・・アレスがいたじゃないですか
あのバカ・・・バカがここであったことを冒険者ギルドに報告しちゃったんですよね」
「冒険者ギルドに報告されてどうなったんだ?」
「えっとビーレギオンの脅威はかなり高く指定されているのですが規模が規模なので恐らく軍が派遣されるかと思います」
「へーここに軍が来るのか面白いじゃん
ビーレギオン達はもはや優秀な軍だし相手も軍ならそこから学ぶこともあるだろうし正面からぶつけるしかないなこれは
「私達はここのビーレギオン達が明らかに異常なのは知ってます
いくら軍が派遣されても王国騎士団が派遣されてもクロさん達が負けるなんてことはないと思ってます」
「うん?ほんとになんで来たの?」
「えっといちおうアレスは私達のパーティのメンバーじゃないですか 今はもう勝手に3人でここに来たんですけど
それでアレスのせいでクロさんは私たちがここを潰すように軍を送ったとか思うんじゃないかなって思って・・・それでヘイトを稼ぎたくないんです
十中八九クロさん達が負けることもないでしょうしそういう風に嫌な印象で覚えられているのは嫌です!元々アレスには3人とも呆れていたしいい機会だからクロさんの陣営に入りたいなって思いまして」
「お前らがそれでいいなら別に俺はいいけどな
いちおう人間陣営を見捨てることになるわけだが大丈夫か?」
「えっと・・・ルナは・・・いや私は大丈夫です」
「別に自分のことルナって呼んでもいいよ」
そう言ってルナちゃんの頭を撫でると気持ちよさそうに目を閉じてされるがままになっている
めちゃくちゃかわいい
「俺も問題ない 実害がないのに危険を犯してまで潰すのもおかしいと思っているし俺は別に魔物が嫌いとかそういうわけでもない
こんな小さいルナを危険な目に合わせる教会もどうかと思っている」
「私はそもそもここに寝返りましょって提案したくらいだしなにも問題ないわ」
「ならいいよ別に
基本的にはビーレギオン達がなんとかしてくれるだろうし偵察部隊がいることだし軍で来てくれるなら相手の動きも手に取るようにわかるだろうしね」
「すごい自信ね」
「当たり前だろ?戦争ってのは情報戦だ
いくら相手の策が素晴らしかろうと相手に知られていちゃ元も子もないってことさ 軍なんて目立つ集団がやってきたらこっちに情報は筒抜けだよ
ここは森でこっちのホームだしね
仮に少数精鋭で攻めて来ても負けることは無いけどね」
「クロさんは軍人だったのかしら?」
「いやただ俺が元いた世界の過去の歴史から俺なりなりに至った結論のひとつだよ」
「もしかしてクロさんは異世界からやってきたのですか?」
「ん、そうだよルナちゃん
あとみんなそうだけどクロさんとかなんか堅苦しいからクロとか呼び捨てでいいよ」
「「分かった(わ)」」
「えっと・・・」
「どうした?ルナちゃん」
「お・・・お兄ちゃんって呼んでもいいですか?」
「・・・・・・・・・」
思考が停止した
いや世界の時が止まった
控えめに言ってもめちゃくちゃかわいいルナちゃんからとんでもない発言が飛び出した
「えっと・・・嫌ならクロって呼びます・・・」
「いや!!!!お兄ちゃんって呼んでくれ!!!!」
「え?わ・・・分かったですお兄ちゃん!」
「ふにゃぁ」
「ちょっとクロ?すごい顔してるけど大丈夫?」
「心配するなエル俺でもルナにお兄ちゃんなんて呼ばれたらあぁなる自信があるよ
男ってのはそういうもんだ」
「男ってよくわかんないわね」
「瑠璃姫!!」
「こちらに!」
「ルナに名付けした4匹の中から1匹護衛を付けろ!
あぁ、俺が傍にいる時は必要ない俺がルナを守る」
「承知しましたクロ様
では翠!任せましたよ!」
「お任せ下さい」
「よしじゃあ簡単に中を案内するよ」
「私はほんとにこっち側に寝返って正解だったのか少し不安になってきたわ・・・」
「奇遇だな俺もだ」
お兄ちゃん呼びは最強ってはっきりわかんだね




