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雨の郁  作者: たつき
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小雨

この都市、東京では夜になると局所的に激しい雷雨に見舞われる。それが人為的なものなのか、はたまた偶然なのかまだ調査中である。そしてこの雷雨のなか雷に打たれれば人を襲う化け物、雨人あまうどになってしまうかもしれないのだ。雷の衝撃で脳がイカれ理性などなくなり、死ぬまで暴れまわる。しかし、雷に打たれても雨人にならなかった場合、特別な能力を持った雷人になる。

そして初任務へ向かう風間と鹿松、無事終えることができるのか。

「ここ左だ。」

「隊員フタリガ交戦チュウ」

隊員になってからの初めての戦闘、4対1なら流石にこの前みたいに負けることはないだろう。

「ついた!」

大通りに雨人。かなり大きいが佐藤よりはガタイは小さめといったところか。そしてその足元に隊員らしき人影が2つ。よし、2対1だな。

こちらに気づくと雨人は口を開けた。

「なんだ?」

そうすると、口の中から蛙のように舌が伸びとんでくる。

間一髪体をそらし、避ける。

「討伐レート80、舌ヲノバス能力アリ。」

ちょっと遅かったね。言うのが。

討伐レートは10〜設定される討伐の難易度だ。討伐した雨人のレート分、自身のレートに追加される。

「オラ!」

鹿松が舌を切断するために、刀を振り上げる。

ほとんどの隊員は能力を、使いながらも刀や拳銃メインで戦うことになる。能力単体で倒すのはかなり戦闘向きの一握りの能力でしか難しいからだ。

勿論俺も刀を持たされた。

「入らねぇ!」

舌に刀は入らず弾かれる。

「かてぇぞこれ!」

「全身その硬さだとマズイな。能力は舌中心っぽいし、体をたたこう。」

「いけ!トモダチ!」

そう言うと鹿松は刀をトモダチとやらに渡し雨人に特攻させた。

ものすごい速さで突っ込むと雨人の左腕を切り落とす。

「強い!」

俺もなんかしないとだな。

風を起こし建物に雨人を叩きつける。

「ヴァア゛ァァァ」

結構効いたやろ。

こちらまで伸びていた舌が戻りながらトモダチに巻き付きトモダチをすり潰す。

「え、なんかやられてますけど、大丈夫なんすかあれ。」

「あぁ、電力が尽きなければ何回でも、出てくるぜ!」

そう言う鹿松の後ろにはさっきすり潰されたはずの トモダチが立っている。

さらにその後ろから聞き覚えのある声がした。

「もう大分削ってるじゃねえか、討伐レートお裾分けしてもらおうか。」

歯端だった。先日討伐レートを−3000を食らい、毎日の任務が与えられている。

「俺、今無給だからよぉ。できるだけ雨人倒したいのよ。」

こんなやつは除隊にでもすればいいと思うが、それで街で暴れられても困るから、こんな状態らしい。

「じゃあ、トドメはもらうぜぇ!」

そう言うと自慢の歯を伸ばし雨人に突き刺す。

が、突き刺さったものの舌が歯に巻き付き、そのまま建物に叩きつけられる。

だが、隙ができた。

「せい!」

風で刀身を加速させ、舌を断ち切る。

怯んだ隙に鹿松とトモダチが本体を切り刻む。

そこに俺も加わる。

そうしてるうちに、雨人の動きがとまり、普通の人の姿に戻る。

「終わった。」

「よっしゃー!」

鹿松が拳を突き上げる。

「風間、鹿松隊員ニレート+50、歯端、吉田、安西隊員ニレート+15。任務オツカレサマデシタ。」

こいつらにレートが+されるのは納得いかんが、これでレート850か。

ふと、雨人だった人を見る。

この人も、もともと普通の人間だったわけだよな。

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