甘雨
この都市、東京では夜になると局所的に激しい雷雨に見舞われる。それが人為的なものなのか、はたまた偶然なのかまだ調査中である。そしてこの雷雨のなか雷に打たれれば人を襲う化け物、雨人あまうどになってしまうかもしれないのだ。雷の衝撃で脳がイカれ理性などなくなり、死ぬまで暴れまわる。しかし、雷に打たれても雨人にならなかった場合、特別な能力を持った雷人になる。
雷人になった風間は雨傘に入るのかそれとも
「ていうかまぁ、入ってもらうことになるだろうね。」
「そうね。」
え?ん?こういうのはカッコよく入る意思を伝えるものじゃ?
「それは?どういう?」
「隊員不足なのよね。」
「雷に打たれる人も多いわけじゃないし」
「でも、隊員は5000人超えってどっかで聞いた気が…」
「確かにいるわ、だけど…」
だけど?
「とりあえず入ってみる!みたいな奴多いのよね。」
「戦闘向きの能力者は結構少ないのよ。歯端君でギリよ。」
あいつイキってた割に弱いのかよ。
「あの討伐レートの雨人とあれだけやれるんだから、入ってもらわないと困るというか。」
「現に隊員の約3000人は最弱討伐レートの雨人すら単独撃破はできない。」
「電力量もかなり多いみたいだし。」
「でも、さっき戦った時、結構すぐ能力使えなくなっちゃって、」
「あれは、最初はみんな電力の使い方下手だからね。仕方ないよ。」
「じゃあ!ソユことで!元気になったし!これに親御さんと自分のサイン書いて持ってきてね!!」
「え?あ?えっちょっ。」
そう言われながら医務室らしきとこを追い出された。
次の日、親はすんなり認めてくれた。
「お前のやりたいことをやれ。」
とのことだ、別にやりたいわけじゃないが、ひとを助けるのは悪い気はしない。
「はい、受理しました。こちら手首に装着お願いします。」
スマートウォッチのようなものを装着するようにと、渡された。
なんだこれは?
「任務などの連絡はこちらにいきます。あなたの電力で動くので電池の交換は不要です。」
「あとこれは水龍さんからの推薦状ですので。初期レート+300からのスタートになります。」
推薦?水龍?なんだそれ?まぁいいか。
「現在レートは800ですので、雨人を倒して給与が支給されるレート1000目指して頑張ってください。」
さっそく300貰えたし1000も余裕だろう。
今日は初任務。
最初のうちは、任務はペアでこなすらしい。1人じゃ心細いしな。
強い人だといいんだけども。
そろそろ集合場所に着きそうだ。
「あぁ!もしかして君かな僕のペアの風間くんは!」
元気のいい声で後ろから話しかけられた。
いい人そうで良かったと思いながら振り向く。
振り向くと好青年だった。がその後ろに黒い人型の影があった。
「そうです、風間です。大変恐縮なのですが、その後ろのものは何なのでしょうか?」
と、恐る恐る尋ねる。
「あぁこれは俺の能力さ。俺の能力はこのトモダチを具現化する。」
「なかなか珍しい能力らしくてね、推薦状がでて初期レートが+50されたんだ。」
「あっ名前!鹿松柊だ!」
「風間俊太です。よろしくお願いします!」
推薦状というのは強い能力につくものらしいな。
「じゃあ、もうさっそく任務行こうか。」
任務は雨の中での見回りである。そして雨の中濡れて動けなくなるのを防ぐため、開発されたのがこのレインコート。上下あり、フードを被ればほぼ濡れない。普通に普段使いしようかな。
深夜0時を時計が回る。
「全然、暇ですね」
「そうだな!そういうもんらしいぞ!」
そういうもんなのか。
「まぁ平和な方がいいじゃないですか。」
「それもそうだな!!」
元気のいい人だな。後ろのトモダチとやらは静かに歩き続ける。
そんな時、手首の装置が鳴り出す。
「アマウド、シュツゲン至急ムカヘ」




