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秘密組織の序列十位は自称器用貧乏  作者: 使い捨て系鉛玉
閑話の二
32/33

ノイとハルカの共同任務①

お久しぶりです。

生存報告の為に閑話を上げることにしました。


 ある日の事。


「ハルカー!」


 数少ない休日を有意義にしようと帝国領にある家でゆっくりしていると、突然ノイが訪ねてきた。


「ノイ、お前よくここが分かったな。

 一体どうしたん…………何ソレ?」


 右手に、神々しく輝く大剣を持って。



 ◇



「それにしても良い家だねぇ」


 部屋を見回しながらしみじみと茶をすするノイ。

 茶菓子まで遠慮なく平らげてしまうので日本人としてはなんとももてなし甲斐のある奴だ。


「帝都から遠くて不便ではあるけどな」

「都なんか行かない癖によく言うよ。

 だからこそわざわざこんな辺鄙なところに引きこもってるんでしょ?」

「バレたか。ここは休日専用の隠れ家だからな。

 出来るだけゆっくりしたいんだ」

「ああ、それでこんなに術式だらけなんだこの家」


 得心が行ったと言うように、あるいは呆れたようにノイは小さく笑う。

 ヤツの言う通り、この家にはいくつもの魔術がかかっている。その全てが結界の魔術なのだが、その数実に三百種類以上。

 認識阻害や単純な障壁といった侵入防止効果から結界内のリラックス効果までなんでもござれだ。

 その全てが住人の安心の為に存在している。


「最初見た時はどこの魔導要塞かと思ったよ。お陰で入るのにも苦労したしさ」

「後で解除した結界全部張り直せよ」

「えーめんど」

「お前なぁ……」

「だって一回入るのに百五十近くの魔術バラしたんだよ?

 厳重過ぎでしょここの防犯。迷宮だってびっくりだよ」

「そうでもしなきゃまたなんか巻き込まれるだろうが」

「無駄な抵抗」

「うるさいぞ疫病神」


 鼻で笑ってみせるノイを割と本気で睨みつける。

 俺が今まで巻き込まれて来た事件って八割くらいがお前の所為なんだからな。




「はあ……それで、その神話兵器レベルの剣はどこで拾ってきた?」

「あ、もう本題入っちゃう感じ?

 もうちょっとだけお話ししたいなあ」

「もう良いだろ。既に俺は疲れた」

「ぶー。まあ良いけどさ」


 不満気にちょこんと口を尖らせながらノイは粗雑に茶をすする。


「まあぶっちゃけるとね、古代文明の宝剣なんだよアレ」

「うーわまーたお前、厄介そうなモン拾って来たな」


 なんでも無さそうに言ってのけるノイに思わず肩を項垂れさせる。

 古代文明の遺産と来たか。

 入手経路が非常に気になる。まさか街の骨董品屋巡りでもして当たりを引いた、なんて訳ではあるまい。そもそもノイは普段から街を出歩かない。

 それに組織でもトップクラスに疫病神気質なこいつがわざわざ組織ではなく俺の下まで持って来たのだ。絶対に何かの事件の引き金となるに決まっている。


「そーんな嫌そうな顔しないでよ。

 これ取ってくるの結構苦労したんだよー?

 大陸の復活の為だとかぶつぶつ言ってる変な宗教組織と何回かドンパチ繰り広げたんだから」


 ほれ見たことか!ほら見たことか!!!

 なんだ宗教組織って。なんだ大陸復活って。

 というか既にドンパチ繰り広げて来たのかよ。


「お前ホントに大人しく出来ないよな。

 で、その敵対した組織はどうしたんだ?」

「あーそれなんだけど……三人くらい厄介なの居たから逃げて来ちゃった♡」

「退いたのか。……お前が?」

「だって任務は放棄出来なかったし」

「ああ、まあ納得。というか任務関係だったのか。どんな内容だったんだ?」

「生贄としてあちこちから誘拐された人達の保護。

 大人数を守りながら戦うのってしんどいよねー」

「あーそれは分かる。街全体人質に取られた時とか守りきんのムズいんだよな。

 そういう時ほど敵が大物だったりするから最悪『天罰(ウラノス)』でゴリ押しするしか無くなる」

「アレ便利だよね」

「連発出来ないけどな」

「出来るじゃん」

「やったらほら、デメリットついてくるし」

「それが良いのに」

「ふざけんな」


 話が逸れたと嘆息する俺を余所にノイはケタケタと腹を抱えて笑う。

 誰でも良いから早くコイツの手綱握って欲しい。でもそれが出来そうなオッさんにこの前そう言ったら『いやお前が握っとけよ』と真顔で返された。無理だろ。


「さて、とりあえず事情は分かったが、それでどうしてここまで持ってきたんだ?」

「だってハルカ巻き込んだ方が面白そうだったし」

「殺すぞ」

「きゃーハルカったらブッソウー!」

「抜き身の剣もって家に押しかけてくる奴に言われたくないわ!」


 最初ふつうにビビったからな!


「さて、それでは【秩序の鎖】序列三位、『白亜の雲海』ことこのノイ・メセレターがその名を以って序列十位『漆黒の星空』ハルカ・ウィルノートに任務を与えます」


 そう言って、ノイは大仰な手振りでこちらに一枚の紙を手渡してきた。

 広げると、そこにはノイの下についてこの度の事件の収拾をつけるべく動くようにといった旨の文章が記されていた。


「……これ、本部からの命令文書じゃねえか。

 ご丁寧に刻印まで刻まれてるし……ってまさかノイ。お前、正式な手続きを踏んで来たというのか」

「えっ驚くのそこ?」


 だってお前行動の大半許可取らないじゃん。

 上司にも、任務先のリーダーにも。


「ともかく、任務は承った。

 この件が解決するまではお前の指示を仰いで動く事にする」

「……」

「……なんでそこで黙る」

「や、驚いてたんだけどさ。やけに簡単に承諾したなって思って」

「そりゃ正式な命令が来たら断れないだろ。

 あとお前が来た時点で休日の平穏は既に諦めた」


 というかノイの顔見たら巻き込まれる覚悟決めるくらいじゃないと精神が保たない。


「ふふん、潔くてよろしい」

「……やっぱりなんか腹立つから後で帝都でなんか奢れ。入る店は俺が決める」

「え、やった。良いの?」

「は?どういう事だ」

「あっ!えっと、なんでもないよ?」

「……?じゃあ帝都で何か食いながら任務の詳細を聞こうか」

「うん!」


 何故かいつもに増して機嫌の良いノイを不思議に思いながら、外出用の外套を身に纏うのだった。


「デートだ……!」

思いの外リアルが忙しくて結構間が空いたので今までの予告は基本ぶち壊されるものと思ってください。

本編はあと二週間以内に更新するつもりです。

再開になるかは怪しいところですが。だって今月中にまた定期テストあるし来週に模試あるし?

といった次第で投稿は気ままにやっていきますのでよろしくお願いします。

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