やらかした後が本番
王都は完全にパニックだった。
街中にあふれる魔物。
逃げ惑う市民。
必死に応戦する兵士たち。
その中心に——
原因が立っている。
「いや多くない?」
「お前のせいだ!!!!」
クレアのツッコミが冴え渡る。
ダルムはすでに戦闘に入っていた。
「小僧!後で説教じゃ!!」
「はい!!」
軽い返事。
反省の色ゼロ。
だがハルキの視線は別の場所に向いていた。
(……これ、ただ倒しても意味ないな)
数秒、完全に周囲の音が消える。
過集中。
世界がスローに見える。
(魔力の流れ……あそこか)
見つけた。
空間の奥。
黒い“核”。
「あー、やっぱあるわ」
「何がだ!」
「元栓みたいなやつ」
クレアは一瞬で理解した。
「そこを壊せば止まるのか!?」
「多分」
「“多分”で動くな!!」
だが動くしかない。
ハルキは叫ぶ。
「ダルム!これ投げて!!」
近くにあった巨大な金属塊。
ダルムは迷わず掴んだ。
「任せろ!!」
ぶん投げる。
常識外の速度。
ハルキが跳ぶ。
空中キャッチ。
(ここだな)
そのまま——
ドゴォォォン!!
核、破壊。
一瞬の静寂。
そして——
魔物、全消滅。
門、消失。
危機、終了。
しばらく誰も動かなかった。
やがてクレアが口を開く。
「……終わったのか?」
「っぽいな」
「“っぽい”で済ますな!!」
ダルムが笑う。
「ハッハッハ!見事じゃ!」
ハルキは首をかしげた。
「いやー、なんかいけたな」
全員思った。
“それが一番怖い”と。




