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初クエストでラスダン選ぶやつがあるか

ドワーフの集落を出て数日。


三人は街へとたどり着いた。


冒険者ギルドのある街——つまり、


「テンプレイベントの宝庫!!」


「やめろその言い方」クレア即ツッコミ。


ギルドに入った瞬間、ハルキの目がキラッキラに輝いた。


壁一面に貼られた依頼書。

酒場で騒ぐ冒険者たち。

受付嬢の無駄に整った笑顔。


「すげぇ……全部クエストじゃん……!」


「全部仕事だ」


現実を突きつけるな。


受付嬢が丁寧に頭を下げる。


「冒険者登録は初めてでいらっしゃいますか?」


「はい!異世界初心者です!」


「初心者の種類がおかしいですね」


だが手続きは進む。


クレアは終始頭を抱え、ダルムは楽しそうに笑っていた。


「ではまずは簡単な依頼から——」


受付嬢が差し出したのは、


・薬草採取

・ゴブリン討伐

・荷物運び


どれも“新人用”。


だがハルキは一切見ていなかった。


視線はもっと端。


もっと古びた一枚に固定されていた。


「これだな」


嫌な予感がした。


クレアもダルムも同時に気づく。


「待て」


「それはやめておけ」


内容:


【古代遺跡『囁きの迷宮』調査

 行方不明調査隊の捜索】


難易度:不明(=ほぼ死亡)


受付嬢も顔色を変えた。


「そ、それは上級者向けの——」


「面白そうじゃん」


「ダメだ」


「死ぬぞ」


「一回死んでるし」


「慣れるな!!」


正論が通じない。


ハルキはすでに決めていた。


理由:


(絶対なんかある)


その“なんか”のために命を賭ける男である。


クレアは深くため息をついた。


「……分かった。ただし——」


「やった!」


「最後まで聞け!!」


結局、受注。


受付嬢は震える手で書類を渡した。


「ご武運を……」


その声には、


“帰ってこない前提”の響きがあった。


だがハルキはニヤニヤしていた。


「よーし、ダンジョン攻略だ!」


なお彼はまだ、


初クエストであることを忘れていた。

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