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ボス前なのに作戦会議が成立しない
巨大な扉の前。
いかにも「ここがボス部屋です」と言わんばかりの雰囲気が漂っていた。
クレアが深く息を吸う。
「……いいか、ここからは慎重にいく。まず敵の能力を——」
「突っ込む」
「最後まで聞け!!」
ダルムが腕を組む。
「まあ、小僧の勘は当たるからのう」
「甘やかすな!!」
役割の分担が完全に固定されている。
・ハルキ:破壊
・クレア:制御
・ダルム:加速
この三すくみがある限り、会話はまとまらない。
ハルキは扉に手をかける。
(中、強いな)
「中、強いぞ」
「それは分かってる!」
「でもいける」
「根拠を言え!」
「なんとなく」
「やめろその判断基準!!」
だがここで重要なのは、“なんとなく=当たる”という読者の信頼だ。
ハルキが扉を押す。
重い音と共に開く。
中にいたのは——
「……でかいな」
巨大な異形。
空間そのものが歪むレベルの存在感。
クレアが剣を構える。
「構えろ!」
ハルキは一歩前に出た。
「とりあえず、試すか」
「何をだ!!」
石を拾う。
投げる。
ボスの眉間に直撃。
沈黙。
「……効いてる?」
「効いてるな」
「効いてるのかよ!!」
戦いは——
最初から、常識が通じていなかった。




