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案内人、方向音痴を連れてくる
地下への入口を探す段階で、問題が発生した。
「道が分からん」
「当たり前だ」クレアが言う。
そこでダルムが胸を張る。
「案内人を雇ったぞ!」
現れたのは自信満々の男。
「任せてください!地理には詳しい!」
——一時間後。
「ここさっきも通ったよな?」
「いえ、初見です!」
三人は同時に同じ看板を見た。三度目である。
ハルキは壁を触った。
(湿度が違う。風の流れも)
「こっち」
「根拠は?」
「なんとなく」
「それで当たるのが腹立つ!」クレアが叫ぶ。
実際、当たる。曲がり角を一つ、二つ。空気が冷える。
案内人が慌てる。
「ち、地図では——」
「地図が間違ってる」ハルキは即断する。
やがて隠し扉が見つかる。
「……本当にあった」
「だろ」
「威張るな」
案内人は崩れ落ちた。
「私の存在意義が……」
ダルムが肩を叩く。
「気にするな、たまにある」
「ないです!!」
地下へ続く階段が口を開けた。
ハルキはためらわない。
「行こう」
説明はない。だが進む。
理由はシンプルだ。
(面白そうだから)




