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世界は平和になったが、こいつは変わらない

世界は一応、救われた。


街は平和を取り戻し、人々は日常へと戻りつつある。


——ただし一部を除いて。


「この屋台全部気になるんだが」


「全部は食うな」


ハルキは王都の市場で立ち止まり、片っ端から興味を示していた。


(この串なんだ?このスープやばそうだな…あ、あっちの店も)


視線が忙しい。


クレアは呆れながらも周囲を警戒する。


「平和になった直後が一番危険なんだ」


「分かる分かる」


「分かってない顔だぞそれ」


ダルムは笑う。


「まあ、こやつは変わらんじゃろう」


実際、その通りだった。


世界がどうなろうと、ハルキの基準は変わらない。


「なんか面白そうかどうか」


それだけで動く。


だがその瞬間。


ハルキの動きが止まった。


「……あ?」


「どうした」


「今、なんか変な感じした」


空気がわずかに歪む。


誰も気づかないレベルの違和感。


だがハルキはそれを拾った。


(……まだ終わってないなこれ)


平和の裏で、


何かが静かに動いていた。

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