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静かにしろと言われて静かにてきると思うな
試練の神殿は、不気味なほど静まり返っていた。
入口の石碑には一文だけ刻まれている。
——「音を立てた者、即座に排除する」
クレアが振り返る。
「……いいか、絶対に音を立てるな。今度こそ本当に死ぬ」
「分かってるって」
その返事が一番信用できない。
ハルキが一歩踏み出す。
ギィ……
「もう鳴ってる!!」
「床が悪いだろ!!」
責任転嫁が早い。
だがその瞬間、ハルキの視線が止まった。
壁。
床。
天井。
(……これ、全部繋がってるな)
意識が切り替わる。
雑音が消え、世界が静止する。
過集中。
(踏む順番……このルートか)
ハルキは静かに歩き出した。
一切迷わず、一切音を立てず。
クレアとダルムは息を呑む。
「……さっきまでの騒音源と同一人物か?」
「別個体じゃろ」
奥にたどり着き、ハルキが振り返る。
「これパズルだぞ」
「最初からそれをやれ!!」
結果、試練は無傷で突破された。
だが誰も納得していない。
“できるなら最初からやれ”
それが全員の本音だった。




