設定ヒロインの安定属性 sideセリ
陽科が魔力測定の実習を受けた次の日、月科も同じことをするために演習場に集まっていた。
とは言っても一度は水晶を使ったことがある人がほとんどだから、ただの確認に近いけど。だからこそ、すぐに実習に移れるように教室ではなくて演習場でやっているんだろうけど。
「それじゃあ、魔力測定を始めるよ。やったことある人もいるだろうけど改めてね」
ブレア先生に呼ばれるままに何もためらうことなく水晶に手をかざしていく。
使ったことあるからか、みんなとても流れがスムーズだ。どうしよう、わたし使ったことないから他の人の様子を観察してやろうと思っていたのに、パパッと終わっていっちゃう。
そんなこと考えているうちにあっという間に自分の順番が来てしまった。社交界にあまり顔を出さない伯爵家の長女。わたしの魔力属性を知っている人はいないからか他の生徒に比べてこちらの様子を伺ってる人が多い。魔力属性なんてわたしの方が知りたいわよ。
「落ち着いて、ゆっくり手をかざして」
ブレア先生のアドバイス通りに水晶にゆっくりと手をかざす。ふわっと温かい何かが手に集まっていくのを感じる。そのまま水晶を撫でるように手に集まった温かさを外に出していく。
「うん、光属性が強いね。後は水とも相性がいいみたいだ」
「光、ですか」
「貴重な力だからね、大事に育てなさい」
ヒロインも光属性だったから想像通りと言えばそうなんだけど、ちょっとだけ違う属性も気になっていたんだけどな。とはいえ、シナリオ通りだと光属性だけだったから水属性があるのはわたしだけの属性ってことで少しだけワクワクする。
「セリ様、素晴らしいですわね」
「わたくしは風属性だけでしたのよ」
皆のところに戻るとわっと人に囲まれた。クラスの人たちとはつかず離れずな距離を保っているから、こうも囲まれるとどう対応していいかわからなくなる。
「ありがとうございます。これから、精進しないといけませんね」
「まあ、セリ様がそう仰るならわたくしたちも頑張らないといけませんわ」
「入学試験、五位でしたものね」
そう、記憶を取り戻してからというもの、この世界の事を学んでいくのが楽しかったっていうのもあるけど、あまり外に出ることもなかったから家で勉強することが多かった。そこで学んだものが役に立っているんだけど、それはそれでプレッシャーなんだよね。
「まあ、ユリエス様は水と土ですって」
「ああ、そうなるとまたエクレール子爵子息様が荒れますわね」
「エクレール子爵子息様?」
ユリエス様の事を目の敵にしているのか、クラスでもよく絡んでいるのを見るけどそういえば名前を知らなかった。
「クルツ・エクレール様ですわ。あまりお名前を呼ばれることを好まれませんので」
「では私もお名前をお呼びしない方がよろしいですわね」
知らなかったわ、そんな面倒くさい人だったんだ。何回か視線を感じたことはあったけど、特に声をかけられるわけじゃなかったからそのままにしておいたんだけど。
今後絡むこともないだろうけど、名前だけは覚えておこう。関わりたくないリストとしてね。
属性の確認はサッと終わったからそのまま、魔力の測定に入る。
各属性ごとに演習場の端に設置された的に向かって魔法を放つ。光属性はわたししかいなかったので、サブでついてくれたシャーロット先生が簡単な治癒魔法を見せてくれた。たまたま、前の授業で配られた紙で指を切った子がいたからその子に魔法を使ったんだけど、一瞬で傷が消えたのにみんな興奮した様子だった。
「それでは今後はそれぞれの属性についての理解を深める授業を行っていく。
各自でも自分の属性についての勉強を怠らないように」
ブレア先生の言葉に、クラスのそれぞれが頷いて授業は終わった。
自分の属性を知れたのは良かったけど、ユリエス様はゲームだと水属性だけだったと思うんだけどなあ。ゲームと同じだとはもちろん思ってないけど、属性増えてるっていうのはどういうことだろう。
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