魔力測定を終えて
全員の魔力測定が終わって、興奮して盛り上がったり思っていたような結果が出なくてショックを受けていたりとそれぞれに違う反応を示しているが、どの生徒にも同じようにこれからの実習に向けての期待が見える。
俺もユリエスも、初めて水晶使ったときはきっとこんな感じだったのかもしれないな。最近は魔力の測定なんてほとんどしてないし、今度改めてやってみるか。調べてみたいこともあるから師匠に連絡しておかないと。
「うん、だいたい予想通り。
火と水が多くて次に土、風。あとちょっとだけ光があったけど闇はいなかったね」
属性を上げながらこっちを向いたブレア先生と目が合ったような気がしたが、その視線は自然に他のほうへ向く。
ま、あんだけ不安定な魔力見せたら目もつけたくなるだろうな。いくらひよっこだとは言え魔力の暴走なんてこともなくはないし。
「今後、この授業は属性のことを中心にして少しずつ実習も増やしていくからね。
火と水が多かった理由とか、その辺の説明は次回」
腰のベルトにつけた懐中時計を見ながら告げた先生に、周りからもう少しやりたいとの声が出た。属性、分かったら試したくなるもんな。
「聞いている人もいるだろうけど、今日から一週間の課題は、寮での自主勉強。
午後の授業終わったらまっすぐに寮に帰ること」
「図書室で勉強でも?」
「今週は図書室の開放をしないんだ」
だからこの後は寄り道せず寮に帰ること、と念を押す先生にざわめきが広がっていく。少し様子を見ていた先生も、このままでは収まらないと判断したようで軽く手を上げ、降参だ、と言いながらも追加で説明してくれた。
「入学前にやった学園の設備チェックに不備があったようでね。だから、私たちで確認し直すから一週間欲しいんだ」
「とか言って、最近の噂のせいなんじゃないですか?」
「その噂が本当なら、夜の校舎に無断侵入したってことで罰が必要だね」
面白がって投げられた質問にわざとらしく息を吐いて答えているのは、学園として噂は把握しているがあくまで今回は施設点検、ということにするようだ。
「というわけで、このまま解散。寮で勉強できるように課題を出すから来週の授業までに終わらせておくように」
先生が何かを小さく呟いて指を鳴らしたら一人一人の前に紙が配られる。二枚、三枚と重なっていく紙にさっきとは違うざわめき。
「みっちりやらないと終わらないかな。他の先生たちも同じようなの準備しているから」
覚悟しているように、と告げたブレア先生の笑顔に、黒いものを感じたのはきっと俺だけじゃないはずだ。
「ユリエスは魔力測定終わった?」
「僕は明日だよ。ウィードとディオはどうだった?」
寮にまっすぐ帰れ、とは言われたが寮の中で自室にこもっていろ、とは言われなかったので今日は俺の部屋に集合。話題になるのはもちろん、魔力測定と学園の噂。
「俺は風、んでちょっとだけ光だって」
「光か、回復魔法も使えるようになるかもしれないね」
「そうなったら将来安泰だよなー、どこに行っても回復要員は需要がある」
回復薬は持ち運ぶのにかさばるし、戦闘中に時間があるかどうかは分からない。即座に状況を判断して回復魔法を使える人材は重宝される。仕事に困ることはない、が。
「そうなったら魔力量増やさないとな」
「あれ、相当きついらしいから頑張ってね。ところで、ディオはどれ?」
ユリエスに話を振られて、ウィードがにやりとした笑いと一緒に肩に手を置かれる。
「ディオは不安定だったからな、属性は火と風っぽいけど」
「まあ、その不安定なのをどうにか出来るように入学したわけなんだけどね」
それにしても上手くやったね、という小さい呟きはウィードには聞こえなかったようだ。
「なんか言った?」
「いや、僕も明日頑張らないとって言ったんだよ」
「そうだな」
ユリエスはどの属性にするんだろうか。明日聞くとするか。
書き始めたら止まらなくなりました。
嬉しいけど、目がしょぼしょぼする。




