ご (11月20日追記 )
朝。何時も待ち合わせ場所に行くと、既に真希と和夏が私を待っていた。
若葉は毎朝自主練と言って、一人早くから登校している。自主練する理由を聞いたら、朝は誰も居ないから集中して練習が出来るのだとか。
まぁ、あれだけのギャラリーとあの部長じゃ、まともに練習なんて出来ないよなぁ。副部長さんが真面で良かったと思う。
「千草、おはよう」
「おは~」
「真希、和夏おはよう。真希は眠そうだね」
「ちょっと夜更かししちゃったから」
「ゲームでもしてた?」
「ん~~ そんなトコ」
「ここで話すのも良いけど、遅刻しちゃマズいから学校いこ?」
「ああ、そうだね」
和夏達との待ち合わせ場所から学校までは、歩いて10分くらい。それまでの距離に、同じ学校へ行く生徒の他、近隣の学校へ行く高校生や中学生の姿まである。中には熱い視線を送ってくる子も居るけど、和夏達のお陰で近寄って来るような事は無い。
それでも学校へ近付けば、私達に近付いて来ようとする子が増えてくる。
『夏目先輩! おはようございます♪』
『千草さん、おはようございます』
『千草、おはよう! 今日こそは私のモノになって』
先輩、後輩問わず、私の周りに人集りが出来る。
毎日の日課みたいになっているせいで、和夏達は私を置いて、さっさと校舎の中へと消えて行った。
また私一人にして……たまには助けてよ!
「皆、おはよう。待っててくれて嬉しいけど、他の生徒の邪魔になってはいけない。チャイムが鳴る前に教室へ行こうね」
「「「 はい! 」」」
私の両隣りをキープして離れようとしないのは、毎日告白してくる先輩と、小柄なせいか小動物を思わせる後輩。同級生辺りは教室で会える事もあってか、朝から絡んでくる事は無い。
私を慕ってくれる子達に囲まれながら校舎の中へと入る瞬間、後ろの方から女の子達の悲鳴が聞こえた。
そちらに視線を向ければ、悲鳴の先には若葉が女の子達に囲まれていた。
分かっている事とはいえ、やはり現実を目の当たりにすると、モヤモヤした気持ちになる。
『夏目先輩。今日の放課後、お時間ありましたら、私と一緒にデートしませんか?』
『千早は、私とデートするんだよね?』
「ごめんね。 今日も用事あるからデートは無理かな」
『そ、そうですか……』
『用事終わるまで待っていようか?』
「先輩、受験生でしょ。 勉強して下さい」
『そう言われると勉強しないといけないなぁ』
「取り敢えず、もうすぐチャイム鳴るから、皆それぞれの教室に戻ってね」
私がそう言うと、素直に教室へ行く子が大半だけど、腕にしがみついている二人は離れようとしない。
私は心の中で溜息をつくと、二人それぞれの頬にキスをすると教室の中へと入って行った。
「毎日の事だけど朝からモテモテだね」
自分の席に着くと、私を置いて行った和夏が話し掛けてきた。
「朝から疲れるだけ」
「そんな事言って、本当は嬉しいのでしょ?」
「そんな事あるわけ無いでしょ。というか毎回、二人共先に行かないでよ」
「なんで? 嫌だよ。千草の追っ掛けの子に睨まれたりするの」
「そんな子いるわ……あの二人ならやりそう」
「分かってるじゃん」
心当たりがあって反論出来ない。
しかし、あの二人を何とかしないと、この先色々と不味いよね。
そんな事を考えていたら、何時の間にか先生が来ていてHRが始まっていた。




