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よん

部活終わりに告白を受け、更に帰宅途中では芸能界へのスカウト。何時もの事とはいえ毎回だから辟易する。それに、今日のスカウトマン、かなりしつこく強引だったから、また近いうちに現れそうだな·····


「ただいま」

「お帰り。と言うか、かなりのお疲れだね。告白されてたけど、それ以外でも何かあった?」


とある高級マンションの最上階の一室が、私と千草の家だ。


「······アレ見られてたんだ」

「和夏と一緒に居たら、偶然声が聞こえたからさ。いくら断ると分かっていても、やっぱり嫉妬しちゃうな」

「本庄さんと一緒にって、今日は助っ人無かったんだ。でも、それを言うなら私も同じ。今日も屋上で告白されてたでしょ」

「助っ人は暫く無いよ。それより何で知ってるの!?」

「告白されてた裏手。何時もご飯食べてる所だから聞こえた。それに屋上なんて、私以外は千草が告白される以外人来ないから」

「何時も昼休み居ないと思ったら、屋上に居たんだ。でも嫉妬してくれるのは嬉しいかも。それだけ私の事好きなんだよね」

「ちょ、ちょっと! 私まだ制服のまま。抱き着かれたら制服に皺寄るでしょ!」


"ぎゅっ" と思いっきり千草に抱き締められ抗議しつつも、内心は物凄く嬉しい。早く千草に慰めて欲しかったから本当に嬉しいけど、本人には内緒だ。


「本当に嫉妬してたの?」

「嫉妬したよ」


私より背が高いのに上目遣いって、何処でそんなスキル磨いたのよ。そんな顔されたらキスしたくなっちゃうじゃない。


「今、キスしたいって思ったでしょ」

「そんな事思ってない」

「私は若葉とキスしたいなぁ」

「······キスしたいなんて言うの珍しい。何時もなら好き勝手にキスしてくるのに」

「若葉の事は信じてるけど、やっぱり不安なんだもん」

「学校では王子様とか言われてるのに、今はその欠片すら見られない」

「こんな私は嫌?」

「まさか。私の前だけ素直になってくれて嬉しいよ」


不安そうな顔をしている千草の唇に自身の唇を重ねる。

最初は軽いキスから、段々と舌を絡めるまでの激しいキスになり、気付けば服も乱れていた。

何度もキスを繰り返し、息も途切れ途切れになってきた頃、ようやく唇を離し息をついた。


「やっぱり千草の事大好きだ」

「私も若葉が好き」


もう一度 "ぎゅっ" と、抱き締め合いお互いの体温を確かめ合った。


「次からは、私が帰宅部になる日は、若葉の部活が終わるまで待っていよう」

「それは止めて。私と千草が一緒に居ると、 人集りが更に増えて困る」

「そんなの気にしなければいいじゃん」

「千草は良くても私が困る。それに、人集りが出来る度に嫉妬するから」

「それは私も同じか。それなら迎えの車でも頼もう」

「それも···」

「一緒に居るのなら心配要らないけど、1人で居るとなると心配だから。それに元々、送迎は無理言って断ってたから、もう断る理由も無くなったと思えばいいわけだから」

「今日みたいな事が続くのも嫌だし、ここは素直にその意見に乗るよ」

「分かった。家の方に連絡しておく」


今、私と千草がマンションの最上階に住めているのも、先の送迎の話も、全ては千草がお家の人に掛け合ってくれているからだ。

学校では王子様的な千草は、良家の子女だったりする。

そんなお嬢様が私と一緒に居る話は今度。

お陰で家でも学校でも(学校はそれぞれのグループがあるのだけれども)、一緒に居られる。

だから素直に本人には言わないけれど、千草にはずっと感謝しているのだ。








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