第2話 二本の華
「広いなぁ」
ランスロットは入学式が行われる大講堂に入って見てただそう思った。
広いのもそのはずで、この学院には中等部と高等部があり、中等部には800人、高等部には1200人もの生徒(入学生も含め)が在籍している。そのため、2000人の生徒を全員収容できるように設計されているのだ。
講堂について考えながら彼は、高等部の生徒に割り当てられた座席スペースの一席に座った。
「お隣、失礼してもよろしいですか?」
そう声を掛けられて振り向くと、そこには美しい女性がいた。
茶髪のロングヘアを三つ編みにまとめ琥珀色の瞳で、服の上からでも分かる理想的な女性のプロポーションをしていた。
「ええ、どうぞ。」
「ありがとうございます。では失礼します。」
そういって、俺の左隣の席に座った。
「自己紹介しておきますね。私はアルテナ・マクゴラスと言います。以後よろしくお願いします。」
「ランスロット・ラクシアだ。よろしく。」
「良い名前ですね!ランス君とお呼びしても?」
「構わないよ、好きに呼ぶといい。」
「では、ランス君と。それと、私のこともアルテナと呼んでくださいね。」
「分かったよ。アルテナ」
彼女は満足そうな顔で頷いた。それから少し会話をした。
「そういえば、今年の新入生代表挨拶はアイゼオン皇国の姫君みたいですよ。」
「へぇ、姫様がねぇ。」
「ええ、なんでもその姫君は突出した魔法の才能をお持ちで魔力量も多く、氷系統の魔法を使うことから巷では白雪姫と呼ばれているみたいです。」
「白雪姫か、まあ有名になるくらいだから実力はあるんだろうけど。でもそう言う君はどうなんだい?アルテナ」
「どうしてそう思うのです?」
「いや、君もなかなかの実力者だと思うよ。俺は結構眼が良くてね。」
「そうですか...」
彼女は驚いた様子だった。
『静粛に願います。これより公立メトロポリタン学院の入学式を挙行いたします。』
そのアナウンスとともに辺りは静まり返り、入学式が始まった。入学式はつつがなく進み、そうして新入生代表挨拶となった。
『代表、エルティーナ・V・アイゼオン』
そうして、出てきたのはアルテナにも劣らぬ美しい女性だった。
銀髪のロングヘアに銀色の瞳、凛々しい顔立ちにスレンダーなスタイルと絹のような白い肌とが相まって神々しさすら感じるほどだった。
「あれが、その白雪姫か、たしかに実力はあるようだ。」
俺はその人を視た。
(確かに高い魔力量だ、アルテナよりも多いな。まあ視たところで関わることは無いと思うからあまり意味はないんだがな。)
そうして入学式は終わり、これから彼の学院生活が始まる。




