第3話 模擬戦にて
そこはまさに地獄。
燃え盛る炎、響き渡る悲鳴、壊れゆく建物。
かつては水の都として栄えたその街は、もはや火の海になっていた。
「逃げなさい!ランスロット!逃げて、生き延びなさい!」
「母様!嫌だ嫌だ嫌だ!母様を置いていきたくない!」
「仕方ないのですよ、ランスロット。そういう運命なのです。ですが、貴方は生きなさい。貴方は生きなければならない。....では、我が子を頼みましたよ。ガラハッド」
「承りました。」
「嫌だ!待って!離してよ!母さまーー!」
「大きく育つのですよ、ランスロット。」
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鳥のさえずりが聞こえる。
「朝か」
昨夜は嫌に昔の夢を見た。あの夢を見るのはいつぶりだろうか、なぜ今この夢を見たのだろう。理由は分からない。ただ、言い知れぬ気持ち悪さだけが残る。
「もう、10年か」
その後は普通どおりに支度をし、いつも通りに家を出た。今日から普通に授業がはじまる。
また今日はクラス分けの発表でもあった。
この学院のクラス分けは、ひとクラス40人となっており、魔法科が6クラス、科学技術科が4クラスある。どうやって分かるのかは入学試験の際の成績でA,B,C,D,E,F の順に分けられる。
生徒玄関の壁に貼り出されていた紙を見ると、どうやら俺はAクラスになったようだ、見知った名前があるか探して見ると、アルテナもAだった。ちなみにエルティーナ姫もだ。
教室の場所を確認し中に入ると、ドアを開けた音で一瞬クラスが静まり俺に視線が殺到したが、すぐにざわめきを取り戻した。
前の黒板に貼ってあった座席表の自分の席を確認していると、アルテナが声を掛けてきた。
「おはようございます。ランス君。同じクラスですね。」
「ああそうだな、よろしく。」
「よろしくお願いします。」
軽く挨拶を交わし、自分の席に着いて外を眺めていると今度は前から声を掛けられた。
「よう、お前が俺の後ろか、俺はユリウス・シーザーっていうんだ。よろしくな。」
「ランスロット・ラクシアだ。よろしく。」
「じゃあ、ランスだな!俺のこともユリウスって呼んでくれ。」
「オーケー、ユリウス。」
「ところでランスの魔法属性ってなに?」
「水属性だ。」
「へぇ、確かにそれっぽいな。ちなみに俺は土属性だぜ。」
「ユリウスも、それっぽくて似合ってるな。」
「だろー?結構自信あんだぜ?」
「そりゃ、優秀なAクラスなんだから誰だって自信はあるだろう?」
「まあ、そうなんだけどな。ハハッ」
そうして、雑談していると。
キーーン、コーーン、カーーン、コーーン
時計塔の鐘が鳴るとほぼ同時に、1人の女教師が入ってきた。
『静まれ、ホームルームを始める。まずは、自己紹介をしよう。私はこのクラスの担任となったアルメリア・ハインネッケルだ。アルメリア先生と呼べ。』
アルメリアという先生はなかなか綺麗な先生だが、全身から出る威圧感があってあまり近づきたくないと思った。
『では、お前たちにも自己紹介をしてもらおう。1人づつ名を名乗れ。まずはアルテナ、お前からだ。』
そうして自己紹介をして、軽い連絡などでホームルームは終わった。
『よし、ではお前たち。第1修練場に移動しろ、まずはお前たちの実力をある程度見せてもらう。』
(いきなり実技か、まあ他の人の力を見れるからいいか。)
「おいおい、いきなり実技だとよ!腕がなるな!早くいこーぜ!」
「わかったからあまり急ぐなよユリウス。」
ーー第1修練場ーー
第1修練場は入学式が行われた大講堂よりも少し大きく、ユーロピにある世界遺産のコロッセウムのような形をしていて、中央に石畳の闘技場がある。ここが、Aクラスに与えられた修練場で、いつでも利用可能になっている。
『では、ここで模擬戦をしてもらおう。対戦表は事前に作ってあるので、順番が来たらこちらから呼び出す。戦う2人以外は観客席に座れ。じゃあ早速始める。まずはーー』
そうして、模擬戦が始まった。
特に、気になることはあまりなかったが、ユリウスが結構の実力者であることに驚いた。なかなかいいセンスをしている。
見た中で1番強いと思ったのはやはりあの姫様だ。身のこなし、魔法構築の練度、適切な魔法選択。どれもこれもが他と一線を画している。白雪姫と呼ばれるだけはあるな。
『次、ランスロットとアルテナ、入れ。』
そうして、俺の番がやってきた。しかも相手はアルテナだ。俺の目が間違ってなければそれなりの実力者だ。油断しないようにしよう。
「まさか、ランス君と試合するなんておもいませんでした。お手柔らかにお願いしますね。」
「俺もだよ、こちらこそよろしく。」
『では、始め!』
さあて、いっちょやりますか。




