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1章-10 欲望の国
「ご苦労。」
アレックスは城門の兵士に軽く挨拶すると、門番は道を開ける。流石に将軍ともなれば城の入退場も顔パスであった。もっとも、顔だけではなく、その鎧に刻まれた家紋で判別しているのかもしれないが…。ロード家が国王から与えられた紋章は「不死鳥」である。マントには不死鳥の顔、羽が金の糸で表現されている。このような重要な家紋が豪華に縫われている装備を身に付けているのは将軍ぐらいであるからだ。実際、こうして城に訪れるまでの道では町民達はアレックスのために道を開くくらい目立っていた。
「…大分サマになってきましたよ。」
少し後ろを歩いていたクラウドが耳打ちする。
「何を言っている?私はロード家長男アレックス・ロードであるぞ。」
アレックスは即答する。当たり前のことであったからだ。クラウドは少し寂しそうな顔をした。
「そうですか…。」
アレックスはクラウドを連れて城内に入って行った。
アレックス達は円卓の間に通された。謁見の形式でも構わないと思うのだが、少しでも将軍達との距離を縮めたいという王の意思であるらしい。そんな円卓の間に入ると先客がいた。
「やあ、久しぶりだね、アレックス。」
さわやかな笑顔をこっちに向ける青年にアレックスも笑顔で応える。
「君こそ元気そうで良かったよ、ジャック。」




