黄金の茶室はもう古い!未来の文化チートで利休を黙らせ、黒歴史を粉砕する
信長様からの信頼は不動のものとなり、徳川家康もガッチリと味方に引き入れた。
次にオレが着手したのは、天下を統べるための「文化的権威」の掌握――すなわち、茶の湯の改革だった。
「筑前様。この器の『美』が、お分かりになりますか?」
オレの前に座るのは、天下の茶頭・千利休。史実では後にオレ自身が切腹を命じることになる、気難しい天才芸術家だ。
利休は、農民出身のオレを心のどこかで「成金の猿」と見下しており、わざと地味で歪んだ茶碗(わび茶の極致)を出してオレの教養を試そうとしていた。
オレは茶碗を一瞥し、フッと笑った。
「利休どの。あんたが言いたいのは『不完全の美』だろ? 豪華な金銀よりも、削ぎ落とされた静寂にこそ価値がある……。だがなぁ、オレはその先(未来)の美を知っとるんだわ」
オレは未来の記憶にある現代の芸術論をスラスラと語り、さらに職人に作らせた「透明なガラスの器」や、計算し尽くされた空間デザインを披露した。
利休は目を見開いて硬直した。
「な、なんという美意識……! 私が一生をかけて到達しようとしていた境地の、さらに先を行っている……! このお方は本物の天才だ!」
利休は自らの傲慢さを恥じ、その場に平伏した。こうしてオレは、最高の文化的パートナーとして利休を味方につけた。
勢いのまま、オレは最大の「滅亡フラグ」を潰しに動く。
史実ではオレ自身が追い詰めてしまった、大切な甥の羽柴秀次を呼び出したのだ。周囲からのプレッシャーで潰れそうになっていた若い秀次の肩を、オレはガシッと掴んで笑った。
「秀次。お前はよくやっとる。無理して天下を背負おうとするな。お前にはお前の、最高の輝き場所(内政の要職)をオレが用意してやるがね」
深い愛情で包み込むと、秀次はボロ泣きしながらオレへの生涯の忠誠を誓ってくれた。これで豊臣家最大の内部崩壊フラグも完全に粉砕だ。
そして迎えた、織田家の最高作戦会議。
信長様や重臣たちが「日本を統一した後は、大陸(明国)へ攻め入るか!」と息巻く。史実でオレが大やらかしした「朝鮮出兵」の兆しが、早くも現れていた。
オレは机を叩いて立ち上がった。
「信長様、大陸への無謀な戦争など、百害あって一利なしにございます! 今の時代、戦うべきは武力ではなく『大航海(貿易)』です!」
オレは懐から、未来の記憶を元に描いた【世界地図】を広げた。
「明国を敵に回す必要はありゃあせん。我が国がすべきは、未来の航路を使って世界中の南蛮諸国との貿易を独占すること。武力ではなく、『世界一の経済大国』として世界をひざまずかせるのです!」
提示された完璧な世界戦略と莫大な富のシミュレーションを前に、戦狂いの信長様すらもゴクリと息を呑んだ。
「……面白い。秀吉、お前の言う通り、世界を買い占めてやろうではないか」
文化的にも、身内の統制も、国家戦略までも完璧に書き換えたオレ。
そこへ、信長様からの緊急の使者が走ってきた。
「秀吉様! 信長様より、天下の差配をすべて貴殿に譲るとの勅命が!」
よし、お膳立てはすべて整った。
足軽上がりの男が、誰も見たことがない「最高の天下」を完成させる瞬間だ!




