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魔剣に選ばれた王女 〜亡国から始まる反逆の戦記〜  作者: 筑紫隼人
第一章「魔剣と王女」

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静止していた世界が、ゆっくりと動き出す。


——否。


動いていたのは、自分ではない。


セリスは理解した。

自分の身体が、自分の意思とは関係なく前に出ている。


「な——」


声が出ない。

腕が動く。

剣が、振られる。


その動きは、美しかった。


まるで、最初からそうなるように世界が設計されていたかのような、無駄のない一閃。


次の瞬間。


目の前にいた帝国兵の首が、音もなく落ちた。


血が噴き出す。

だが、その飛沫は——自分には一滴もかからない。


「……どう、なって……」


『ご安心ください』


頭の奥で、声が響いた。

冷たく、静かで、そして妙に整った声だった。


『現在、最も効率的な排除行動を実行しております』


「排除……?」


『敵対個体の無力化です』


その言葉と同時に、身体がさらに動く。


三歩。

振る。

突く。

払う。


——終わり。



気付けば、囲んでいた兵は全員倒れていた。



沈黙。


焦げた匂いと、血の匂いだけが残る。


セリスの膝が、震えた。


「……あなたは……誰……?」


わずかな沈黙の後、声は答えた。


『私は剣です』


「……剣?」


『はい。名称は——ノイエ・ジール』


その名は、どこか異質だった。

この世界の言葉ではない響き。


「……今のは……あなたが……?」


『はい。あなたでは再現不可能なため、代行いたしました』


一瞬、理解が追いつかない。


「……勝手に……?」


『はい』


あまりにも当然のように言う。


セリスは、息を呑んだ。


「……人を……殺したのよ……!」


沈黙。


だが、すぐに答えが返る。


『訂正します』


静かな声。


『すでに死亡しました。現在はただの有機物です』



——その瞬間。


セリスの中で、何かが弾けた。



「ふざけないで!!」


叫びが、夜に響く。


だがその声は、あまりにも静かに返された。


『ふざけておりません』


間。


『事実を述べております』



——理解できない。


この”存在”は、自分とは決定的に違う。


そう、本能が告げていた。

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【開始12時間で100PV突破の注目の新作!】意志を持つ禁忌の魔剣は、彼女を守る剣か、それとも彼女を喰らう器か? 復讐に燃える王女が世界の真実を斬り拓く、本格ダーク戦記。
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