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三十一話 戦乱の時・~山小屋への道・襲撃~

 宜しくお願い致しますm(_ _)m

 ヤシン・ブリアンの待つ――いや、待ち構えているだろう山小屋までは、三キロメートル程度しかないのだが。


 王立騎士団の使いの者からの報告だと敵の数が二十人に増えている。

 

 使いの者は大隊長の一人らしく、国王に直接そのことを伝えていたそうだ。


「それでも、国王様は帰る気がないのよね……」


 と話をするときの、シャロンの嫌そうな顔が頭から離れないフィリアである。


 で、今歩いている道は、一応、整備されてるとは言え、山道なので石やら何やらに足を取られないように気をつけるだけでなく。


 罠などの有無も確かめながらなので、ゆっくりとしか進んで行けない。


 まだ昼前なので、日が暮れるまでには山小屋に辿り着けるだろうが、それまで気を張り詰めているのはさすがに――とフィリアは考えた辺りで思い直す。


(いいえ、これが戦場では普通なのでしょう)


 フィリアが、自身の考えが甘かったと密かに恥じ入っていると――


 かすかに……ほんの一瞬だが、誰かから向けられた殺気を感じ、反射的に両刃で幅広の剣(グラディウス・シルフ)つかに手をかけた。


「どうした? フィリア」


 隣を歩く国王が、フィリアの動きに気づいて声をかける。


「今、一瞬だけ、誰かの殺気を感じ取りました」


 国王は驚いて辺りを見回す。


「シャロン、止まってくれ。フィリアが殺気を感じ取ったそうだ」


 が、国王が呼びかけるまでもなく、国王以外の誰もが立ち止まっていた。

 

 そこで国王もようやく気づいたようだ。自身が率いる精鋭部隊が待ち伏せされていたと言う事実に。


「……なるほどね。真っ向勝負する気なんて鼻っからないのね」


 シャロンがぽつりと呟く。どうやら敵の狙いは国王だけらしい。


 フィリアが殺気に気づいたと言うことは、フィリア及び、フィリアの周囲にいる誰かに向けられた殺気である可能性が高い。 

  

 更にはヤシン・ブリアンに呼び出されているのは国王だ。


 そこから導き出される答えは、国王が狙われている可能性が一番高い。である。


 フィリア以下、国王のすぐ後ろにいた騎士と、精鋭部隊の隊長であるフィリアの兄ハリソンと、シャロンまでもが国王を守るようにその周りを固めた。


 ――ヒュッ、と国王目がけ、フィリアとハリソンのあいだを縫うように弓矢が放たれる。


 咄嗟とっさに国王へとおおい被さるハリソンだが、その行為は徒労とろうに終わった。


 何故なら、いつのにやら国王のみならず、全員を覆うように防御の術がかけられていたからだ。

 

 放たれた弓矢は、国王やハリソンに届く前に、防御の術によって弾かれる。


 ――パキン、と薄い硝子が割れるような音がした。


 だが、国王が精鋭部隊にと選んだ国家魔術師が素早く呪文を唱え、防御の術をかけ直す。


 ――キィィン、と何かが張られるような音が回りに響く。


「あら、やるじゃない」


 シャロンが、感心したように防御の術を張り直した国家魔術師に向かって言う。


 藍色のローブを着た国家魔術師は、照れたように軽く礼をしたが、その顔は目深まぶかに被ったフードに隠れて見えなかった。


 どうやら、弓矢を防いだ防御の術はシャロンがかけていたらしい。 


 そこで――今度はフィリアのすぐ近くから妙な動きの弓矢が放たれる。


 その弓矢は牧場にいたハンサウス兵の頭を射貫いた射手が放った弓にほかならない。


 彼はフィリアの兄であるハリソンと同期の王立騎士である。


「追尾の魔術が付与されている弓のようね」


 シャロンが説明するようにひとちる。

 

 弓矢の起動は敵に向かって正確に、しかし不自然な起動をえがきながら飛んで行き――


「――ぐっ!」


 木の上から国王に矢を放った射手を的確に射貫いたようだ。


 フィリア達からは見えにくい位置にいた射手が、ドサッと木の上から落ちる音がした。

 

 それが合図になったのか、フィリア達が歩いている道の両側から五人ずつハンサウス兵が飛び出して来る。


 すかさず国王とシャロンを含む国家魔術師達をも囲むように円陣を組むフィリア達。


 こちらの射手は剣も使えるらしく、弓を背に仕舞い、腰から剣を抜いた。


 フィリアは混戦になることが分かり、両刃で幅広の剣(グラディウス・シルフ)を抜くのを瞬間的に躊躇ためらいそうになったが、結局(さや)から抜いて応戦することに決める。


 円陣を崩さぬよう襲いかかって来たハンサウス兵に応戦するべく両刃で幅広の剣(グラディウス・シルフ)を振るうフィリア。


 その左隣では兄のハリソンがハンサウス兵に応戦している。


 フィリアに向かって来たハンサウス兵は二人だ。


 フィリアが女だからすきをつけると思ったのだろうが、それが間違いなことにはすぐ気づくこととなる。


 フィリアが横薙ぎに両刃で幅広の剣(グラディウス・シルフ)を振るうと、ハンサウス兵二人の上半身と下半身が真っ二つに切断される。が、国家魔術師が張り直した防御をも一緒に斬ってしまったようだ。


 パキン、と先ほどと同じ音が聞こえたのがその証拠である。


 フィリアが左右を見ると、右側で、兄のハリソンと同期の王立騎士が苦戦していることに気づき、両刃で幅広の剣(グラディウス・シルフ)を鞘に納めると助太刀に入った。

 

 フィリアと同じく一人で二人のハンサウス兵に応戦しているのだ。

 両刃で幅広の剣(グラディウス・シルフ)で、ドガッと力一杯ハンサウス兵の一人を殴り倒す。


 その直後――


「『いかずちよ、我が敵の身に落ちよ!』」


 円陣の内側にいる国家魔術師の一人が攻撃呪文を唱え終わると同時に、三人のハンサウス兵に上空から、ドカンッと雷が落ちる。


 応戦していた味方も軽く軽感電したようだが、残り四人になったハンサウス兵を倒すほうが先である為、痛みに耐えて攻撃を繰り出す。


 偵察部隊の精鋭であるとは言え、フィリア達のほうとて精鋭だ。


 ついには国王自ら参戦して、ハンサウス兵を倒しにかかっている。


 そのあいだ、シャロンは立て続けて国王に補助や強化の魔術をかけるべく呪文をを唱えている。


 シャロンが一つ呪文を唱え終るごとに国王の動きや顔色が良くなって行く。


 混戦にはなったが、こちらが有利なので、フィリアは他にもハンサウス兵が隠れてはいないが、気配を探る。


 と――フィリアは両刃で幅広の剣(グラディウス・シルフ)を鞘から抜き放ち――


「そこっ!」


 声を出すと同時に敵意を孕んだ人の気配がするほうへと両刃で幅広の剣(グラディウス・シルフ)を振るう。


 その軌道がそのまま風のやいばとなり、数メートル先に隠れていたハンサウス兵を斬り倒す。


「――っ!」


 まともに声も上げられなかったようで、木の枝に潜んでいたハンサウス兵が、ドサッと地面へ落ちる音が聞こえた。


 フィリアは仕留めたハンサウス兵のそばまで走って行くと、片手に弓を持った兵士が左腕と胸を、ザックリと斬られて絶命していた。


 フィリアがハンサウス兵の持っていた弓と矢を取り上げ戻ろうときびすを返すと、最後のハンサウス兵を国王が斬り倒し、ちょうど戦闘が終わったところだった。

 この作品はカクヨムで完結済みですが、バックアップの意味も込めてなろうさんにも投稿しています。

バックアップの意味を込めていますので、誤字脱字、ルビのミス以外はカクヨムにあるものと何も変えていません。

 

 そして、お読み頂いた全ての皆様に感謝致しますm(_ _)m

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