194話 訪問
ホテルは想像以上にエレガントだった。
春から大学生になる俺たちには似合わない内装をしていて、おどおどしてしまった。
今回、一人一部屋が与えられているのだが、なぜか今現在、俺の部屋にはてっちゃんとトシくんが早速訪問してきている。
「まぁそりゃそうなるわな!諦めろマサト!」
「まぁお泊まりはこうなるよね!諦めようマサトくん!」
「トシくんまでそういうタイプなのか?」
「もちろん、そうだよ!だって、こういうのしたことないからね!楽しみだったんだよ!よし、じゃあこれ持ってきたから!」
トシくんは突然収納からUNOやトランプ、ボードゲームを多量に取り出した。
「お、おう、凄いなこれは、、、なに?全部やるつもり?」
「当たり前じゃないか!マサトくん、考えてみて?君は今日一体何の仕事をした?
ここに来るまで記者会見の見学、インタビューの見学、ドッキリの見学。
もうそれはなにもしてないのと一緒だよ?
じゃあ体力も有り余ってるはずだ!
フッフッフッフッ
僕の名は、サトウ・J・クロフォード。
さぁ、ショーの始まりデース!
今、始めよう!
Dコインを賭けた戦いをッ!!!」※賭博罪に該当
トシくんは左目に手を添えてセリフを決めた。
「おい、トシが千年アイテムに毒されたぞっ!!」
「やってやろうか。まずはトランプからやろう。俺の滅びのバーストストリームをお見舞いしてやろう。覚悟しておけ」
この高級ホテルで突如始まったゲーム大会は20時からスタートし、23時まで続いたのだった。
そして、結果はトシくんのボロ勝ち。
何なんだ、あの強さは、、、
「君たち、いつでも再戦待ってるよ!せいぜい頑張りたまえ!」
「くそっ!トシ!もっと手加減した方がいいぞ!感じ悪いぞぉ!!!」
「今回は運が悪かっただけだから、次は勝つ!」
すると、
コンコンコン。
ゲーム大会がひと段落して、喋っていると突然入り口からノック音が聞こえてくる。
「お、何だ?安倍さんか?」
てっちゃんが即座にドアの方へ小走りで様子を伺いにいく。
「はーい!誰ですかー?」
「安倍です!どうしてもお話ししたいという方をお連れしました」
てっちゃんが鍵を開けるとその瞬間に大きな体がにゅっと開けたドアの隙間から入ってくる。
「ちょっとミスター・ジョンソン!待って!※英語」
安倍さんのビックリした声が聞こえる。
「え、ええ!?英雄ぅ!?何でここに!?」
てっちゃんが後退りながら驚く。
「やっと君たちに会えたよ!オイラ楽しみにしてたんだけど時間なくってさ!※英語」
「んん?何て?俺、英語わかんねぇよ!」
「すみません、山田さん!ミスター・ジョンソンがどうしても君たち3人に会いたいってゴネてね。会えないならこっちから行くと言い出したのでこうして私が案内してきたと言うわけです!」
「そうだったのか、ありがとうございます!」
「でも、俺たち、英語ってトシが少し話せるくらいだけど平気なのか?」
「てっちゃん!僕、普通の会話なら多分大丈夫だと思うよ!安倍さんも英語できますか?」
「私も難しいビジネス用語以外は大丈夫ですよ、サポートします」
「ありがとうございます!」
トシくんが英雄の方は近づき、話し始める。
「こんばんは!ミスター・ジョンソン!僕はサトウトシです。よろしくお願いします!僕ら3人の中で英語を話せるのが僕だけなので、基本的に僕がお話しさせていただきます!※英語」
「わお!トシサトウ!よろしくね!君のことも少し知っているよ!ダンジョンの商人でしょ?中で何度か名前を聞いたことあるんだよ、凄いね、あんなに有名になるなんて!※英語」
英雄はトシくんの手をガッシリ握るとブンブン上下に振りながら挨拶をする。
「いえいえ、大したことないですよ!ところで今回、どういった要件でいらしたんですか?※英語」
「そうだったね!オイラはアメリカ国内だと独走状態でね。あんまりダンジョンの事を話せる相手がいないんだよ!特に真実の事とか。だから、君たちと話したくて!いいだろう?※英語」
「もちろんです。では、こちらで一緒に話しましょうか※英語」
トシくんは俺がいるベッドに腰掛けて、英雄をその近くにあったチェアに案内する。
てっちゃんはささっとベッドに移動して、安倍さんは部屋の隅で見守っててくれる。そして、多分英雄の後を追って来たのか、ダンジョン管理局の局長もぜぇぜぇ言いながらやってきた。
「おい、ミスター・ジョンソン!あれだけ言っておいたのに日本の皆さんに迷惑かけるな!※英語」
「まぁまぁ怒らないでよ!ほら、彼らも乗り気じゃないか!※英語」
「我々は犯罪行為さえなければ、特に問題ありません。ミスター・リチャード、それより、彼を見つけてすぐ帯同してこちらへ来たので、ご報告が遅くなり申し訳ありません。※英語」
「ああ、それは構わないよ。むしろ彼らのところまでスムーズに案内してくれた事を感謝する※英語」
「リチャードもそこで聞いてていいよ!これからオイラたちは大事な話があるんだからさ!※英語」
英雄は子供のようにウキウキしながら俺たちの目をしっかりと見つめてきた。
俺も楽しみだ。
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