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モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います 作者:よっしゃあっ!
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10.それは某ゲームで有名なあのセリフ


 そう言えば、火事場泥棒をしていて思ったことがある。
 一体どこまでが、アイテムボックスに収納できるのだろうと言う疑問だ。

 適当に家具や食料を放り込んでいたが、アイテムボックスは問題なく機能していた。
 収納したアイテムのリストにも、きちんと掲載されている。

 つまりこれは、『他人の物』でも、収納出来ると言う事なのだろうか?
 それとも俺が『自分の物だと認識している』から収納できるのか?
 もしくは、例のアナウンス―――仮に天の声と呼称するが、それが俺の物かどうかを判断しているのか?

 俺の認識か、天の声の判断のどちらかだとは思うけど。
 多分、後者だろうなー。
 自分の認識ってのは、結構あやふやなもんだ。

 例えばペットボトルに入れた水。
 水を入れた状態のペットボトルは収納できたが、そこから水『だけ』を取り出す事は出来なかった。
 これは多分、俺自身が水もペットボトルも全部で一つという『認識』をしているから。

 一体どこまでが俺の『認識』として、天の声に通じているのか?
 これは少しずつ試していくしかないだろう。

「おっと……」

 考え事をしている間に、階段を下り終わった。
 普通に歩けば一分もかからないで降りるのにずいぶん時間かかったなぁ。
 一階の部屋はどこもボロボロに荒らされていた。
 恐らくあのゴブリン達がやったのだろう。
 だが部屋は荒らされていても、血痕の後や争った形跡はなかった。
 やっぱ住民の皆さんは避難していたのだろう。 俺を置いて。
 べ、別に寂しくなんてないけどね。寝てただけだし!

「あ、そうだ。車」

 俺の無事だろうか?
 駐車場へ向かう。


 ボロボロだった……。
 見るも無残な姿になってた。
 おのれモンスターめ、まだローンが残っているというのに……!

 こりゃ乗るのは無理だな。
 でもこのまま捨てておくのはもったいないなー。
 アイテムボックスに入るだろうか?レベルも上がったし。

 試してみる。
 車が消えた。
 おぉ、入ったよ。
 こんなでかいモノでも入るなんて。
 ホントスゲーな、アイテムボックス。
 マジ、チート。

 くっくっく、見ていろモンスター共め。
 貴様らがボロボロにした車で、貴様らを押しつぶしてやるからな。

 リストを確認すると、一番下に『廃車×1台』と追加されていた。
 廃車……ぐすん。

「……ん?」

 そんな感じにちょっとへこんでいると、後ろから何者かの気配がした。
 でも『敵意感知』や『危機感知』には反応がない。
 てことは、モンスターじゃない?
 もしかして逃げ遅れた人かな?

 ゆっくりと後ろを振り返る。
 そこに居たのは、一匹の犬だった。

「お前……もしかして、モモか?」

「ワン!」

 モモと呼ばれた犬は元気よく返事をする。

「うおーモモ!無事だったのか!」

「ワン!」

 俺は一目散に駆けだし、モモに抱き着いた。
 モモもペロペロと俺の頬を舐めてくる。

 モモはこの近所を縄張りとしている野良犬だ。
 柴犬の雌で、近所の茂みで見つけて以来、ちょくちょく餌をあげていた。
 野良犬に無責任に餌をやってはいけませんって言うのは分かってはいたが、このアパートはペット禁止だ。
 連れ込むことは出来ないし、かといって保健所や誰かほかの飼い主を見つけるのは嫌だった。

 なぜならモモは、日々社畜生活で疲れ果てた俺にとって、ネット小説に次ぐ癒しだったからだ。
 ネット小説とモモが俺の精神を支えていたと言っても過言ではない。
 甲斐甲斐しく世話をしていたおかげか、モモは野良でもすっかり俺に懐いてくれた。

「良かった~、生きてて良かったよ、モモ~」

「クゥーン」

 すまん、モモ。 
 ぶっちゃけ、モンスターやスキルに夢中で、お前の事をすっかり忘れてしまっていた。
 我ながらクズだなぁとは思う。
 というか、こんな世界になったんだし、もう絶対死んでるだろうなと思い、なるべく思い出さないようにしてたんだ。
 ホントゴメンな、モモ。許してくれ。

「クゥーン」

 モモはそんなの気にしてないわよーみたいな感じで俺の頬を舐める。
 ラブリー、癒されるわー。

「あ、そうだ。モモ、お腹減ってるだろ、ほらご飯だ」

 俺はアイテムボックスからドックフードと皿を取り出しモモに与える。
 モモはお腹が減ってたのか、ガツガツと食べ始めた。
 その姿を見ながら、俺は癒される。

 あ、ちゃんと周囲の警戒は怠ってないよ?
 今のところモンスターの気配はないし。

 しばらくして、モモの食事が終了した。
 満足そうに口をペロペロと舐めている。

「ん?」

 モモはじっとこちらを見つめてきた。
 なんだ?量が足りなかったのか?
 もう少し食べるか?
 俺はアイテムボックスから再度ドッグフードを取り出そうとする。


≪モモが仲間になりたそうにアナタを見ています。仲間にしますか?≫

「は……?」

 今なんか変なアナウンスが流れなかったか?
 具体的には某ゲームで有名なあのセリフだった気がするんだけど……。


≪モモが仲間になりたそうにアナタを見ています。仲間にしてあげますか?≫

「ワン!」

 聞き間違いじゃないかったよ!

 モモはキラキラした目で俺を見つめている。

 えっ、この世界、そういうシステムありなの!?

読んで頂きありがとうございます
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