その13 帰還への道
2話投稿します。
一応、全ての扉を開けて中を確認しなくちゃね。魔王Ⅱ何てのはいないと思うけど。小さい瘴気の塊は残ってるのね。ちょこちょこ消したけど、確認作業が終わったら、この場所全体を浄化しておいた方がいいわよね。
「聖女様、少し休まれてたら如何です。皆も交代で休憩してますので」
「ヒンス様、ありがとうございます。お言葉に甘えます」
甘めの紅茶とクッキー擬きをパッと用意してくれて、本当にヴォカロちゃんはよく気が利くよね。
「戻られたら、ユーアさんと一緒になられるんですか」
「はい、そのつもりです」
うふっ、照れて可愛いですね。
「僕もいい年なんで。ユーアを随分待たせましたしね」
「いい年って、フフッ、おいくつなんですか」
「今年、二十五になりました」
「え、二十五? 私より年上?」
「はい、討伐隊の中では一番の年上ですね。家の事情で入団したのが遅いんで」
「わ、若く見えますね」
「聖女様と一緒ですよ。僕の場合は見た目で損をしてますが、女性の場合は得ですよ」
「いやいや、そんなこともないと思いますが」
びっくりした。この国の人、見た目と実年齢のギャップが大き過ぎるでしょ。……私もか。
三日掛かって探索が漸く終わったところで、全体に浄化を願います。こんな立派な場所、勿体ないから再利用できないかなと思ったんだけど、ここまで来るのが遠いのと扉一つとっても大き過ぎて扱いづらいんじゃないかと言うことでペンディングすることになりました。帰ったら公募で使い道募るのもいいかも。
サードア村に着いたのは、それから六日後でした。村人さん達、何だか艶々してますねぇ。ヒール掛けた時ほどでは無いにしろ、生き生きしてますよね。何でも、洞穴で待避していたので直接、浄化の影響は受けなかったらしいんですけど、自分達の邪気が祓われたとか何とか。新しくなった、いえ綺麗になった村で清々しい気持ちで毎日を過ごされていたようです。
代表者さんは、『ワンゲルに避難した人達の確認が必要なのでこのまま同行します』というのはいいんですが、やっぱりこの人距離が近い。
ツウェン村の事も気になるけど、討伐隊は迂回してワンゲル町に向かうことになったんだのよね。結構、長い道程になったけど、それなりに楽しく移動できたと思うな。今回は、夜営充分楽しめたし。
もう少しでワンゲルに着くのかなって時にラジャスタさんがにこにこしながら草の束を持ってきたんですけど何でしょうか。
「見てください。この道、凄いです」
「……草、ですね」
「薬草です。それも珍しい薬草が数種類です」
「へぇ。薬草なんですか。……これって商品になりますか」
「勿論です。かなりの高値で取引されてますよ」
ワンゲルの特産品出来ました! ここに避難した人達や戻って来られる人達の生計に役立ちますよね。浄化、グッジョプです。
町に着くとユーアさん達に迎えてもらえました。皆さん、町の集会所で過ごされていたとの事。南西の町との距離がそんなに離れていないこともあり、元の住人もかなり戻って来ているそうです。
南西の町に残った人は、今まで間借りしてたのが一戸建てに無料で住めるとか、王都に近いので一商売したいとか理由は様々ですが、前向きの選択をされたみたいです。
連獅子さんの一言で、代表者さん達討伐に参加してくれたサードア村の四人は、国からの報奨を受けるために一度王都まで同行することになりました。活躍してたものね。
ユーアさん達はワンゲルに正式に移住することに決めたとの事。これからの住まい等を決めてから王都に来るそうです。『凱旋パレードには行くわ。ヒンスの晴れ姿見過ごせないもの』って、凱旋パレードがあることを初めて知りました。
王都への帰還は、連獅子さんが私を乗せて帰りたいって固持して、王太子は先頭で威厳を持って帰還すべきだと言う黒髪さんと揉めました。騎士団の応援もあって黒髪さんの勝利!
結局、一人で馬に乗ってヴォカロちゃんに引いてもらうことになりました。ヴォカロちゃんの馬なら少しの調節で鐙に足届くしね。そ、他の馬、大きくて無理だったのよね。
そして、私達、漸く王都に帰ります。




