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名門落ちの俺、二流実戦校で成り上がる  作者: ボンゴレ11代目


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第3話 特待生の実力


訓練場は、朝から異様な熱気に包まれていた。


円形の石造りの闘技場。

授業用とは思えないほど広く、壁面には過去の激戦の跡らしき亀裂まで走っている。


その観客席を、体術クラスの生徒たちが埋めていた。


「新入り対特待生とか、初日から飛ばしすぎだろ」

「クロウが勝ったら面白いな」

「いや、エリシアって本国じゃかなり有名らしいぞ」


好きに言ってろ。


俺はリング中央へ歩く。


向かい側には、エリシア・ノヴァ が立っていた。


制服姿のまま。

細い身体。武器もない。


舐めてるのかと思ったが、その立ち姿には隙がなかった。


「ルールは簡単だ」


観客席上段から、ガイゼン教官 の声が落ちる。


「降参、戦闘不能、場外。どれかで決着。殺すなよ」


笑いが起きる。


「始め!」


合図と同時に、俺は踏み込んだ。


初手から全力。


身体強化を脚へ集中させ、一気に距離を詰める。

昨日の不良どもとは格が違う。様子見なんてしてやる義理はない。


拳を叩き込む。


――当たらない。


エリシアは半歩だけ身体をずらしていた。


俺の拳は空を切る。


「遅いわ」


横腹に衝撃。


肘打ち。


息が詰まる。


だが構わず、俺は回し蹴りを放つ。

それも読まれていた。


彼女は俺の脚を流すように受け、重心を崩す。


次の瞬間、俺の身体は地面に叩きつけられていた。


「っ……!」


観客席がどよめく。


「投げただと?」

「魔法使いじゃねえのかよ」


俺はすぐ跳ね起きる。


腹が立つ。


こいつ、力で受けてない。

最小限の動きで、全部いなしてやがる。


「どうしたの? もう終わり?」


「調子乗んな」


再び突っ込む。


今度は連打。

拳、肘、膝、蹴り。止まらず畳みかける。


だが当たらない。


紙一重でかわされる。

受け流される。

空振るたびに、こっちの魔力だけが削れていく。


「無駄が多い」


エリシアが冷たく言った。


「強化魔法の流し方が雑。出力に頼りすぎ。だから燃費が悪いのよ」


「うるせえ!」


拳を振り抜く。


その瞬間、彼女の指先が俺の手首に触れた。


流された。


体勢が泳ぐ。


そこへ、掌底が胸に突き刺さる。


肺の空気が全部抜けた。


俺は数歩よろめき、膝をつく。


「クロウ……押されてるな」


観客席で ユウト・セルヴァ が呟く声が聞こえた。


……まだだ。


こんなもんで終われるか。


俺は歯を食いしばり、無理やり魔力を練り上げる。


腕が軋む。

脚が悲鳴を上げる。


それでも構わない。


「へえ」


初めて、エリシアの目が少しだけ変わった。


「その無茶は嫌いじゃないわ」


「褒めてんのか?」


「いいえ。ただの感想」


俺は地面を蹴った。


さっきまでの倍速。

魔力を無理やり注ぎ込み、限界以上に身体を動かす。


一瞬、彼女の表情が揺れた。


もらった――!


拳が届く、その寸前。


足元に淡い光陣が浮かぶ。


身体が重くなった。


「……っ!?」


速度が落ちる。


「基礎拘束術式。初歩中の初歩よ」


エリシアはそう言って、俺の顎へ綺麗に拳を打ち抜いた。


視界が跳ねる。


次に気づいた時、俺は地面に倒れていた。


空が見える。


「勝者、エリシア・ノヴァ」


歓声が上がった。


「やっぱ特待生つええ!」

「クロウもヤバかったけどな」


悔しい。


身体が動かないことより、負けたことが腹立たしい。


エリシアが俺のそばまで歩いてくる。


見下ろしながら、手を差し出した。


「立てる?」


「……自分で立てる」


その手を無視して起き上がる。


脚が少し震えた。


「あなた、素材は悪くないわ」


「慰めか?」


「事実よ。でも、今のままじゃ三流」


……言ってくれる。


「教えてやろうか?」


「は?」


「強くなる方法」


観客席がざわつく。


「特待生が新入りに?」

「マジかよ」


俺はエリシアを睨んだ。


気に食わない。

だが、負けたのは事実だ。


強くなれるなら、使えるものは使う。


「……条件は?」


エリシアは少し笑った。


「まず、その短気を直しなさい」


「無理だな」


「でしょうね」


初めて、こいつが少しだけ人間らしく見えた。


その時、ガイゼン教官が声を張り上げる。


「面白え。クロウ、お前今日から学内ランキング戦参加資格を与える」


ざわめきが走る。


「新入生がいきなり!?」


教官は獰猛に笑った。


「負け犬でも、牙がありゃ上に行ける。この学校はそういう場所だ」


俺は拳を握る。


負けた。

だが、終わってない。


むしろここからだ。


エリシア。

学内ランキング。

名門校。


全部まとめて踏み越えてやる。

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!必ず一日1話以上出します。

必ず名作にします!今後ともよろしくお願いします!

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