VSアンディエル帝国軍第2番隊 その1
エリーナ、ザン、カレン、アリンカは2千の騎士の前にジッと眺めるばかり。
「じゃあ、とりあえずカレン。よろしく」
「了解ッス!」
カレンは“ストレージ”から浮遊する筒を取り出す。
砲口らしき部分と反対側には、十字形になっていてその端々には小さな穴が空いている。
カレンが精神操作で空中を彷徨うと、その砲口を騎士たちに向ける。
瞬間、砲口から空気を打つ音が響き渡る。
しかし、そこからは何も飛び出していない。
先頭を駆けていた騎士が壁にぶつかったように尻もちをついただけで、ダメージらしきものは何一つなかった。
重たい音とは裏腹な結果に、騎士たちは目を点にさせるが、それでも足を止める事なく進軍する。
対するエリーナたちはーー
耳を塞いでいた。
両手の平で塞いだ完全防御状態だ。
「いくッスよー。火・焔・灯すーー“ファイア”」
カレンも片手で耳を塞ぎつつ、もう片方の手を突き出して[+省略詠唱]する。
“ファイア”は火を起こす時や光が必要な際に使われる、炎魔法の中でも超初級な魔法である。
現に、突き出されたカレンの手には指先ほどの火しか出ていない。
なぜ、今その魔法が使われたのか謎に思う騎士たち。
その謎は次の瞬間にわかった。
カレンは自身が出した火を騎士たちに放った。
ただ真っ直ぐと飛んだ火に当たるような騎士はいない。
誰もがその小さい火を走りながら避け、エリーナたちに迫っていく。
バコォォォォォォォォォォォォォンンンンン!!
が、その巨大な爆発音と共に騎士たちの意識はブラックアウトした。
その爆発は強大で、砂漠の砂を巻き込んで爆風が吹く。
エリーナたちはアリンカが張ってくれた“ストーム・フォート”のおかげで無事であるが、その視界は砂色で染まっていた。
程なくして爆風は収まったが、その爆発源は悲惨の一言だった。
砂漠の砂はすべて焼け、その地面は溶解してぐつぐつと音を立てている。
その爆発に巻き込まれた騎士たちは全身を黒焦げにし、爆発に巻き込まれた者たちは無事な者もいれば、骨を折っている者、意識を失っている者なんかもいる。
エリーナたちの頰に、たらりと冷たい汗が流れた。
爆発の火種、それはもちろんカレンの“ファイア”だ。
しかし、ただ小さい火種だけではあのような爆発はしない。
そんな初級魔法を最上級魔法一歩手前まで威力を上げたのが、あのアーティファクトである。
浮遊砲型酸素圧縮アーティファクト“ブロイズン”
十字形の方の小さい穴から周囲の空気を取り込み、そこから[+錬金]で酸素のみを取り出して圧縮、発射するアーティファクトである。
物質を操作する[+錬金]だからこそできる事で、要らなくなった空気は同じように穴から放出される仕掛けになっている。
このアーティファクトにより、酸素の塊が着弾した場所に酸素が局所的に蔓延する。
もちろん、時間が経てば他の空気と混じって濃度が下がれば効果を無くすが、放った直後であれば関係ない。
そんな所に少しでも火が灯ればどうなるか……
その答えが、さっきの爆発である。
正直、使用した本人が一番驚いたとだけ言っておこう。
とりあえず、エリーナが黒焦げになった人たちに火傷が治る程度の回復魔法をかけたので、死人は出ないはずだ。
「今ので5百人はやったッスよ」
「5百。やっぱノブナガが作ったのは半端ないわ」
「まぁ、それがないと2千も相手できないけどね」
「みなさん、隊が左右に回り込みを掛けていたみたいです。左右からも来ます」
エリーナが戦況を確認し、みんなに伝える。
今はメガネをしていないが、それでも隊が動けば嫌でも目で捉える事ができる。
「オッケー。じゃあ、わたしは右わやるねー」
「自分は左いくッス!!」
「それじゃあ、私が正面ね」
「私はみなさんのサポートを」
「じゃ、スフィは真ん中で隠れておいてー」
「わかった」
それぞれが自身が定めた標的を前に一歩踏み出す。
これから始まるは、少女4人による殲滅劇となる。
**********************
「っ!?ここは……!?」
「なに。さっきとちょっと離れた場所だよ」
目眩しの魔法が発動したかと思えば、ノブナガに触れられた一瞬でここに移動して来た事に驚きを隠せないザクロム。
ノブナガにとってはただの空間魔法でしかないので、種を明かすつもりはないようだ。
「ここなら、あんたも魔族の姿に気にせず成れるだろ?“鮫”野郎」
「……」
自身の天紋がバレている事に、ザクロムはすっと目を細めた。
その反応は図星なのだが、ザクロムにとっては魔族である事が知られている時点で至極どうでもいい事なのだ。
ザクロムの身体が変形する。
首が無いかのように胴体と頭が一直線に繋がり、背中からはサメ特有のヒレがメキメキと生え始める。
両足の甲だった部分はサメ特有の尻尾へと変わった姿は、完全にサメの特徴を捉えた魔族の姿だった。
ノブナガは背中の黒剣を抜く。
黒い剣はノブナガの膂力にも耐えられるように[+収束錬成]されたアルザンタイトで出来ている。
回数の制限はあるが、ノブナガの2重属性付与にも耐えられる厨二剣となっている。
そんなノブナガ渾身の剣を構える。
それに対し、ザクロムはこれといった武術の構えもなく、片足を引いて走る構えを取っている。
数秒間、ジッと睨み合う2人。
そして、その沈黙はノブナガが駆け出した事で破られた。
ノブナガが駆け出すと同時に、ザクロムも駆け出す。
互いが一気に間合いを詰め、剣の間合いに入ったノブナガは剣を振るった。
が、なぜか回避も防御もしようとしないザクロム。
なぜか、振るっている剣がスローモーションに見えるノブナガ。
その刀身は、ゆっくりと確実にザクロムの首に吸い込んでいく。
もうすぐ刀身が触れるというのに、一切の行動を起こしていないザクロムに目を細めるノブナガ。
そして、その剣がザクロムを斬り裂こうとしたところでーー刀身が通り過ぎていった。
「ッ!?」
まるで、空を斬ったかのような手応えにノブナガは次の行動を見失ってしまった。
そうしている間にも、ザクロムはノブナガの懐に入り込み、ノブナガの顔面に拳を放った。
それを諸に喰らったノブナガは、後方に飛ばされるのを踏ん張って耐える。
蹌踉めきが治ったノブナガはすぐさまザクロムに剣を振るった。
が、もうすでにそこにザクロムはいなかった。
周りの気配を探るが、ザクロムの気配を捉える事ができない。
サッと辺りを見回すが、それでもザクロムは見つからない。
「どこにーー」
「ここですよ」
「ッ!?」
声がした瞬間、ノブナガの足元の地面に波紋が広がる。
そこからザクロムが飛び出し、ノブナガに回し蹴りを放つ。
なんとか反応したノブナガは剣を盾に防ぐ。
そしてカウンターの斬撃を振るうが、その時にはまた地面に潜っていて当たる事はなかった。
「“潜地”……地面に潜るスキルだったのか」
どうやら、魔族のサメは地面も泳げるらしい。
“鮫”のスキル“潜地”。
地面を潜る事が出来るスキルで、場所に向き不向きがない。
ノブナガの剣がすり抜けたのは、その派生スキル[+透物]で物がすり抜けるスキルである。
ノブナガは“気配探知”と“魔力探知”を発動させる。
(気配にも魔力にも反応しないのか……)
ザクロムの位置がまったく掴めない。
地面は出てくる時と潜る時しか波紋が現れないので予想もつける事も出来ない。
そうこうしているうちにザクロムはノブナガの背後に出現しては拳や足を振るってくる。
ノブナガはそれに何とか反応して防いでいるが、反撃の一手を与えられずにいる。
“風読”を使って聴力を良くしても、飛び出すタイミングがわかる音も聞こえない。
完全な手詰まりになったノブナガ。
「防いでばかりでは僕は倒せませんよ!!」
「くっ!」
今度は拳の連撃を繰り出してくるザクロム。
剣で防ごうとするが、[+透物]を使っているのか、防御を無視して攻撃してくる。
“剣術”の[+身体強化]を使って、拳と足から放たれる連撃を身を捻って回避する。
回避に徹しながらも、ノブナガは詠唱する。
「水・噴射・砕くーー“アクア・スプラッシュ”!」
真正面からの初級魔法。
これに反応できるとすれば、前衛で戦闘経験が豊富な者ぐらいだ。
奇襲を仕掛けるのに特化した者には回避不可能。
ザクロムは間近から“アクア・スプラッシュ”を受け、その身体をくの字に曲げながら後方に飛ぶ。
それに追撃を加えようとノブナガが前に踏み出す。
剣の柄頭を叩き、“属性付与”を[+遅延発動]させて炎の剣を構えながら追いかける。
“アクア・スプラッシュ”が当たった事で、[+透物]の効果は物がすり抜けるだけで魔法まではすり抜けない事がわかったからだ。
着地時を狙って振るわれた炎の剣。
たが、それはザクロムが着地の瞬間に“潜地”で地面に潜ったせいで空振りに終わる。
「チッ」
目論見が外れ、自然と舌打ちが漏らしたノブナガは“空踏”で空中へと跳ぶ。
地面に潜るスキルであるのなら、地面から離れれば奇襲は仕掛けられないと考えたからだ。
その考えは正しく、ザクロムは勢いよく地面から飛び出してくるが、ノブナガのいる空中まで到達するのに時間がかかる。
対応する時間がたっぷりあったノブナガは身体を反転させ空を蹴って迎え撃つ。
炎を纏った剣はザクロムに届き、その身を焼く。
しかし、やはり剣はすり抜けてしまうので、身が焼かれる痛みに耐えながらも拳を放つ。
咄嗟に“金剛”を発動させたおかげでそれほどダメージはなかったが、それでも動きが止まってしまう。
ノブナガが固まっている間に、ザクロムはまた地面に着地すると同時に潜ってしまった。
ノブナガも“空踏”で空中に戻る。
(ダメだ……空中にいるだけじゃ埒があかない)
空中に立ちながら、ノブナガは芳しくない状況を胸の中で呟く。
確かに、空中にいる事で奇襲を防ぐ事は出来るが、地面の中に逃げられては有効打を与えられない。
時間をかければ、MP切れを狙って倒せるかもしれないが、今この時もエリーナたちは軍隊と戦っている。
アーティファクトがあったとしても、数で押されれば保たないだろう。
ゆえに、時間を掛けたくない。
せめて、“潜地”を封じられればいいのだが……
(いや、待てよ)
そこで、スフィがもう1つスキルを言っていた事を思い出したノブナガ。
「確か、サメは電流を感じ取る器官があるって聞いた事がある。それがーー“電流感知”」
ノブナガの“気配探知”にも“魔力探知”にも引っかからないにも関わらず、地面の中でもノブナガの位置を正確に把握している理由はそれである。
生物は、脳が肉体に命令を送る際に微弱な電気が流れる。
それは精密な機械でしか測れないほど微弱な電気であるが、身体を動かす度に流れているのだ。
その電流を地面の中から感じ取っていたザクロムは、探知が遮断される中でも正確な位置がわかっていたのである。
(あいつは電気を感じ取って、俺の場所を感じ取っている。ならーー)
タネが割れればこちらのものだ。
「ーーーー」
打開策を見つけたノブナガは、静かに詠唱を開始した。
一方、地面に潜んでいるザクロムは“電流感知”を使い、ノブナガの行動を把握していた。
(……あの少しの攻防で僕の[+透物]の弱点を見出すとわ。やはり、あの少年、できます)
空に浮いているノブナガを感じ取りながら、ザクロムは胸の中でノブナガを賞賛する。
[+透物]の弱点だけでなく、“潜地”の奇襲対策まで始めたのだ。
十分に、己の全身全霊を掛けるに値する敵である。
(しかし、こうも空中にいられては攻め辛いですね。また飛び出しても迎撃されるだけでしょうし。500メートルなんて距離、あの少年ならすぐに追い付いてきそうですしね)
逃げにぴったりなスキル“潜地”だが、その弱点は移動できる範囲にある。
一度潜った場所から半径500メートル以内でないと出られない事や一度出ると全身を出さないと再び潜る事が出来ないなどだ。
移動範囲が無限ならば、ザクロムは今頃逃亡しているところだ。
(どうしたものですかねーー?おや?)
地面に潜っていたザクロムは頭上からドスッという音が聞こえてきた事に首を傾げる。
上を見てみると、そこには地面に刺さった岩があった。
地面から外の光景を見る事は出来ないが、地面の中にのめり込んだ物ならばザクロムにも見える。
(これは、魔法?まさか、僕の位置がバレて魔法を撃ってきた?)
ザクロムの頭にそんな可能性が過ぎり、“電流感知”で感じられる少年へと目を向ける。
が、ザクロムとは正反対の方に岩の魔法が撃ち込まれた事で杞憂だという事を悟った。
(どうやら、あの少年も焦っているようですね。やはり、残してきた仲間が気になるようだ)
それから無差別としか思えないほどの数の岩の魔法が地面に撃ち込まれてくる。
10回目が撃ち込まれたところで、ようやく魔法の雨が止んだ。
(相当焦っているようだ。となると、早まった行動を起こすのも時間の問題ですかね?)
地面の中で、ノブナガの心境を分析するザクロム。
ザクロムがそう思った瞬間、“電流感知”が空中から降りてくる物を捉える。
予想通りの事が起き、ザクロムはついほくそ笑んだ。
地面に降りてくれれば、ザクロムの勝機はぐんと上がる。
今までいくつもの戦いをして来たザクロムだが、今までに感じた事がない気持ちが胸の中を満たす。
敵が自身の罠に入ってきた時の歓喜に似ているが、それとも違う名状しがたい気持ちだ。
地面に降り立ったノブナガの足元に移動するザクロム。
今回は敢えて正面から飛び出すように位置取りをする。
まさか、ノブナガも正面から飛び出すとは思ってもみまい。
そして、ノブナガの驚く顔を楽しみにしながら、ザクロムは地面から飛び出した。
拳を握り締め、正面の標的に向かって全力の一撃を放つ。
ーーが、放つ事は出来なかった。
驚いた顔をしたのは、ザクロムだった。
目の前の光景に目を剥き、飛び上がって拳を構えているポーズが妙にスローモーションに感じる。
ザクロムの目に映るもの。
それはーー
ーーノブナガの黒剣だった。
黒剣の刀身から小さい電気が弾ける。
それを目にした瞬間、ザクロムは悟った。
自分がはめられた事に。
ノブナガがとった行動を。
簡単な話だ。
電流でこちらの居場所がバレているのであれば、ダミーを作ればいいじゃない?
そういう事である。
今回は剣に“属性付与”で雷を纏わせ、自身のダミーを地面に落としたのだ。
気をつけて感じ取れば、地面に降り立ったのが偽物である事などすぐにわかる事。
ザクロムが気づかなかったのは、戦場に立っているというのに勝てるという安心感を持ってしまったからだ。
岩の魔法を無差別に撃てば、ザクロムが自分が焦っていると勘違いしてくれると読んでいたノブナガ。
それにノブナガの電流が薄れるほどの電流を剣に纏ったのだから、1つしか感じなかったのは仕方がない。
何せ、探知ではなく感知なのだから。
「“錬成”!!」
そして、今も空中に立っているノブナガは何やら両手にロープを持ちながらスキルを発動させる。
そのロープはノブナガが無差別に撃った土魔法“ストーン・バレット”の岩に刺さっている短剣に繋がっていた。
瞬間、岩の形は“錬成”によって変形し、砂漠の地面に張り付くように平べったくなっていく。
それはもちろん、未だに飛び出した状態にある足元にも広がり、砂の地面が硬く平べったい岩の地面に変わった。
ザクロムは何も出来ず、岩の地面に着地する。
“潜地”を試してみるが、やはり地面に潜る事ができない。
「魔力でできたものはすり抜けられないなら、地面に潜る時も同じかと考えたんだが。当たってたみたいだな」
“空踏”を解除し、ノブナガも地面に着地しながら言う。
「本当に驚かされる。“潜地”を封じられたのは生まれて初めてだ」
それに対し、ザクロムは平然とした物言いで答える。
が、その顔にはサメのはずなのに汗を流しており、目は周囲を見渡している。
まさかの事に、四天王であるザクロムも頭が回らなくなってしまったのだ。
今のザクロムは逃げの一手を打つ事しか考えられないでいる。
しかし、そんなわかりやすい反応をされて気づかないわけがない。
「逃しはしない。“錬成”」
ノブナガは地面に手を突き、岩の地面の周囲を高い壁に“錬成”する。
完全に断ったわけではないが、それでも簡単に逃げられるような状態ではない。
「悪いけど、魔族を逃すわけにはいかない。特に、あんたみたいな厄介な奴はな」
「……人間に追い詰められる日が来るとは……僕、これでも“魔王”様に仕える四天王の1人なんですよ?」
「魔族にもそんなのあるのかよ……ま、確かにそう言うに値する奴だったよ、あんたは。……でも、これで終わりだ」
地面に突き刺さっている剣を抜き放ち、ノブナガはザクロムに迫る。
そうする前にはザクロムもノブナガに接近する。
最初の1合と同じだが、それでも結果は違う。
ザクロムの胴に振るわれたノブナガの剣はザクロムをすり抜ける。
が、そこには斬られたようにバッサリと一閃の傷が刻まれる。
スキル“風刃”を剣に纏っていたのだ。
「っ!?」
その傷に、ザクロムは苦痛に顔を歪めるが、その痛みを堪えて拳を突き放つ。
が、その拳はノブナガの寸前のところで止められた。
透明な壁を殴ったような手応えに、ザクロムは驚愕する。
それは“結界構築”の派生スキル[+局所展開]だ。
自分を囲むように球状に展開される“結界構築”だが、[+局所展開]は球状ではなく壁として張る事が出来る。
物の防御は[+透物]によってすり抜けるので、魔力の防御を使ったのだ。
自身の拳が届かなかった事に、ザクロムは途方もない絶望感に襲われた。
これはどうにもならない、と本能で思ってしまったのだ。
ザクロムの動きがピタリと止まった。
そこに、ノブナガが剣を振り上げ、振り下ろした。
“風刃”の派生スキル[+三叉刃]を発動させ、ザクロムを脳天から真っ二つーー否、三枚おろしならぬ四枚おろしにした。
パタリと力無く倒れるザクロムだったもの。
溶けるように消えると、そこに残ったのは一際大きい魔石だけだった。
静かに魔石を拾うノブナガ。
「ふぅ……こっちはなんとかなったけど……エリーナさんたちは大丈夫かな……」
ノブナガが黒剣を鞘に納めながら、そう呟く。
実はノブナガがいる場所は戦場から4キロほど離れた場所で、結構近い。
軍隊と出会う前に、ノブナガが分身体を駆けさせた事で転移する事が出来たが、帰りの事を忘れていた。
ここに来た時同様に“天界”しようと思っていたのに、向こうの座標がまったくわからない。
「はぁ……とりあえず、頑張って戻ろうか」
ザクロムとの戦闘で受けたダメージが[+自己自動回復]と“高速自己回復”、それに“魔素再生”によって回復したのを見計らい、ノブナガはエリーナたちの元へ駆け出した。
“鮫”のスキル“潜地”ですが、さりげなく変更しました。
前は“地潜”だったのですが、調べてみるとヘビの名前と同じだったので……




