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奴隷からはじまる下克上冒険  作者: 明石 遼太郎
冒険休息編
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39/123

女子限定究極魔法。それはーー

 ノブナガたちがセインズ村に滞在し始めてから1ヶ月と少しが経った。

 貰った本人たちも「これ、もう戦略兵器だよ……」と呟いちゃうぐらいの武器を作っていったノブナガは、休憩も兼ねて自作の家から外へ出た。


「んっ、んー。10日ぶりの外かぁ……………………太陽キツいな」


 今日も空は晴天。

 ニートの敵であるアイツも元気でいらっしゃるようだ。


 武器の製造に力を入れていたせいで、朝から晩までずっと家にいたノブナガは半端ニート状態だった。

 食事だって、エリーナが持ってきてくれなければ、まともに取る事はなかっただろう。

 その証拠なのか、天から降り注がれる日差しがキツいご様子。

 ニートの前兆が出ていた。


 “太陽耐性”のスキルが欲しい、という言葉が頭に過ぎった瞬間、ノブナガの耳に子供の気合いの入った声と聞き覚えのある鋭い声が入ってきた。


「アリンカ?」


 聞き覚えのある声がアリンカである事を一瞬で看破したノブナガ。

 気になって、自然と声のする方へと歩を進める。


 向かってみるとそこは教会だった。

 ノブナガが自分たちの住宅を建てるのと同時に建てた教会だ。

 この村に仕掛けた防衛機能ほどではないが、八点空間遮断ぐらいの防衛機能は備え付けられている。


 その教会の前の開けた場所で、村人の子供たちとアリンカが居た。

 その手には木製の武器があり、子供たちはそれを手に打ち合っていた。

 状況から考えて、アリンカが子供たちに戦いを教えているようだ。


「あら、ノブナガくん。来てたんだ」

「イクレさん。今来たところですけど」


 教会の方からイクレが現れる。

 イクレとはこっちに引っ越して来てからも度々会って話をしている。


「あの、アリンカは何を?」

「あぁ、アリンカちゃんは戦闘向けの子供たちに稽古してあげてるの」

「稽古、ですか?」

「そう。自分の事ぐらい自分で守れるぐらいにはしてあげたいって、アリンカちゃんが村の戦闘向けの子供たちに声をかけてね」

「そうだったんですか」


 改めてアリンカの方を見るノブナガ。

 よく見てみると、子供たちの中に教会の子供ーーレイヤとサチ、それにニルの姿もあった。

 アリンカは指導に集中しているのか、ノブナガの視線に気づく事はない。


「あ、そうそう。魔動製品、ありがとうね。すごい快適だよ」

「それは良かったです。壊れたら、言ってください。すぐ直せると思うんで」

「ありがとう」


 それから少し雑談を交わした後、ノブナガはイクレと別れて教会を後に。

 家に向かって歩いていると、ふと他の3人の事が気になり始めたノブナガ。

 “気配探知”で位置を確認してみる。


(エリーナさんは畑の方、ザンとカレンは村の外の山の方か)


 エリーナの方は想像できるが、ザンとカレンが山の方で何をしているのか想像できない。

 “ストレージ”から“ハール”を取り出し、宙に浮かせる。

 この“ハール”は改良版で、[+感応操作]で動かすところを“精神魔法”による精神操作で操るようにした。

 操作するのにわざわざ投げないといけないのが、面倒になったのだ。


 “ハール”をザンたちのいる所へ飛ばし、ノブナガは視界共有用のメガネを装着する。

 レンズ部分に“ハール”の一眼部分が捉えた映像が映る。


 そこにはザンとカレンが対峙し、互いに魔法を放ち合っていた。

 光の魔法が飛び出したかと思うと、次は炎の魔法が飛び出す。

 それが交互に放たれ合う。

 魔法戦の訓練をしているのか、森の木々を盾にしたりしながら放ち合っていた。

 ただ、炎の魔法を使っているせいで木々が黙々と燃え上がったり、燃えてはいないが、光魔法が木々にクッキリと穴を開けている。

 周りの被害が激しい……


 早々に視界共有を解いて、メガネを外す。

 飛ばした“ハール”も速攻で回収。

 ノブナガは見なかった事にした。

 後で、森の方には“再成魔法”の光を放っておこう。


 そう心に誓うと、ガチャリと家の扉を開け、作業に戻った。



 **********************



 その日の夜。

 ノブナガの作業がすべて終わり、久しぶりに家の食卓にやって来る事が出来た。

 そこで夕食を食べ終わった後、ノブナガはこれからについての話をする。


「さて、旅の準備はすべて終わった。後で、みんなに配布するから試してみてくれ」

「おぉー、ようやく終わったんだー」

「あれだけ引きこもってたんだから、すごい物が出来なんでしょうね?」


 ノブナガの言葉にそれぞれ反応が違う。


「それで、これからの事なんだけど。どうだろうか?」

「えっと……その、1ついいですか?」

「はい。なんでしょう?」


 エリーナが挙手する。

 それに答えるようにノブナガが言うと、エリーナは他の少女たちに目を向けて伺う。

 目を向けられたザンとカレン、アリンカは決意のこもってコクンと頷く。

 1人だけ状況がわからないノブナガはキョロキョロとみんなを見渡す。


「ノブナガさん」

「は、はい」


 ノブナガ以外のみんなの意見が一致したのか、エリーナが代表になって告げる。


「私たちと、決闘してください」

「ーーーー………………はい?」



 **********************



 翌朝。

 セインズ村の砦から1キロ離れた広地。

 そこに佇むノブナガの前には、対峙するかのように立っている4人の少女。


「あの、どうしてこうなったんですか?」


 目の前で武器を持つ少女たちに戸惑いを隠せない声で言うノブナガ。

 昨日の夜の決闘を申し込まれたノブナガは、とりあえず武装しては来たが……まったく経緯がわかっていない。


「えっと、私たちで話し合ったんです。みんなでノブナガさんを倒そうって」

「ちょっと何言ってるかわからないです」


 サラッと裏切りのような言葉にノブナガの頭はショートしてしまった。

 完全に素の返答である。


「エリーナ。そんな言い方じゃ、誤解されるよ……」

「と言うか、もう誤解してるッスよ」

「ノブちゃんが珍しく真顔だよ」

「え、え?」


 周りからの指摘にエリーナは首を傾げている。

 こっちはこっちで素で言っているようだ……


「ノブちゃんノブちゃん。わたしたちはね、魔族にやられたのが悔しんだよ。だから、この1ヶ月強くなる為に頑張ってきた」

「まぁ、それは薄々察してたけど……」

「それで、その成長を確かめる為にわたしたちはノブちゃんと戦う。そう言う事になったの」

「……イジメ?」

「そんなわけないでしょ」


 ザンから聞いた詳細に、ノブナガは1人を4人が全力で殴ってくるシーンを想像して、ボソリと呟く。

 それをツッコみ担当がツッコむ。


「逆にアンタに1人1人挑んで行く方がイジメでしょ?」

「ぐっ……それもそうだ」


 軍隊一個を軽々と全滅させた人間に1人で挑むとか、普通に考えれば自殺行為だ。


「じゃ、ノブちゃんいい?」

「あー、ちょっと待って」


 早速始めようとする女子たちを止め、“ストレージ”から小さい十字架を取り出し、一辺500メートルの正方形に八点空間遮断を展開。

 さらに“ストレージ”からアーティファクトを取り出す。

 それは衛星のように一対の翼が付いた筒状の物。

 そのアーティファクトを空間の中心地の上空に設置する。

 それに加え、ヘアピン、ペンダント、イアリング、それに指輪を取り出し、エリーナたちに渡した。


「これは、なんですか?」

「今日か明日には渡そうと思っていた物です。それ1つで髪色変化、精神魔法による念話と操作、“ストレージ”の機能が備わっています。後はアレの回復を受ける時に使います」


 ノブナガ自身も“ストレージ”から腕輪を取り出して付けながら、アレと上空に浮かせたアーティファクトを指差す。


 衛星型再成回復アーティファクト“セルブ・サテライト”。


 “セルブ・サテライト”から半径1キロ圏内にいる目印を付けた者のHPが2割を超えると、再成または回復の光が降り注ぐようになっている。

 目印とは、ノブナガが先ほど渡した物である。

 目印を付けている者しか効果がないので、乱戦の中でも任意の人物だけを回復させる事が可能だ。


「アンタ……とんでもない物を作ったわね……」


 ノブナガの説明を聞いて、顔を引攣らせながら言うアリンカ。

 他の3人はもう毒されたのか、特に気にした様子もなく、エリーナがヘアピン、ザンがイアリング、カレンはペンダントを付ける。

 それを淡々と見ていたアリンカは少し遠い目になりながらも、自分に渡された指輪を嵌める。


「さて、ルールは回復が自動発動すれば戦闘不能扱い。回復があるから殺す気で来てもいいぞ」

「元々その気だったから、大丈夫だよ〜」


(いや、全然大丈夫じゃない。え、殺す気だったの?さすがにちょっとは躊躇って!!)


 HP4万越えの人間が胸の中で叫声する。

 どの口……どの心がそれを言うか……


 そんなノブナガをスルーし、エリーナは地面に転がっている石ころを拾い上げる。


「これが落ちたら、戦闘開始でいいですか?」

「はい。構いませんよ」


 了承したノブナガは背中の剣を抜剣する。

 それに合わせ、アリンカも剣を抜く。

 互いが剣を構え、対峙する。

 それを確認したエリーナが、石ころを上へ投げる。


 スローモーションになる世界の中、ゆっくりと上がっていく石いろ。

 頂点に達し、落下が始まる。

 刻一刻と地面に近づいていく石ころ。


 ーーそしてついに、石ころが地面を跳ねた。


 瞬間、アリンカは[+身体強化]と共にノブナガへと駆ける。

 ザンとカレンは左右に分かれ、ノブナガへ向けて手を突き出し詠唱する。


「炎・劫火球・燃えろーー“フレイム・ボール”!!」

「光よ・散らばる弾となって・敵を撃ち抜けーー“フォトン・バレット”!!」


 [+省略詠唱]したカレンが先に炎の球を、その後に通常詠唱のザンが3つの光の球を放つ。

 ザンが通常詠唱したのはMPの節約だろう。


「深闇・阻む・障壁ーー“ダーク・シールド”」


 炎と光の球を前にノブナガは冷静に詠唱し、目の前に闇の障壁を展開し確実に防ぐ。

 そこにアリンカが仕掛ける。

 障壁を避けて回り込み、ノブナガに剣を振るう。

 もちろん、黒剣で防ぐノブナガ。


 そこから連撃を繰り出すアリンカ。

 さすがは“剣聖”と言うべきか、剣の技が光っていている。

 剣の技にかけてはノブナガも攻めの手に移る事が出来ず、受け止めたり受け流したりしている。


「やっぱっ、技じゃ勝てないか……!」

「“剣聖”を舐めないでよね!!」


 ノブナガを畳み掛けるように連撃を繰り出すアリンカ。

 アリンカに夢中になっていたノブナガに横槍が入ってくる。


「裁きの光よ・闇に輝く・青空の剣・忌まわしきは滅せよ・悪を斬り裂くーー“シャイニング・スラッシュ”!!」


 フル詠唱で放たれたザンの3本の光剣はノブナガを斬り裂こうと襲いかかる。

 アリンカに畳み掛けられながらもノブナガは“金剛”を発動。

 急激に上昇した防御力を駆使し、肉体でアリンカの剣とザンの“シャイニング・スラッシュ”を弾く。


「我が剣に宿れ風!その刃は荒れ吹く疾風の剣ーー“ハリケーン・ソード”!!」


 アリンカが剣に風を纏わせる。

 荒れ吹く風を振るい、ノブナガを押し払う。

 それを敢えて堪えようとせず、後ろに跳んで威力を殺したノブナガ。


 ノブナガが着地した所に先ほど弾いた光剣が再度襲いかかる。


「我が剣に宿れ闇!その刃は暗き暗黒の剣ーー“ダーク・ソード”!!」


 ノブナガの黒剣に闇が宿り、ザンの“シャイニング・スラッシュ”を斬り払う。

 ヒビが刻まれ斬り払われながらも、またノブナガに追撃する光剣。

 ノブナガは先ほどよりも強く振るい、“シャイニング・スラッシュ”を粉々にする。

 光の剣が欠けらとなって消滅する。


 ーー直前。


「再成は巡るっ。過去に残されし記憶を呼び戻せ!ーー“再逆(リケイル)”!!」


 エリーナが再成魔法を発動する。

 瞬間、ノブナガが砕いた光剣に光が射し、砕かれる前の真新しい“シャイニング・スラッシュ”へと戻った。


(エリーナさんの再成魔法!?魔法も対象にできるのかっ!?)


 対象の時間を遡る。

 これは知っていたノブナガだが、魔法まで対象として遡れる事は知らなかった。

 これには面を喰らうノブナガ。

 再生すると同時にまた襲いかかってきた光の剣の対応に数瞬の遅れが出る。

 ノブナガはスキル“風読”を発動する。


 風を切る音を耳で聞き取り、“シャイニング・スラッシュ”の軌道を読む。

 3本の光剣の軌道を読んだノブナガは神速の剣を振るう。

 まるで剣線の結界が張られたかのように、ノブナガに近づいた瞬間に光の剣が粉々に砕かれた。

 エリーナに目を向けるが再成魔法を使う気配はない。


(やっぱり、連続で使うのは無理なのか。そりゃ、あんなのを連続でやられたら怖いけど……)


 もともとMP消費が激しい魔法だ。

 その問題を解決するにはそれなりの時間が掛かるだろう。


「天上の炎よ・気流に燃え上がり・天を突き立てろ・炎蛇の唸り・大気は焦げ・大地は揺れ・すべてを噴き出でよーー」

「ッ!?」


 エリーナに視線を向けていたノブナガの耳にそんな声が入ってくる。

 声がする方へ視線を向けてみれば、そこにはカレンが集中するように目を瞑って詠唱している姿があった。

 唱えられている呪文に戦慄を覚えるノブナガ。


(しまったっ!また視野が狭くなった!!)


 元“勇者”が率いる軍隊と戦った時と同じ失敗をしたと、心の中で自分を叱咤するノブナガ。

 全力で避けたい所だが、範囲がわからない以上回避は危険だと判断する。

 確実な安全圏であるカレンの下まで行けばいいのだが、今からじゃ魔法の詠唱も間に合わないがゆえに一瞬の移動はできない。


「ーー“マグマ・バベル”!!」


 カレンが炎の上級魔法“マグマ・バベル”を発動する。

 それと同時に腹を括ったノブナガが“金剛”を纏う。

 直後、ノブナガの足元の地面が急速的に赤く膨れ上がり、噴火する。

 天を突き立てんと噴き上がる1線の炎はノブナガを軽く呑み込み、肉体を焼かんと燃え狂う。


 一方、ノブナガは全力の防御。

 レベルはそれほどとは言え、4人の中では最も魔法攻撃力が高いカレンの上級魔法だ。

 生身でこの炎に呑み込まれれば、最低でもHPの2割は削られていただろう。


(でもっ、“金剛”があれば耐えられる。このまま防御体勢でーー)


 ノブナガが大丈夫だと思った瞬間、マグマの外から途切れ途切れに聞こえてくる声にゾッとする。

 それはーー


「天上の風よ・激しく吹き荒れ・万物を押し潰せ・黒鳥の翼打ち・叫声は阻まれ・四肢は砕け・すべてを狂嵐に誘えーー“グランダー・スパイラル”!!」


 ノブナガの頭上の大気が渦を巻いたかと思われた瞬間、その竜巻がノブナガ目掛け降りかかる。


(ちょっ、さすがにむーー)


 下からはマグマ、上からは嵐に襲われるノブナガ。

 いくらノブナガといえど、これを耐える事は出来ない。

 2つの上級魔法に挟まれたノブナガは魔法ではなく物理的に押し潰される事になる。

 “金剛”でどうにか耐えていた状態では不可能だ。


 そう、『“金剛”で』なら。


 2つの魔法が収まり、晴れた場所に人影が立っている。

 もちろん、ノブナガだ。

 少し魔法を受けたのか、戦闘服兼旅服の袖が焦げている。


「殺す気で来い、とは言ったけどさ。アレを喰らったら普通身体なんて残らないからな?」

「ノブナガは普通じゃないんだからいいでしょ。現に今、ケロッとしてるじゃない」

「ケロッ、て……」


 近くにいたアリンカに話しかけるノブナガ。

 実にアリンカの皮肉が効いていらっしゃる。


 “金剛”で耐えられないと思ったノブナガはすぐに新たなスキルを使った。

 それは“守護師”のスキル“結界構築”。

 結界を構築するスキルで、展開範囲が狭ければ狭いほど耐久力が強くなる。

 それを自分を覆えるぐらいの範囲で展開する事で、2つの上級魔法を防いだのだ。

 それでも、展開する瞬間に少しマグマを喰らってしまったが。


「メチャクチャビックリしたんだからな?もう殺気ってレベルじゃなかったし。親の仇レベルだったぞ」

「いいじゃない。練習になって」

「俺いつか誰かに刺されんの!?」


 いつの日か、誰かに背中を刺されるシーンを想像して頰に冷たい汗を垂らした。

 え、マジで起こらないよね?と顔で訴えるノブナガ。

 それに対にてアリンカは無言。

 軍隊を前にワクワクしていた人間が、親の仇の恨みを想像して心を荒らしていらっしゃる……


「炎・劫火球・燃えろーー“フレイム・ボール”!10門!!」

「光よ・散らばる弾となって・敵を撃ち抜けーー“フォトン・バレット”!10門!!」


 ノブナガとアリンカが話していると、カレンが炎の球を10個、ザンが小さい光の球を30個出現させていた。


「いやいやいやいや、多過ぎでしょ?」

「風・収束・毀つーー“エア・バレット”!10門!!」

「えぇ!?」


 ノブナガがボソリとツッコんだ矢先、アリンカの方からも不可視の収束弾が10個作り出された。

 その所業にノブナガは戦慄を覚える。

 否、戦慄しか覚えなかった。


「ちょっと待て!これ確実に親の仇レベルじゃんっ!」

「違うッスよ!これがノブナガさんに勝つ為に自分たちで考えた作戦ッス」

「再成は巡る。過去に残されし記憶を呼び戻せーー」


 カレンが何か言っている後ろでエリーナが再成魔法の詠唱をしているのだが……

 なぜ再成魔法の詠唱をしたのか気になるところではあるが、ノブナガはカレンの言う作戦について聞く。


「作戦?」

「そうだよ、ノブちゃん。わたしたちが本気でノブちゃんを倒す為に考えた作戦……ううん、究極魔法だよ」

「俺を倒す為の……究極魔法、だと……?」


 聞いたことのない魔法の階級名にノブナガはつい聞き返してしまう。

 ただ、これほどの魔法の球を出したという事はそれ相応の魔法である事は間違いない。

 知らぬ間に生唾を飲むノブナガ。


「行くわよっ、ノブナガ!」

「これが自分たちのっ」

「究極魔法!」


「「「ーーーー“数の暴力”っ!!」」」


 直後、ザン、カレン、アリンカの声に呼応し、炎と光と風の球50個がノブナガの四方から襲いかかった。


 ノブナガは吠えた。

 3色の球の弾幕を前にして吠えた。

 たとえっ、吠えるよりも重力魔法やら防御魔法を唱えた方がいいと思っても!吠えずにはいられなかったのだ!!


「そんな魔法名がっ、あってたまるかーーーーーー!!!!!!」


 ーーーー瞬間、地獄のような爆発音が響き渡った。

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