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 家に到着。

 段ボールは八個あったが車に乗ったのは二つだけ。流石に二つ同時に無理だ。一つで勘弁してください。

「おいおい、威厳はわかるが流石に持っていってやれよ」

「見つかったらやばい奴がいるんだよ。こいつに往復させるから」

 ヴァイオレット嬢に見つかったら確かにめんどくさそうだ。

「じゃ、また明日」

 サンディークスは帰っていった。

 結局、危惧したことは起こらず往復。

 帰宅。

「ルフスさん、これどうするんですか。明日トラックで持って帰ってきても、置く場所ないですけど」

「そうだな。もう書斎の本棚は既にいっぱいだ」

「捨てる……ってことはしなさそうですよね」

「そうだな。本に限っては捨てたことはないな」

 ちょっと収集癖あるよね。

「まあ、奥の手がある。この部屋の左隣だが、ここも抑えてる。書庫として買った」

 ド級の貴族的ワードいただきました。

 家を、書庫として購入している……卒倒しそうだ。

「こっちが書庫の鍵だ。とりあえず開封はしなくていい。そのまま置いておけ。全部届いてから整理を頼む」

 後で家の鍵か書庫の鍵かわかるようにしておこう……。

 書庫を開ける。電気も通っている。

 人気のない廊下を抜けて同じ間取り。リビングという名の書店。

 窓にカーテンがしっかり閉められ、日焼けしないような対策はされている。

 少し埃っぽいけれど、僕が買われる前にはある程度掃除されていたのだろう。言ってくれりゃここも掃除したのに。

 とりあえず、箱を置く。

 もう一つあるし、じっくり見るのはそれから。往復して、改めて。

 やっぱり小難しいタイトルばかり。僕にはさっぱりわからない。

 急いで直したのか、ちょっと直しきれてない一冊が目に入る。

 気になって手に取る。

 付箋まみれだ。

 パラパラとめくる。

 これがいわゆる旧ヴルク語?

 タイトルは”儀式の作法”とある。

 太い付箋が貼られたページの付箋に読める文字が。

『アコレードの祝詞に使う。どうせ意味は誰も知らないだろうから短縮する』

 リアルなメモだな……。

 下に翻訳がかかれている。

『この王の剣先を以って汝に祝福を与えん。中略。次なる高みを期待す』

 結構真面目な意味だった。

 でも、翻訳できるレベルで理解しているんだもんな……。

 彼らは幼少期相当勉強していたんだろうな。

 僕は本を元に戻して書庫を出た。

 ほんの数歩の距離に見えた世界は少し異なっていた。

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