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フツメンに生まれたかった…  作者: 橘アカシ
テスト×眼鏡×弁当編
47/63

失言に注意…

軽い?下ネタ?あります。

許してあげてください…。





「認めない。僕は絶対に君を認めないからな!」


ドンッと机を叩いて立ち上がった相馬はそう言い捨てて教室を出て行った。さっきまで騒がしかった教室はしーんと静まり返りぽかーんと相馬の後ろ姿を見送る。

言い捨てられた張本人である俺も同じくぽかーんだ。

……俺、なんかした?







体育祭も終わって、さあひと休み。といきたいところだが、時間は有限。早速、期末テストが待っている。鬼畜のようなスケジュールも歴戦の勇士たちは手慣れたものですっかり頭を切り替えて勉強モードに入っている。

学校中が倦怠期の夫婦間のようなぴりぴりとした雰囲気を醸し出し、一触即発とはこの事を言うのかと普段より慎重に行動していた。

……が特進クラスの女子たちはテストさえも肥やしにするほど、強からしい。

いつもと変わりなく青葉に群がり、ここが解らないから教えてアピール。そこに私が教えてあげるーと親切を装った牽制。しかし障害を物ともせずに獲物に噛り付いた勝者に丁寧に教える青葉。


解らなかった問題を解らせたという達成感。難しい顔をしていた彼女が問題が解けた瞬間に見せる笑顔にとくんと跳ねる心臓。俺調べだと八十四パーセントの確率で恋愛に発展する。

そう、女子の狙いはここにあるのだ。


テスト勉強も二人の親密度をアップさせる重要なイベントだ。小さな机に近づく距離。教科書に伸ばした手が触れ合っちゃったりなんかしちゃったりして……。こほん。


と、女子たちは期待しているのかもしれないが、いかんせんそこは戦場だ。そんな繊細な感情が生まれる場所では決してないだろう。


とまあ、うるさいとまではいかないが、テスト期間の神経質な期間には多少賑やかが過ぎ、誰かが注意してもいい頃合いだった。男子から複数のSOSサインが送られていた気がするから一喝いれてやろうと思っていたのだ。実行するかしないかはさておき。


そんな矢先の出来事だった。

相馬はいきなり机を叩くと女子たちに……ではなく俺に向かって一喝した。

俺は相馬に対して何かをした覚えはない。休憩時間まで教科書を開くほど勉強熱心ではなく、ぼーっとしていたら岡倉が話しかけてきたため、付き合っていただけだ。相づちは打っていたが“へぇ〜”とか“ふーん”とかそれぐらいしか発していない。

相馬どころか誰かの勉強の邪魔した覚えもないのだが……。

ちなみに、なぜ俺に向けられた言葉だと分かったかというと、相馬が明らかにこっちを向いて言ったからだ。青葉の席は離れており、女子もそこに集中している。俺の周りといえば男子すらどことなく遠く、唯一岡倉が隣にいたわけだが、岡倉はあんな憎々しげにセリフを吐き捨てられるやつではない。消去法で俺になる。が、はっきり言って身に覚えはない。

……えぇ〜〜。


「……相馬くん、どうしたのかなあ」

岡倉が心配そうに相馬が去った後を見送る。青葉も女子の間から心配そうな表情を俺に向けた。

「便秘だろ。じゃなきゃいきなりキレる意味が分かんねぇし」

俺は毎日快便だから便秘のやつの気持ちは分からないが結構辛いのだろう。相馬はやっとお通じがきたから席を立つも毎日快便の俺を以前から疎んでいたに違いない。だからさっきの発言。うん。きっとそうだ。

俺は二人のようにお優しくはないため、勝手に納得しておくことにした。じゃないといつまでももやもやしてすっきりしないし。快便だけに。

「……そ、そっか」

別の意味でしーんとなる教室。女子の冷たい視線が突き刺さる。岡倉の疑問に答えただけのつもりだったが、しーんとしていた教室全体に俺の声が届いてしまったらしい。

あれ?青葉まで微妙な顔してない?俺なんかまずい事言った?便秘って放送禁止用語だったっけ?

……うまくまとまったと思ったんだけどな。俺の中では。


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