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フツメンに生まれたかった…  作者: 橘アカシ
二階堂邸in青葉のお料理教室編
17/63

なんで……!?



待ちに待ったこの時がとうとうやって来た。

俺たちは今キッチンにいる。各自持参したエプロンを身につけ青葉の指示を待っている。

美少女四人のエプロン姿については何も語るまい。鼻血を堪えるのに精一杯で解説などもはや不可能。皆さんの想像にお任せする。

言っておくが今想像した数百倍は可愛いから覚悟した方がいいだろう。ちなみに天野さんには母さんが普段使っているやつを貸し出したから心配は無用だ。


しかしさっきは危なかった。俺の部屋を見たいという天野さんのお願いを受け招待した途端、ベッドマットの下に手を突っこまれた。

あそこはやばい。天野さんはパンドラもびっくりするほどの潔さで俺の箱を開けようとした。なぜ分かった!!と叫びたかったが天使との会話で定番中の定番と言われた事を思い出し自身の迂闊さを呪った。

見られたらドン引きされる。普段向けられる眼差しを思うと手遅れな気もするがこれは本気でだめだ。前世からの趣味を拗らせ中であることは誰にも知られてはならない。もうほんと恥ずか死ねる。

いや、まさかそんな行動する奴いるとは思はないだろ?だから特に思うことなく案内したのだがこれが狙いだったのか!?

青葉の協力もあってなんとかくい止めたが未だ悔しそうに睨まれている。そこまでして俺が幻滅されるように仕向けたいのか!?

薄々気づいていたが俺に対する天野さんの敵対心が半端ない。逆に青葉への懐きっぷりも半端ないが。俺、天野さんに何かやったか?まったく身に覚えはないがやらかしていたりするんだろうか?女子は謎な生き物だ。ゲームでもこれだ!と思った選択肢を選んでも……いや、これ以上はやめとこ。俺の好感度が……。ゴホン。

そんなこんなで井上さん達には残念そうな目で見られ、岡倉には笑われながらなんとか切り上げ抵抗する天野さんを引きずって来て今の運びとなった。


さながらお料理教室のように青葉を囲み作戦会議中だ。

「材料は一応何にでも対応出来るように用意したから」

一般家庭よりやや大きめの作業台の上にはところ狭しと様々な食材が並んでいる。

じゃがいもや人参など基本の野菜、三種類の肉のブロック、各種調味料、ついでに果物等、等、等。

一通り用意はしたが半分は名前も分からない。備えあれば憂いなし。これだけあれば青葉は素晴らしい夕食を作ってくれるに違いない。と思って張り切って準備したのだが……。

「……これ、何人前作る気なの?」

青葉にまで半眼を向けられてしまった。泣いていいだろうか?

「しょうがねぇだろ。何がいるか分からなかったし」

思わず不貞腐れたような声になってしまう。すでに俺のヒットポイントはゼロに限りなく近い。唯一の良心である青葉にまで冷たい視線を向けられてしまったらもう立ち直れない気がする。

「決めてなかったのなら言ってくれれば良かったのに」

「……決めれなかったんだよ。お前が作る料理を想像したらどれも美味そうでそんなこと考えてたらいつの間にかカゴがいっぱいになってたんだ」

俺の言葉に作業台の上に積み上がった食材を前に困惑していた青葉が驚いたように目を瞠った。その頬にだんだん赤みがさしていく。

「えっと、その。僕の料理を期待してくれるのはとっても嬉しいんだけど、七人分だとしてもこれは多すぎだよ。とりあえず今日はこれで作るけど今度はさ、一緒に買い物に行こう?食材を見たら食べたいものが思い浮かびやすいし買い物自体楽しいよきっと」

そう言って優しく微笑んだ青葉に次は俺が目を瞠る番だった。

「また作ってくれんのか!?」

「あ、えっと期待に添えるか分からないし差し出がましくなければだけど……」

「んなわけねぇだろ!!すっげー嬉しい!」

俺は堪らず青葉に詰め寄った。更に顔が赤くなった気がしたがそんなの構っていられない。

まじでか!青葉の料理がこれからも食える!弁当を食べただけだが俺の中で青葉の料理は三ツ星レストランを抜いている。それぐらい美味かったのだ。

「そう言ってもらえて僕もうれしいよ」

「青葉、俺……」

「ストーーップっ!!」

俺が言う前に制止の声がかかった。いつの間にか青葉の両肩を掴んでいた俺の両手を井上さんと藤木さんが引っぺがし、天野さんと大野さんが青葉の前に立ちふさがるように進み出た。岡倉まで後ろから抱きついて俺の動きを封じようとする。

「ちょっと!何、人の前でイチャイチャしてるんですか!?」

「はっ!?してねぇよ!!」

天野さんの発言にぎょっとする。何がどうしてイチャイチャ!?男同士だからな!?ほらみろ青葉も固まってしまった。顔が赤いのは気のせいだ。俺たちは熱い男の友情で結ばれているんだから色眼鏡で見ないで欲しい。切実に。

「あんな風に見つめあって良く言えますわね?」

「に、二階堂くん。あれは、だめだと思う」

女子陣には絶対零度の眼差しを向けられ、岡倉にまでそんなことを言われる。

あんなとかあれとかなんだ!?俺、別に対したことしてないよな!?

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