大阪城夏の陣4夜目
放課後の部室。
机の上に「模擬面談」と書かれた紙が置かれている。
佐伯が手を叩いて宣言する。
「今日はいよいよ模擬戦だよ!相手は坂口と山本!」
坂口はソワソワと西村を見て、山本はノートをきっちり準備して待っている。
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ラウンド1:俺のターン
俺「俺は“普通”だから安心感を与えられる!」
坂口「……普通って自分で言う人、だいたい普通じゃないですよ」
山本「自己評価と他者評価の乖離……」
全員「真面目に書くなーー!」
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ラウンド2:西村のターン
西村(眼鏡を外して)
「坂口さん、人間関係の7割は挨拶で終わるよ。敵だらけって思う必要はない」
坂口(真っ赤になって)
「……そ、そうなんですか……西村さんが言うなら……」
佐伯「はい出ましたー、西村推し補正!」
西村「やめてってば!」
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ラウンド3:高橋のターン
高橋(ギターをドヤ顔で構える)
「努力ゼロでも俺はここまで上手くなったぜ!」
ジャーン!──
軽快なリフが部室に響く。
坂口が少し目を丸くする。
「……え、上手い……」
山本(理系メモ帳に書き込みながら)
「これは“技能アピールによる印象点+3”ですね」
西村「まさかの成功パターン……」
佐伯「いや、でも“うるさいけどカッコいい”のは卑怯じゃない?」
高橋はニヤリと笑う。
「結局さ、努力なんかより結果と雰囲気だぜ」
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ラウンド4:朝比奈のターン
朝比奈(自称経営者スマイル)
「坂口さん!社会復帰は投資です!未来の自分にリターンを──」
坂口(引き気味)
「セミナー感すごい……」
山本「プレゼンの手法ミスですね」
佐伯「営業臭しかしない!」
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ラウンド5:佐伯のターン
佐伯(にっこりと自然体で)
「坂口さん、じゃあまず一緒にジュースでも買いに行かない?
ほら、外に出るのって“戦争”じゃなくて“買い物”くらいの軽さでいいんだよ」
坂口が目を丸くする。
「……あ、そ、それなら……」
山本「……今のは摩擦係数を下げた声かけだ。実に理にかなっている」
西村「さすが佐伯、意外に上手いじゃん!」
高橋「くっそー!俺よりウケてんじゃん!」
最後に採点すると
優勝西村!!
西村「そういうノリは嫌いじゃないが‥みんな最初の目的忘れてないかな?」
高橋「なんのコンテストだっけ?」
佐伯「もー!引きこもり面談でしょ!だれも向いてないって結論です!」
西村「……結局、面談で本当に必要なのは“ベクトルを小さく放つ”こと。
相手が自分のベクトルを出せるように誘導して、最後は“プラスの座標”に着地させる──それだけね」
山本(なんで俺のターンない?)




