Episode.83 VS[The last boss]VAMPIRE MIRROR
俺は前回と同じ銃剣。
カレンは紅蓮といったあの猫が変化した剣。
レットといった俺と似てる少年は銃と剣。
ブラッドは、前回ヴァンフェーニが持っていた十字架のような剣。
ヴァンフェーニは、相変わらずの槍。
カレン「無理はしないでくれ、レット」
レット「ああ」
ヴァンフェーニ「仲の良いこった…」
夕陽「……」
どうやって蓮花を助けるか。
ヴァンフェーニから距離を置いたとはいえ…吸血鬼の身体能力は人間の何倍もある。
…やはり、倒すしかない。
鬼蓮「夕陽。何とか隙を作れ、隙を見て俺が…」
夕陽「…分かった」
ヴァンフェーニ「ゴチャゴチャとうるせえな」
夕陽「!」
間一髪、といったところだ。
俺と鬼蓮がさっきまで居た場所には、槍が深く突き刺さっている。普通なら簡単に抜けそうにないが、ヴァンフェーニはそれを自然な動きで引き抜く。
レット「考える隙も与えてくれないか」
カレン「やはり、か」
予想はしていたものの、こうも不意打ちをされたら流石に動揺する。
…まずいな、突破口が全く見えない。
鬼蓮「…どうすんだよ」
夕陽「……。…?」
待てよ。
そもそもコイツの能力があればあの場で瞬殺出来ていた筈だ。
なのに、『ヴァンフェーニはどうして一旦撤退した』?
ヴァンフェーニ「ボーッとしてんじゃねえよ餓鬼」
夕陽「!…」
(今だから出来る)倒立後転の要領で攻撃を避ける。避けながら考える。
吸血鬼。血を吸う鬼。今回己の餌として蓮花を選んだ。…邪魔が入ったとはいえ、何故生かしている?
そもそも、コイツが撤退した原因は…?
──…エナジードレイン……か…
夕陽「……!」
思い出した。
撤退した理由。撤退せざるを負えない原因。
夕陽「……鬼蓮のエナジードレインで弱ったからだ」
元裏人格の元人間の鬼。半幽霊半妖怪、旭ヶ原蓮花から生み落とされた新種の妖怪・火怒炎虎。
エナジードレイン…他人の生気を奪い取り己の力に変える能力。
この能力が鬼蓮にあったことには驚いた。
今、ヴァンフェーニに向かっている二人と目が合う。そして、二人で頷く。
レット「センス・アタックコマンド15『ツインズブレイク』」
カレン「紅蓮華焔!」
ヴァンフェーニ「二人掛かりってか?…甘いんだよ!」
夕陽「……」
俺は、肝心の鬼蓮の姿を探す。
…そうか、アイツは既に行動に移ってるのか。影の中から顔を出して(これが結構怖い)、俺と目が合うと影に引っ込んだ。そして、ゆっくりとヴァンフェーニの背後に回る。
……これで、準備は整った。
さあ、決着をつけよう。