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FLARE GUARDIANS  作者: 睦月火蓮
PART.4
54/108

Episode.43 向かう者・追う者

(夕陽side)


森を歩いていると、ヒカルが話し掛けてきた。


ヒカル「お前さ、手首大丈夫なわけ?」


夕陽「一応…。…だが、急にどうした?」


ヒカル「旭から聞いた。蓮花、手首握り潰そうとしたって。まぁ多分脅しだろうがアイツなら本気出せば簡単に出来そうだな…。

 正直蓮花は怖いから何があってもあいつには絶対逆らわない」


…ラトナは一応武術とかに関してはシャナには劣るが強い方だ。油断してたとはいえラトナに掴みかかれるのは凄いと思うぞ。素人が掴み掛かろうとしたら逆に掴まれるか一方的にやられるかのどちらかだ(その時の本人の気分に左右される)。


ヒカル「お前は蓮花が夜咲さんの娘だって知ってるんだよな」


夕陽「ああ」


ヒカル「アイツ、日向流武道で殆ど黒帯持ってるわけ。二段とか三段とか」


日向流武道。

たしか色々な武道の集まりとからしいな…。

どこの武道でも高名らしいが。

…そこの武道で黒帯?


夕陽「…月火は、いったい何をやって…?」


ヒカル「えっと蓮花は…合気道、空手、柔道、剣道、薙刀、弓道 …」


夕陽「分かったそれ以上はいい、これ以上は凄過ぎてアイツのイメージがおかしくなる」


ヒカル「ま、旭も一応合気道は同じ黒帯。俺も護身術程度ならまぁ色々と…空手と柔道なら一個下の茶帯だ。

 そういや、空手の師範が言ってたが蓮花は元々素質があるんだと」


夕陽「素質な…」


…?

シャナも武道は一通りやってるとか言ってたな…。

待てよ、確かシャナは日向流武道にいるとか言ってたな…


夕陽「………ヒカル、シャナは知ってるか?シャナ・ベルメリオ」


ヒカル「ん?……あー、確か同年代で唯一蓮花と互角で渡り合えたらしいな。

 俺は見たこと無いがな」


夕陽「………この前、眼鏡が外れた時に赤紫色の髪の女子いただろ」


ヒカル「…ああ、あの活発そうな奴な」


夕陽「…その女子が、シャナ・ベルメリオ」


ヒカル「……え?」


夕陽「…去年、『ちょっと武者修行してくる』と言って戻って来た」


ヒカル「…お前の所のチーム、怖いな」


夕陽「……そうだな」


ヒカル「……あ、面識あっても平気か。本名でやってるし」


…ヒカルはドーランの人間を知らないのか。

竜神の里、ドーラン。そこに生まれた者は超人的な力を持つ。

ラトナは魅力や体力だとして…シャナは運や勘、第六感や五感が鋭い。

アイツなら気付いてもおかしくは…。

…ああ、そうか。土壇場やアドリブに強いんだった。なら知らないふりをしても不自然じゃないか。


夕陽「……さて、ついたか」


ヒカル「…昼間だっていうのに、不気味なこった」

------------------------

(ルルside)


久々の私の語り口ー。

なんやかんやあって結局リューは同行で、フィルがサポートしてる。ヒナとカイはまだ回復してないからお留守番。アケミとネートは…「一緒に行くー!!」って聞かないから、一緒。

今、ファイに案内してもらってる。


暁美「兄ちゃんの奴…帰ったら説教してやる!」


ネート「でも珍しいよね、夕陽君が自分から行動するの」


ラトナ「ヒカルまで同行するなんて…アイツら大丈夫か?」


シャナ「私はヒカル君をよく知らないが、たぶん大丈夫だろう」


フィル「…大丈夫?」


リュー「…まぁ、なんとか」


ファイ「…フフッ。懐かしいな、20年前を思い出すよ」


…20年前?同年代に見えるんだけど…。


ファイ「ルル、っていったよね。君のそのキョトンとした顔、ルビーを思い出すよ」


ルル「?…?」


ファイ「俺はこれ以上成長しないんだ。何せ本物の人間じゃない、人工生命体なんだから。これでも30代後半だよ?」


ルル「…えぇえー!?」


ファイ「時が経つのは早いよね。だって、あのおっちょこちょいの撫子や何か抜けてた夜咲が大人で…しかも教師になってるなんて、正直驚きだよ」


ネート「夜咲先生と理事長先生のこと知ってるの?」


ファイ「んー?知ってるも何も、これでも一応チーム内で先輩なんだよね。…そういえば二人でコンビだったんだっけ、ああそうそう。うんうん、常に息ぴったりだったよー」


…理事長と夜咲先生が…。息ぴったりって、凄いな…。


ファイ「ま、確か俺が引退した後に夜咲が三代目チームリーダーになったらしいから、別にあんまり驚かないけど。

 …あ、写真あるけど見る?」


暁美「どんなのどんなのー?」


ネート「見せてー」


ファイから写真を受け取った後…二人が叫んだ。


暁美・ネート「「…ええぇえーっ!?」」


ファイ「あ、驚いた?」


暁美「こっ…ここここれっ…」


ファイ「まあ、ルビーが写真撮るの好きだったから初代と二代目のは多いよ?それ以降は…レットやふーちゃんかな、写真とか撮ってたの。

 ま、おかしくはないよ。バラバラの時間と世界から来たんだしね」


ネート「よ、世の中にはそっくりさんがいるんだー…」


…何だかよくわかんない。ユウヒなら分かるかな…。

そんなこんなをしているうちに、あのお屋敷についた。


ファイ「…今更だけど、あんまり乗り気じゃないな…。ま、そんな我儘言ってられないかな」


ファイは何もない空間から、黒い剣を抜きだした。

…あれ?あの剣は前回リューが使ってたような…。


ファイ「皆、今の内に戦闘準備しておいた方が良いよ。この先何があるか…分からないから」


…ファイってやっぱりリューに似てる。飄々としてるのにたまに妙な説得力がある。

私はレイピアを。

ネートは鈴のついた魔法杖を。

アケミは鈴のついたリボンを。

ブレイズは二丁魔拳銃を。

ラトナはナックルを。

シャナはグローブを。

リューは鞭とファイと同じ剣を。

フィルはマジックカードと魔道書を。

それぞれの愛用する武器を、構えた。


ファイ「…行くよ」


古びた扉を開けて、中に入って行った。

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