表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

想定外の事態

この世界には古来より異能力を持って生まれてくるものがいた。


それは感覚的なものが多く常人よりも目が見えたり


耳が聞こえたりしたりするものだった。


しかし、これは一般家系から生まれるものが多く


珍しいものではあるがそこまで特別ではなかった。


しかしその中である特殊家系のものだけに超常的な力


を持ったものが生まれてくる。


その家系では感覚的な者でなくより不思議な力を持って生まれてくる。


そんな特別な者たちを能師と呼んでいた。


それによりその家のものは戦争や災害の支援などで重宝されており国王からも信頼され、


それによりとても繫栄していた。


その特殊家系の一つであるオルティース家は代々


王都の中でも豪華な家が建ち並ぶところにあり


その中でもひときわ目立つものであった。


二階建ての家で入り口には大きな門がある。


一つ一つの部屋に大きな窓があり日の明かりが


入りやすくなっていた。


このとても豪華な家では一般的な家と変わらず


ゆったりとしたごく普通な生活をしていた。


その中でとても大きな声が響いていた。


「それは本当ですか!」


オルティース家の豪華な家の中で


ある女性が叫んでいて家に広く響いていた。


その声の主はアナベラ・オルティース。


綺麗な容姿をしており艶めいた菫色の髪に


とても深い黒の瞳をしており、


美しい容姿だが服はあまり派手な服ではなく


しかしながらとても値が付くものだと分かった。


そんなアナベラは今父親の部屋に呼ばれていた。


「本当だ。お前には嫁いでもらう。」


それはあまりにも衝撃的過ぎて悲しむよりも


怒りが先に出てきてしまった。


アナベラ自身は今までずっとそのまま家に居て、


この家を継いでいくつもりだったからだ。


このことは両親も認めており、あとは


婿に誰かを迎えるだけだった。


それが今土台から崩れてしまった。


「そんなの急に言われても困ります。」


「私はこの家を継いでいくつもりだという事は

お父様も知っておられたでしょう。」


それを聞いた父親は難しい顔をしながら答えた。


「それはもちろん知っていたしお前が継ぐことは


私も認めていた」


「しかし、状況が変わった。」


いつもより真剣な表情へと変わった。


「この家はセシリアに継がせる。」


それを聞いたアナベラは絶句した。


セシリアはアナベラの妹であり、


いつも遊んでばかりで、家の為に学んだりなどの


努力を一切見せていなかった。


そんな彼女がこの家を継ぐとは夢にも思わなかった。


「なぜ、なぜ、どうして彼女何ですか。」


アナベラは驚きを隠せず父親に問い続けた。


そんなバカなことがあるのかアナベラはセシリアよりも何倍も努力をした。遊びもしなかったし


恋愛ももちろん経験しなかった。


自分もいろんな者と関わって楽しい生活を送りたかった。


同い年の女性はみんな笑顔があふれ、


それぞれの色恋に花を咲かせていたのに自分はそれを捨ててきた。


それが報われないのか。


もう怒りすらなくなってきてしまった。


「すまん。上の者たちから指示が来た。」


「次の代にはセシリアに努めさせろ、と。」


父の顔からそれは苦しい判断だったと分かった。


おそらく父もものすごく反対したのだろう。


しかし、父の抗議も聞いてもらえず決まったのだろう。


アナベラ自身にも何か力があれば変わったのかもしれない。しかし今は何も力を持っていない。


「上のものとは先代の人たちですか。」


この国では多くの家系が先代の方が力を持っていた。


それは名家であるオルティース家も同じだった。


父はある程度発言力はある、しかしまだ先代の者たちの方が


力を持っていた。


そのためアナベラは上の奴らと聞いたら先代の


人たち以外考えられなかった。


しかし、その答えは思いもしない人物だった。


「違う。上からとは国王陛下からだ。」


「えっ。」


「国王陛下がなぜうちの事に口を出してきたのですか。」


「それは私にもわからない。」


国王は普段このような命令をすることなどありえない。


特殊家系には信頼を置いているため


基本は好きなようにさせている。


まして家のことに意見したことなど過去に一度もないだろう。


しかし、例外はあり例えば国家反逆行為が行われている、疑われる場合や


特別な任務があり国王自ら命令をしないといけない場合のみである。


これは国王の命令は国全体の特殊家系に知らされる。


そのため簡単にアナベラも知ることができるのだ。


しかし今回の命令は異例すぎる。


もしかして新しく命令が追加されて知らされてから時が経っていいるのだろか


もしくはアナベラは聞いていなかったのか。


でもそれはないと頭の中からすぐに消した。


「もちろんそれは極秘の命令でしたよね。」


「そうだ。国全体には知らされない。」


やはりそうだった。


それなら何か裏で起きていることは


容易に考えられた。


だが、それを調べるのは簡単ではない


国王のことを調べるなどどんなものでもそんな簡単なものでなく


それに加えて国家反逆行為としてアナベラが罰を受けてしまう可能性もある。


そのためとりあえず国王のことは後回しにしようと考えた。


でも目の前にはアナベラが最も信頼する人である父親がいる。


この人に頼るのが最善だろう。


「何か裏があると思うので頼みましたよ」


「わかっている。できるだけ調べておく。」


「それで、嫁ぎ先はどこですか。」


何となく同じような特殊家系であると思っていた。


なぜなら多くの場合特殊家系は同じ


特殊家系に嫁ぐためであり、嫁ぎ先は近い


権力を持ったところになってきていた。


そのためある程度どの家に嫁ぐかは


考えられていた。


「そ、それはな、フリエム家だ。」


それを聞いて驚愕した。


フリエム家とは特殊家系の中でとても


位が高く、莫大の資産を持ち、多くの土地を


保有していた。


その能師の力はオルティース家とは数段上の


力を持っている。


もちろんオルティース家もほかの家と比べたら


とても多くの資産を持っている。


しかし、フリエム家と比べたら赤子同然だろう。


「本当ですか。」


「なぜフリエム家から縁談が来るのですか。」


「それを私に言われても困る。」


「国王から先ほどの指示と同時に来たんだ。」


「おそらくだが縁談ができる相手が


あまりいないのだろう。」


「それにフリエム家の次期当主が

まだ相手が見つかっていないからな」


「早く見つけたいのだろう。」


それを聞いただけでは納得してしまいそうだが


「その相手とはルーカス様ですよね」


フリエム家の次期当主と言われている


ルーカス・フリエムは数多の縁談話が来ていたが


今までのすべてがうまくいかないか、


話の時点で拒否しており、それ以外にも軍では恐ろしい存在だと噂が出回っている。


そのような話しかないためあまり良い印象ではなかった


「そうだ。」


「そのような相手に自分の娘を嫁がせるのですか。」


アナベラは強く父に問いただした。


こんなのうまくいくわけがない


行ったとしてもすぐに追い出されるだけだ。


最悪の場合機嫌を悪くして消されるかもしれない。


それだけルーカスは恐ろしい存在だったのだ。


「たしかに少し怖いがフリエム家の頼みを

断ることはできない。」


「だから行ってくれないか。アナベラ。」


娘に対して頭を下げて頼み込む父。


いつも頼りになる父がここまで頼んできている。


この状況で断る者はいないだろう。


アナベラはため息をついて答えた。


「わかりました。行きます。」


「本当か。」


「本当です。」


「ありがとう。本当に不甲斐ない父だな。」


「大丈夫です。その代わりこの家を頼みますよ」


「任せておけ。」


笑顔でグットポーズをして答える。


なんだか心配になる言い方ではあったが


それをいちいち気にしなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ