準備
今回の作戦が行われる前日にオルティース家にも
戦争の状態が伝わってきており、今回の作戦も
行われることも聞いていた。
そして作戦が成功したことにより休戦が行われると
情報が来たことによりアナベラは準備に追われていた。
多くの荷物を部屋に出し整理をしていた。
一時間ほど整理をしてホッと一息をついた。
「まさか今回の戦いにより休戦が行われるなんて」
以前聞いていた情報ではまだ激戦が続いており
休戦どころではなかったはずだった。
それがたった数か月でここまで戦況が
変わってしまうとはアナベラは動揺を隠せなかった。
(さすがルーカス様。噂通りの優秀な方なのですね)
アナベラはおそらくルーカスが指揮をして戦っていたと予想をした。
他の指揮官も優秀な者も多いがやはりルーカスは
他の者とは勝る実力があったのだった。
しかしアナベラにとっては戦争が休戦してしまい
ルーカスが一度帰ってきてしまうことになり
そのため急いで準備しなくてはならなくなった。
今はひと段落がつき一度休憩しようとして椅子に腰を掛けた。
その時扉がノックされた。
「お姉さま少しよろしいですか。」
その声は妹であるセシリアの声であった。
その声に少し驚いたが、はい、入りなさいと返事をしてたら扉が開けられた。
そうすると不敵な笑みを浮かべたセシリアが立っていた。セシリアはアナベラの姿を見ると
部屋にずかずかと入ってきた。
「お姉さま。ルーカス様と縁談するときが来ましたね。」
「あまり心配しないでください。あとは私が
この家を支えていきますから。」
どの口が言っているのか。彼女はこれまでこの家に
迷惑はかけてきたが貢献してきたことはなかった。
そんな彼女だからこの家を心配している。
父がまだ現役の時は良いかもしれないが引退して
次の代に移った時おそらくセシリアがその座に就くことになる。もしくはその旦那が。
どちらにしてもあまりよくはない。
だから今のうちに何か策をと思っていたがその前に
フリエム家に行かないといけなくなってしまった。
「私はあなただから心配をしています。」
「今までろくにこの家に貢献したことはないでしょう」
それを聞いたセシリアは焦った様子は見せず
冷静な様子で答えた。
「もうあなたは関係ありません。
フリエム家の者になるでしょう。」
「今は自分のことを考えた方がよろしいのでは。」
何も言い返せなかった。実際私はなにも事情を知らない
人から見れば権力も地位もお金も今いる家よりもある
所に嬉しそうに向かう悪女のようなものだ。
フリエム家は実際そんな令嬢ばかりで婚約者を探すのに苦労をしている。でも私は違う。この歴史ある
オルティース家を生涯かけて繫栄させていきたいと
心の底から本気で思っていた。
しかし、それは叶わず、いくら今更言ったとしても
見栄を張っているだけだと思われるだけだろう。
だからこそ反論はせずに冷静に答えた。
「そうですね。私は私のこれからを考えた方が良いですね。」
「それだけを言いに来たのですか。」
これは深い意味はなく単純に思っていたことだった。
ただただこんなことを言うがために来たとは
考えづらかった。
「これが先ほど届いていましたわ。」
「おそらくフリエム家からのこれからのことについてだと思いますわ。」
彼女の手には上質な封筒に入れられており
フリエム家の家紋がついていた。
「本当ですね。ありがとう。」
「これだけなら私は準備がありますからでていってもらえる。」
あまりうれしくないものが届き気分が先ほどよりも急激に悪くなった。
だからセシリアには早く出て行ってもらいたかった。
「そんな冷たくしなくてもよろしいのではないですか」
「そんなに素っ気ないとルーカス様に嫌われますよ。」
それだけを言うとセシリアは部屋を出て行った。
扉が閉じた後にアナベラはベッドに体を倒した。
なんだかとても疲れていた。
多くの情報が入ってきて少し焦っていたこともあり
精神状態があまりよくない。
しかし休憩はしていられない。今回の手紙で
何か動くかもしれないだから早く読まなければ
封筒の封を破らないように丁寧に開けた。
そこにはある公園の場所の指定と日時、時間がかかれていた。
それは予想外のものであった。これにはてっきり
フリエム家に向かう時が書かれていると思ったが
なぜか公園に場所が指定されていた。
(さすがに顔合わせを公園でするわけありませんよね)
それならこの手紙は何だろうか。間違えた手紙ではないだろう。
もう一度封筒についている家紋を見た。
しっかりとフリエム家のものだった。
なら本当にこの手紙の内容は何だろうか謎が一つ増えたのだった。




