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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第三章 強く、より強く
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21話 森の異変

ベッドの掃除が終わると、遙の持っていた敷布団を

上に乗せる。

藁の敷き詰めただけに布を乗せたのが一般的なベッド

だったせいか、遙が作った敷布団は画期的なものだ。


前の宿屋でもそれを使っていたせいかメノウはソレ

を期待してしまっている。


藁ベッドは寝ているとチクチクとして寝心地が悪い

が、マッド代わりに敷布団を置くと、程よい弾力があ

り、寝ているだけで疲れが取れるのだという。


朝の目覚めがいいのは久しぶりだった。


野宿では変な緊張のせいかぐっすり眠れた気がしない。

だが、今日は久しぶりにしっかり眠れた気がする。


遙は起きると早速出かける準備をしながら昨日作った

おかずをパンに挟んで即席で食べれるサンドを作って

置く。

マジックバックにはポーション類を入れて置くと武器

として短剣を腰に下げた。


もちろん、遥が戦うわけではない。


メノウにはあらかじめ渡しておいた剣がある。

なんの変哲もないどこにでも売っている剣だったが、

それに錬金術で作った魔石をはめると魔剣になった。


表面に魔力が通るように魔道回路を刻めば強度も上

がる。

そして何より、魔法も撃てるのだ。


制度は使い手に比例するが、最近ではメノウも魔力

のコントロールが出来るようになって来たので、問

題なかった。


「おーい、ハルカー起きてるかー?」

「起きてますよ。メノウさんこそ、準備できました

 か?」

「あぁ、俺はいつでも行けるぞ」

「では、食事を食べ終えたら行きましょうか」

「お、美味そうじゃん。やっぱり遙といると食事が

 美味いな」


そう言うと、メノウが目の前の食事にかぶりついた

のだった。

薬草や山菜が豊富なので、あまり困る事はなかった。


準備を終えると軽装になってトレントの森へと足を

向けたのだった。

一見、なんの変哲もない森のように見えるが、所々

に魔力が感じられた。


「メノウさん、早速来ましたよ」

「どれが動き出すんだ?」

「先にこれを渡しておきます」

「おぅ、魔道具か。よし、見えるぜ」


それがつけるだけで魔力がこもった木を見分けられる

ものだった。

トレントといっても、所詮は魔物。

魔力を帯びているので普通の木に紛れていてもどうし

ても魔力の残滓が残ってしまうのだった。


「メノウさん。今日はこれを試して下さい」

「この魔石は……風の魔法か!」

「そうです。ここで火を使うと普通の木も燃やしてし

 まいかねないので。これなら多少間違えても問題な

 いですから」


魔剣と化したメノウの剣に風の魔法が付与された魔石

を装着したのだった。

こうして他の属性の魔石をはめる事で、その恩恵が受

けられるようにする。

これは遙が作った武器としての機能だった。


後は、今、遙の手の中にあるものだ。

少ない 魔力で自分の周りの温度を下げる機能が付与

されているのだった。


メノウは火魔法の特性があるせいか寒さには魔力を

使う限り問題ない。

それをわかっていて遙は使っている。


魔物といえど木なのだ。

寒さには弱い。


そして動きが鈍くなればその分こちらが有利になる

のだった。

メノウは剣に風の魔力を通しなが切り裂いていく。


たかが大量生産品の剣でもここまで改造された魔剣

は国宝級の品物へと変わっていた。


それに気づいてはいたが、メノウはあえて何も言わ

なかった。


言われた通りに、魔力を宿した木だけを切っていく。

近くのトレントを屠ると、残ったドロップ品の中に

材木と言う品があったのだった。


「これですね。メノウさん、好きに動き回っていい

 ですよ」

「言われなくてもそのつもりだ」


メノウは剣を握りしめると楽しそうに真っ二つに

切り刻んでいたのだった。










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