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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第三章 強く、より強く
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17話 ウボツメ村 (2)

ウボツメ村は人口50人くらいの村だったという。

たまたま乗り合い馬車に乗ってきた人がその村

との取引きがあったらしく、月に数回通ってい

たと言う。


「では、ウボツメ村はやっぱり今はもう……」

「あぁ、俺が行った時には村は荒らされててな〜

 でかい獣でも暴れ回ったかのような荒らされよう

 でな、家々は崩れてみるも無惨な状況だったんだ。

 結局村人は誰もいなくてな、死体一つも見つけら

 れなかったという訳だが、あれはもう廃村になっ

 てるだろうな。それでも行くのかい?」

「えぇ、目的はもっと奥なので」

「そうか。だが、気をつけるといい。あそこは今も

 安全とは言えないからな。裏の森は徐々に進行し

 ているからなぁ〜厄介な森だぜ」


苦笑いを浮かべると、トレントの森に向かう物好き

として見えていたのだろう。


乗り合い馬車で行けるところまで行くと、あとは降

りて歩いて行く。


辺りも薄暗くなると、これ以上は森の中を歩くのは

危険と感じた。


「今日はここで野宿して明日にはウボツメ村に着き

 そうですね」

「もう少しなら歩けるぞ?」

「ダメです。夜の森は本当に危険なんです。まずは

 ここで朝まで待ちましょう。そのうちに警戒だけ

 はしっかりしておかないと……」


そう言うと遙は魔道具を取り出すと魔力を調整して

少し離れた場所の地面に刺して行く。


「それは?」

「この前の改良版です」


自分たちのテントの外側に細い棒を突き刺すとそれ

が6本刺さると、その一本に魔力を流した。

すると、次から次へと魔力がつながりドーム状の魔

力の膜ができた。


表面がピリピリと光が時々何度も行き来していた。


「触わらないでください」

「これってやっぱりさ〜、アレだよな?」

「そうですよ?アレです。人間や魔物だけじゃな

 いですよ?虫だって中には入れないんです」


改良を加えて、大きさがだいぶんと広くしても支障

なく張れるように改良を加えた。

性能は前回と同じなので魔物が近づいたとしても、

直接危害を加えられないようにの対策だった。


大きな樽にお湯を沸かせば、メノウは一番風呂に

入りたいと言ったので好きにさせている。


「おぉ〜〜〜やっぱり気持ちいいな〜」

「部屋では静かに入らないと隣の部屋に響いてい

 ましたからね」

「そうなんだよ。いきなり部屋に来てドンドンと

 ドア叩いてくるしよぉ〜」

「…….は?僕は発耳ですよ?」

「おう、言ってねからな」

「………」


もうすでに苦情がきていたらしい。

これは一部改良の必要がありそうだ。


「無音に出来る魔道具とかあったらいいのにな〜」

「無音……ですか……」

「だってそうだろ?気持ちいい時って歌いたくなる

 だろ?大声で叫びたい時って誰でもあるだろ?」

「………無音……無音……音は振動で伝わるから…」


メノウはハルカが自分の世界に入り込んだのを察し

風呂を堪能した。

満点の星空の下で大自然の中で入る風呂は気持ちが

よかった。


ただ、ちょっと森の暗さが不気味ではあったが、

ハルカの魔道具が起動しているうちは、どんな魔物

であろうと入っては来れないのが実証済みなので安

心して眠れるのだった。


あかりは蝋燭や松明、などより魔石をはめ込んだ

ライトは明るさも調整できて、つまみを回せば魔法

攻撃も出来る優れものだった。


前を照らしながら攻撃できるのは片手が塞がってい

る夜の森ではありがたい魔道具と言える。


一部の冒険者が持っていると言われていた灯りと

攻撃魔法が一体となった魔道具は国の宝物庫にも

あったと記憶している。


ただ、それは魔法攻撃の火力も低く、一瞬の目眩し

としか使えなかったと聞いていた。

だが、それを作った本人からしたら火力をわざと抑

えた物を作って世に流したと言っていた。

これも師匠の考えなのだという。


あまりにも火力があると、人同士の戦争に使われて

しまうからだと言っていた。


もしかしたら、改造して火力のあるものにする人が

出てくるのでは?

と昔イーサが進言したことがあった。


が、あまりにも複雑な魔道回路を入れていた為、こ

れを全部理解して改良を加えられる人間は世の中に

たった一人しかいないと笑っていたのだ。


多分、その一人というのは、ハルカの事だろうと今

のメノウならすぐに理解できたのだった。








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