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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第三章 強く、より強く
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5話 街を出る

無事、賞金首を引き渡すと懸賞金をもらった。

護衛任務も順調に終わり、そちらからもしっかり

依頼料を受け取ったのだった。


「マジですげーな!依頼料より、懸賞金のが多い

 なんてよ」

「そうでしょうね、商人達が困っていれば金額も

 自ずと弾むはずです。今回のは商業ギルドも関

 与しているので金額が多いはずです」


そう言って受け取った分は、もう一つのパーティ

ー分を除いた1/5だったが、それでも一回の報酬と

しては破格の金額だった。


「金貨50枚かぁ〜、それに依頼料もプラスだし、

 今日くらいはぱぁ〜っと飲むか!」

「ダメです。節約できる時に節約しないと、お金は

 たまらないですよ」


遙は贅沢をするような人では決してなかった。

より良い生活をしたくて魔道具を作るが、滅多やたら

に売って儲けるわけではなかった。


世に出してはいけないものは、しっかり見分けている

ようだった。


「それに、手に持つよりギルドに預けておけば、どこ

 のギルドでもおろせるそうですから、そうしてはど

 うですか?」

「まぁ〜確かにな……ギルドはどの国にも属してない

 からな………中立なんだよな〜」


商業ギルドも、冒険者ギルドも国には従わない。

だからこそ、ランクが上がればどこに居ても優遇され

るのだった。


高ランクの冒険者は一つの国にとどまらないのがそ

の理由だった。


国にいいように懐柔されたくないという意味もある。

が、自由を好む冒険者は好きに生きたいと思う者や

気性の荒い者が多く、国の手には負えないというの

もあったからだ。


「結構金も貯まったんじゃねーか?」

「そうですね。では、この依頼を受けましょうか」

「これは………」


遙が選んだ依頼は運搬依頼だった。

行き先はハルラの街まで。

無事荷物を届けるものだった。


「これって、荷物だけか?」

「そのようですね。渡す先は……パルポロ長官の

 ようですね。そして、依頼人ですが……」


依頼を受けると依頼人を待つために領主邸へときた。

ここに来るのは初めてだったが、どうして領主邸に

きたかと言うと、依頼人の意向らしい。


いわゆる、依頼人が領主より格上だという事だった。


「お待たせいたしました」

「いえ、こちらこそ。依頼の件で来ました」

「はい、分かっております。スフューエン様から伺っ

 ております。今日は忙しく来れない代わりにこちら

 を預かっております」


そう言われて、入ってきたのはレステル嬢だった。


「お久しぶりです、ハルカさん」

「レステルさん!」


オークションハウスのオーナーでスフューエンの娘だ。

彼女が手に持っているのは両手で持てるくらいの大き

さの小箱だった。


「ハルカさん、お元気そうでで何よりです。この度父

 の代理できました。依頼はこの箱をパルポロ長官に

 直接、渡して欲しいのです。部下ではなく、本人に

 お願いします」

「……はい、お任せください。必ず本人に渡します」

「それはありがたいです。大事なものなので、決して

 他の人の目には触れないようにお願いします」


『大事な物』を強調したあたり何かあるのだと誰で

も気づく。


ギルド長のハリンソンからは、この依頼には受ける

のに条件があると聞いて居た。

信頼がおける者である事。

そして……強さと誠実な人間である事。


どうしてそのような事を言うかというと、この荷物が

普通の荷物ではないからだった。


無くしてはならない物で、しかも渡す相手があの、軍

事長官のパルポロだからだ。


もし、途中で開けてしまうような者なら口封じの為に

殺さなければならないほどに重要な事だからだ。

多少乱暴に扱っても壊れはないが、長官以外に渡すよ

うな優柔不断な人間でも困るのだ。


それをレステルが見定めた上で、任せるようにと言わ

れていたのだという。


「来てくれたのがハルカさんでよかったです」

「こちらこそ、まさかレステルさんが来るとは思い

 ませんでした。あの後はどうですか?」

「えぇ、もう偽物を掴まされる事もなくなりました

 から……それに、色々と人員整理もできました」

「それはよかったです」


オークションハウスでおかしな行動をとっている客

が多かったのも、内部に人間が関与して居たからだ

と分かって、粛清したのだという。


そこに力を貸したのが遙の魔道具だった。

秘密にすると言う約束でレステルにだけ売ったのだ。


信頼できる人にしか使わせないと約束をしてスフュ

ーエン副長官にも話したのだった。


こうして、準備を整えるとレステルの依頼品を受け

取ったのだった。


ただ、これだけ受けるのももったいないという事で

ギルド長がもう一つの依頼を勧めてきたのだった。


「で?結局どっちも引き受けたけど………結構快適

 だな?」


能天気な事を言うメノウに遙はげっそりしていた。









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