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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第三章 強く、より強く
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3話 盗賊の捕縛

魔物の討伐依頼以外にも、お金になる依頼はある。

それが、盗賊などのお尋ね者の捕縛だった。


死体でもいいが、生きたままの生け取りなら尚いい。


「本当にやるのか?」

「メノウさんも腕には自信があるって言ってたじゃ

 ないですか?なら、やるべきでしょ」

「待てって、それは魔物に対してで……人にはちょ

 っと……」


メノウは魔術には自信がある。

剣も悪くはないと思う。

でも、これは知能の低い魔物相手であって、人に

対してはそうではない。


兵士に何度か練習で腕試しをしたが誰一人として

勝てなかったからだ。





その日は下調べも兼ねて裏街道からきた商人に話

を聞きに行った。

遙一人で行くには見た目的に幼く見えてしまい、

信用されないとあってメノウも一緒に行ったのだ

った。


そのついでに商人ギルドにも寄る事になった。


「街道に盗賊が出るって聞いたんですけど…」

「あぁ、それならこの前も商人の馬車がやられて

 たな。確か……ここだ。」


地図を出すと、襲われた場所を教えて貰った。

頻繁に襲われるそうだが、護衛がしっかりして

いる場合は出てこないのだという。


「護衛ってやっぱり冒険者ですよね?」

「あぁ、それもそうだが、最近では領主様が騎士団

 を街道に派遣してくださっているから、安全には

 なった方だな。それでも、毎日見張っている訳で

 はないから、その隙をついてくるから困っている

 んだ」


商人ギルドではそういう被害は自己責任らしく、

狙われないようにと高い金を払って冒険者を雇うと

儲けが減って、逆に赤字になる商人もいるという。


「さっさと捕まえて欲しいもんだな〜」

「ご協力、ありがとうございます。僕たちが解決

 して見せますね」

「おぉ、それは心強いな。頑張れよ坊主」


絶対心では思ってないな、と思いながらも笑顔を

向ける。


「あれ、絶対バカにしてるだろっ!」

「シッ!聞こえるからっ」


遙にとってバカにされようが、そんな事はどうでも

よかったのだ。

今、欲しいのは情報でそれ以外はどうでもいい。


必要な情報は手に入ったし、問題はどうやって

誘き出すのかという事だった。


「出没場所はわかったし、あとは荷馬車ですかね」

「商人なりすますのか?」

「う〜ん、それもいいですけど……二人じゃ無理

 ですからね」


考えた結果、商人の馬車に便乗させてもらう事に

したのだった。




      ♦︎♦︎♦︎




「君たちが護衛の冒険者達かい?」

「はい、新人ですが、よろしくお願いします」

「はぁ〜、まぁいいけど、大丈夫なのかい?」

「はい、もちろんです。いざとなったら、お任せ

 ください」


遙は愛想よく笑顔を見せる。

どうにも子供と見られているせいか信用にかける

のだろう。

依頼してきた商人の男性は遙とメノウでは心配な

のかもう一つのパーティーも同時に雇ったのだっ

た。



「おい、これじゃ〜出てこないんじゃねーか?」

「そうですね。あまりに戦闘力過多だとこないかも

 しれないですね……」


依頼してきた商人の荷馬車は例の場所を通る事に

なっている。

今日は騎士団の見張りはないと聞いている。


これはチャンスと思い護衛依頼を受けたのだが、

少し予想外だった。


「まぁ、仕方ないです。皆さんには隠れててもらう

 しかないですね」

「それはどういう……」

「他の冒険者の方には荷馬車に乗ってもらうという

 事です」

「そんな事……」


メノウが何かいいかけだが、すぐに口を閉じた。

遙は早速依頼人である商人と冒険者のパーティー

に頼みに行ったのだった。

最初は渋い顔をされたが、引き受けてくれた。


遙の作戦はこうだった。

荷馬車に依頼人以外の護衛も一緒に乗ってもらい

幌をかけておいてもらう。


外には護衛の新人冒険者の遙とメノウだけが前と

後ろに着くというものだった。

いたってシンプルだが、側から見たら狙い目に

見えるというものだった。


最初こそ、もたついたが出発してしまえば結構

順調だった。


休憩まであと少しというところで、怪しげな魔力

が近づいてきて居た。


不穏な空気に遙は事前に打ち合わせしておいた

冒険者パーティーに合図をした。

荷台の後ろをコンコンと叩く。

中から声がして、戦闘準備だけしてもらう。


そのうちに、少し前に試した魔道具を手に握り

締めた。


「止まってくださいっ!」


遙の声に荷馬車を動かしていた業者は馬車を止めた。


「おいおい、まさか出ていく前に気づいたのか?」

「………」

「俺たちを歓迎してくれてるのか?」


卑げた笑いを浮かべるとぞろぞろと手下を連れて

出てきたのだった。



「よかったです。出てきてくれて」


遙はニッコリと笑うと、もう一つの冒険者パーテ

ィーへと声をかけた。


「退屈してたところだったからいい運動になるぜ」

「まさか護衛任務が荷馬車で隠れていく事になる

 なんて思わなかったわ」

「だが、ゆっくり出来て好都合だったではないか?」

「違いない」


「僕らは荷馬車を護ります、戦闘は任せてもいい

 ですか?」

「あぁ、まかせろ。しっかり護れよ」

「はい、勿論です。メノウさんは前の荷馬車を!」

「分かった!」


同時に魔道具を発動した。

荷馬車を包むように張られた薄い膜。

透明で少し青みがかった色は太陽の光を浴びてキラ

キラと光って見えた。


「あら、綺麗ね」

「そういえば、解けるまでは近づくなって話だった

 よな?魔道具かなんかか?」

「そのようね。まぁ、私達は自分の仕事をしましょう」


戦闘に向かうチームと護りを固めるチーム。

いい連携だと思う。


盗賊は数が多いので、前で止めて居てもうち漏れは

ある。

うち漏れた盗賊が遙の張った範囲に入った瞬間。

ピシッ凍りつき氷の氷像へと変わった。


何が起こったかわからぬうちに、また一人と氷像が

増えていった。


それを見て居た冒険者からは「ヒュ〜〜」っと口笛

が鳴ったのだった。







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