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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第二章 冒険者として生きる
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29話 メノウとシャイア

討伐依頼を遂行中のメノウはシャイアと共に村の裏手

にあると言う水源地に来ていた。


魔物探知の魔道具はハルカから借りていたので、魔物

と遭遇する事なく辿りつく事ができた。


「なんだ?探知は出来るんだな」

「まぁ……まぁ〜な」


魔道具の力なので、素直に喜べない。

水源のそばに隠れると、数匹のリザードマンが水源を

占領していた。

彼らは水辺を好む習性がある為、この地から離れる

可能性は極めて低い。

だからと言って水源に毒を仕込むのもいいが、その

後村の水源として活用したいなら、それはできない。


「このまま見張るぞ」

「見張ってても仕方ねーだろ?倒さねーのか?」

「今はまだだめだ。今いる人数が戻らなかったら

 村人に危害を加えるかもしれないからな。今は

 我慢しろ」

「はいはい。みてるだけでいいんだな?」

「あぁ、お、1匹戻っていくな。俺が後をつけるから

 メノはそのまま見張っててくれ。全員戻っていっ 

 たら、この信号弾をあげてくれ。音はないし空に

 打てばしばらく空に色がついたままになるからそ

 れを合図に俺も撤収する」

「分かった。」


そうして二手に別れたのだった。


シャイアは戻っていく1匹を追うようについていく。

メノウは残ったリザードマン達が水浴びをしている

のをただじっと眺めるだけだった。


しばらくすると、小さなリザードマン達が合流し

たのだった。


子育て中なのか周りを警戒している雰囲気があった。

日が昇りきる頃にはまとまって戻っていく。


早速メノウはシャイアから渡された信号弾を打ち上

げたのだった。





     ♦︎♦︎♦︎





巣穴は意外と近くにあった。


1匹は警備兵のようだった。

長い槍を持ち、途中小さな個体とも接触した。


「今は子育て中か……ちょっと厄介かもな」


子育て中の魔物は気が荒い事が多い。

ちょっと刺激するだけで、村への報復があるだろう。

それに、子育て中には多くの食料が必要になる為、

村の田畑や作物が狙われる可能性は存分にありえた。


「あまり悠長にしていては村が襲われるかもな」


メノウの言った通り、各個撃破していくのが正解

かもしれない。

あまりに動くのが遅いと、手遅れになってしまう

危険性を孕んでいたからだった。


空に上がった信号弾の色を見ながら、そっと引き

返した。

アジトの位置は把握した。

あとは中にいる人数を確認できれば、1匹づち出て

来たところを叩けばいい。

そう考えていた。


水源へと戻ると、メノウが待っていた。


「アジトに使っている洞窟は見つけた。これから

 は全体の把握だ。それが終われば討伐になるぞ」

「アジトが分かったのなら、中にいる人数を確認す

 れば終わりだろ?今から行こうぜ」

「洞窟の中は探索魔法が通じないだろ?」

「いや、俺のは魔道具だからさ。洞窟でもあまり

 関係ないんだよ。だから早速行こうぜ」

「なんだそれ……どこで買ったんだよ」

「内緒だ」


少し自慢気にメノウが言うと、シャイアは眉を顰

めたのだった。


洞窟の前で、目を凝らすように魔力を流すと、中

の様子が手に取るように見える。


「大きいのが……11匹、小さいのが7匹……うずく

 まってるのは動かね〜けど。なんだ?」

「それは卵じゃないか?本当に驚いたな。なら、

 このまま夜まで監視だ。明日の朝まで待って数

 が変わらなければ、討伐に入るぞ」

「おぉ、任せろ」


やっと、メノウの力の見せ所だったのだ。

地味な偵察作業は、実につまらなかった。

ずっと同じ場所でただ、見ているだけ。

メノウには苦痛でしかないのだ。


やっと思いっきり身体を動かせると思うとワクワク

するのだった。


結果的に、朝までに2匹が追加で帰って来たが、す

ぐに別の2匹が出て行った。


見張りの2匹が帰って来る前に片付けなければなら

ないと位置付けると、朝から水源に向かう4匹を見

送ると小さい個体もそれについて行った。


「じゃー開始するぞ」

「おう」


シャイアの指示通りに洞窟の中の7匹を仕留めるべく

動き出す。

昨日帰って来た2匹は今も横になったまま動かない。

寝ていると思ってもいいだろう。


勿論、戦闘になれば起きてくるだろうが、今は心配

いらないようだ。

シャイアの判断力は的確だった。

メノウが得意とする火魔法の使用許可は出なかった。


「一気に火で焼いてしまえばいいんじゃないか?」

「それはだめだ、リザードマンの皮膚は硬くて丈夫

 だが、火で炙ると価値が下がってしまうんだ」

「それって買い取ってもらえないって事か?」

「いや、そうではないが、格段に価値が下がる。

 だから急所を剣でつくのが正解だ」


狭い洞窟の中では酸素が大切だった。

火魔法は使うと一気に酸欠になってこっちまで動き

が鈍る。


数で劣っている分、効率よく討伐しなければならな

かった。

中にいるのは起きているのが5匹、そして寝ている

であろう2匹。


帰って来るまでに片付けなければならないのだ。

7匹のまだ幼い個体は弱いが、逃したて助けを呼ば

れても困る。

だから、先に洞窟の方を始末するのだという。


「じゃ〜早速行きますか!」

「いや、待て。一応保険をかけておこう」


そう言ってシャイアが取り出したのは狩によく

使うトラバサミという罠だった。


「こんなものに引っかかるわけが……」

「これは、入り口にかけておくんだ。メノ、踏

 むなよ?」

「そんなわかりやすいもの踏みませんって」


少し土を掘るとそこに罠を仕掛ける。

そして土を被せて葉っぱを乗せる。


周りが森なので、葉が落ちている事に違和感はない。


人の目から見れば、少し違和感がある程度だが魔物

がそこまで見ているとは思えなかった。








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