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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第二章 冒険者として生きる
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16話 メノウの鉱石採取

メノウは一人で採取依頼を毎日こなしていた。

だが、最低限の銀貨しか稼げず苦戦していた。


魔法が火魔法が得意なせいで、水の花は相性が

悪かったのだ。


なので、最近ではテラリウムという鉱石を取り

に来ていた。


一個当たり銅貨5枚と安いが、確実に持って帰

った分だけは買い取ってくれるとあって、せっ

せと掘っているらしい。


ただ、問題は掘っている間にも魔物と出くわす

という事だった。

その為、採掘には数名のパーティーで挑むのが

定石になっていた。


メノウも、即席のパーティーに入ると鉱石掘り

に出かけていた。


「おーい、そろそろ休憩にしないかー?」

「おぉ、そうだな。もうちょっと掘ったら行くわ」


最近、一緒に生きようになったパテはみんな色々

な事情を抱えている人で構成されていた。


「若いのに、真面目だね〜」

「そりゃ、鉱石掘りは体力は必要の割に、金には

 ならないからな〜。錬金術師ならともかく。一般

 の人にゃ〜クズ依頼っていうくらいだからな〜」


ほとんどが男性のパーティーだが、稀に体力自慢の

女性も混ざることもある。


と言っても、種族が人ではない為、体力は人族の男

達よりもよっぽど強かった。


「女性でこのしぎとは大変だろう?」

「そんな事はないわ。私、こういう仕事は好きよ?

 ずっとだって岩を掘っていられるわ」


軽々と近くの岩を持ち上げられる女性はドワーフと

いう種族だった。

見た目、子供のような身長だが、れっきとした大人

なのだ。


「若い子に負けられねーな〜」

「そりゃそうーだ。俺もかっこいいところを見せねー

 とな」

「お?なら俺も負けられねーな?はははーー」

「おーやれやれ!」


メノウが休憩に戻ると、男達は騒がしくしていた。


「おう。若い兄ちゃんも、どうだ?」

「何だ?」

「俺ら男達の底力を見せるって話さ。そこの彼女に

 この筋肉の凄さを見せないとなってな!」

「……はぁ……」


ただ、自慢したいだけなのだろう。

もう、腕も足もぱんぱんで、腕を振り上げるのも

きつくなっていた。


後ろに背負った籠半分の鉱石を眺めるとため息が

でる。


鉱石は小さい物は銅貨1枚、規格に合った大きさ

ならば、銅貨5枚で買い取る事になっている。

買い取り場所はちょうど出口にギルド専用の買い

取り場が簡易的にできている。


だが、それも日が暮れるまでで、それ以降遅く

なると、街のギルドまで持ちこなければならな

いのだった。


せめて、大きいのが40個は掘っておきたい所

ではある。


まだ奥では何人もが鉱石を掘っている音が響い

ていた。

が、メノウは早々に出て来る。


「換金しますか?」

「あぁ、そうしてくれ」


籠を係の人に渡すとその場に腰を下ろした。

疲れがどっとくる。


このあとは歩いて帰るかもしくは、係員の馬車に

一緒に乗せてもらうか。

乗せてもらう場合、運賃として銀貨1枚ほどかかる。


「はい、こちらですが、基準値に合うものが35個、

 それ以下のが11個で、金貨1枚、銀貨8枚、銅貨6

 枚です」

「あぁ、馬車空いてるか?」

「はい、ではここから銀貨1枚差し引いておきます」

「あぁ、わかった」


メノウにしては最高額と言える。

時間になると、係員が撤収を始める。

それに合わせてメノウも街へと帰ってきたのだった。


宿屋に着いた時には、埃だらけだった。

部屋の隅に置かれた魔道具に魔力を込めると暖かい

湯が並々と注がれた。


まだ遙は戻って来ていなかったので、先に湯に浸か

る事にしたのだった。


「ふ〜生き返る〜〜〜」


暖かい湯をこんなに贅沢に溜めて入れるなんて爵位

のある人間では毎日は無理だった。

普通は身体を拭くくらいで週に一回お湯を目一杯溜

めて入る事が出来るくらいだった。


「こんなもん作るって贅沢品過ぎるだろ……」


あのジジイも気に入っていたと聞いたが、やっぱり

湯船に浸かるのは気持ちがいい。

身体中の疲れが取れる気がした。


それにほのかに薫る木の香りが身体をリラックス

させる気がした。


「これは、何の匂いなんだ?」

「先に入ってたんですね。匂いは檜です。その樽

 を作る時に使った材料ですよ。ここの人には馴

 染みがないでしょうけどね」


遙が帰って来ると、荷物と一緒に布袋を取り出し

た。

ドサっと重いものが机に置かれた。


「なんだよ、それ」

「ポーションの売り上げ金です。水の花は20個で

 銀貨8枚でしたが、2個で上級ポーションにすれ

 ば20個全部変えれば金貨30枚ですからね。この

 方が稼げるんです」

「はぁ?ポーション?」

「はい、僕は錬金術を使えるので」

「でも、上級ポーションって……せめて下級ポーシ

 ョンの間違えじゃねーのか?」


全く、メノウは信じていなかった。

あのジジイの弟子というだけでも凄い事なのに、簡単

に上級ポーションが作れるなんて聞いた事がなかった。

それでは、市場が乱れると懸念したのだ。


「毎回納品はしますが、本数に上限を設けました。

 価格が下落することもないでしょう」

「……あぁ」

「テラリウムを掘ってきたんですか?だったら少し

 持ち帰ってきて欲しかったです。そろそろマナポ

 ーションの材料が切れるところだったので」

「それも作れるのか?あれは宮廷の人間でも失敗

 ばかりのものだぞ?」


メノウは知っている。

マナポーションとは魔術師にとって必要不可欠な

ポーションなのだ。

それを作れる人間は少なく、その一人があのジジイ

だったのだ。


湯が溢れるのも気にせず、身体を乗り出した。


「とって来たら作ってくれるのか?」

「えぇ、そうですね。小さいカケラでも問題ない

 ないので」

「わかった。次は持って来る」

「えぇ、そうしてください。」


こうして身を清めた後、下の食堂で食事をとった

のだった。








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