13話 討伐依頼
部屋の換気は魔道具で事足りた。
その為、部屋に毎回湯を運んでもらわなくてもいい
事を女将さんに言っておいた。
部屋には貴重品は置いていないが、それでも勝手に
入られるのは少し困る。
なぜなら遙は錬金術を使うので、机などに置かれた
物に触れると危険だからだ。
素材採取の依頼よりも、ポーションが高く売れた。
これからは、錬金術で作ったものを売った方がより
多くのお金が入る事を改めて知れたのだった。
「そう言えばさ〜、なんで商業ギルドに売らなかった
んだ?錬金術で作ったポーションなら普通は商業ギ
ルドだろ?」
「そっちにも行こうとは思ってるよ。でも、まずは…
メノウさんの冒険者登録が先でしたからね」
「ふ〜ん。なら、明日はそっち行くのか?」
「そうですね……、それもいいかも知れませんね」
「ならさ、俺討伐クエスト受けに行ってくるぜ。俺が
強いって所見せてやるよ」
なぜかメノウは自分は強いと思っている気がする。
確か、魔法属性は火だった気がする。
どうにも火属性の魔法は最強と思っている節がある気
がするのはなぜなのだろう?
火属性はあまりに使い勝手が悪いように思えるのだが。
遙からしたら、魔物討伐でも火属性は確かに火力はあ
るのだが、どうしても素材面では低価格での買取りに
なってしまうとギルドでも説明があった。
なぜなら、魔物を燃やしてしまうので、剥ぎ取る部分
が焦げてしまい、商品としての価値が下がってしまう
からだった。
そして、森や、洞窟では火気厳禁だからだ。
洞窟内では酸素不足になるし、森では山火事に繋がる
からだ。
出来れば剣で倒せるならその方がいいに決まっている。
「一人で行くつもりですか?」
「あぁ、一人で十分だからな」
「……はぁ〜、さっきギルドで説明された事を覚えて
ますか?」
「説明?あ〜……なんかごちゃごちゃ言ってたやつか」
「ごちゃごちゃって……討伐クエストは一人で行くに
はまずBランク以上になる事。必ずパーティを組ん
で受ける事!って言ってましたよね?」
遙が声を荒げて言うと、メノウはそうだったか?と
とぼけて見せた。
貴族ってルール遵守とか思わないものなのだろうか?
そもそも、自分中心って感じの人だから、きっと人の
忠告など聞いてないのかも知れない。
「一人で行ってもクエストは受注できないと思いま
すよ?昨日やった採取クエストを受ける方がメノ
ウさんには確実な方法だと思いますよ?」
「なんだよそれ……あんなんじゃ全然儲からね〜じ
ゃん!」
「地道にやるのが基本です。最初からなんでも出来
るわけじゃないんですよ」
遙だって、地道にクエストをこなしてきたのだ。
メノウもまだ初心者なのだ。
まずは採取依頼から地道に上手くなっていけばいい
そう言うつもりで言ったのだった。
昨日は、全く言う事を聞かず、鞄に突っ込んでいた
が、今日はバケツを持ってギルドへと向かった。
メノウも少しは成長していたらしい。
これは昨日よりは、もうちょっとマシになるはずだ。




