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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第二章 冒険者として生きる
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11話 採取依頼 (3)

水の花20個で銀貨3枚から8枚が相場だ。

どうしてそこまで金額に差があるかと言うと、採取

時の鮮度によって買取り金額が変わるからだった。


ポーションに加工する際に、鮮度によって上級にも

下級にもなってしまうからだった。

上級回復ポーションなら金貨3枚で売れるし、下級

回復ポーションだったら銀貨1枚で売れるのだ。


作れたらポーションの等級次第で売り上げが全く違

ってきてしまうのだった。


「すごいです!凄いです!」


奥からさっきの受付け嬢の声が響いて来ていた。


「こんなに鮮度がいいのは初めてじゃないですか!

 あんなに可愛いのに〜採取のプロじゃないですか!

 絶対にランク上げて貰うべきですよ!」


中で誰と話しているかはわからないが、遙がランクを

ワザと上げていないのだと思ったらしい。


ただ、時間がなかったから受けていなかっただけなの

だが………まぁ、教える必要もないだろう。


納品後、すぐに鑑定が行われるとそのまま錬金術師の

元へと届けられる。

1秒毎に鮮度が落ちる水の花は他の材料に比べると、

見つけるのは容易いが持ち帰るのが難しいのだ。


風の花は断崖絶壁にあるし魔法のキノコは見つけるの

が特に難しい。

テラリウムは鉱山の中にあるので比較的簡単に手に

入る。


それらを組み合わせて錬成された回復ポーションは

結構高価な値段で取引されているのだった。


「お待たせしました〜、ハルカさんの水の花20です

 が、大変素晴らしい鮮度だったので高級ポーショ

 ンが出来たと言っていました。ですから…こちら

 が報酬となります。続いて、メノさんの方はです

 ね………数は50ですが……鮮度も悪く下級ポーシ

 ョンにも満たないと言われまして……こちらにな

 ります」


遙の前に並んでいる銀貨10枚。

そして、メノウの前に出された銀貨2枚と銅貨8枚。

20個で3〜8と書かれていたが、あまりに目に余る

状態だった場合は引き取りも拒否すると言っていた。


受け取ってくれるだけ、まだマシだった。

ギルドが受け取り拒否すればクエスト失敗になって

しまうからだ。


「あの〜、ポーションを売りたいんですが、いいで 

 すか?」

「ポーションですか?見せてもらってもいいですか?」

「はい、こちらんですが……上級ポーション3個です」


そう言って遙は鞄の中からさっき作ったばかりのポ

ーションを取り出したのだった。

ポーションは比較的劣化しにくいとされてはいるが、

口に入れる物なので、一年以上放置したポーション

の取引きは厳禁とされていた。


「では、ポーションの作成日を見させていただきます

 ね〜……えーっと……今日……?」


魔道具を使えば、いつ作られた物なのかがわかる。

3個とも今日作られたばかりだと判断出来たのだった。


「えーっと、作られたばかりのポーションですが、

 売るんですか?」

「はい…お金がないと宿に泊まれないので」

「あ……そう言う事ですね、わかりました。」


奥へとかけて行くと、上級の回復ポーションと判断

され、金貨8枚と銀貨9枚が追加された。


「えーっと、こちらが上級ポーション1本で金貨3枚。

 手数料の銀貨1枚を差し引いて、金貨8枚と銀貨9枚

 となります」

「わかりました。あと、宿屋はどこがいいか聞いても

 いいですか?」

「はい、もちろんです。この先を真っ直ぐ行った所に

 ある楠木亭なんてどうですか?食事も美味しいです

 し、金額も安価な上にそこの主人が強面なのでセキ

 ュリティーも安全ですよ」

「それは、心強いですね。では、そこに行ってみます」


不服そうなメノウをチラリと見ると、遙は礼を行って

ギルドを出た。


紹介された楠木亭はさほど遠くはなかった。

人通りの多い通りに面しているせいか見つけやすかっ

たのもある。


「すいません。ギルドで紹介されたんですが、宿は

 空いていますか?」

「はーい、なんだい、親はどうしたんだい?」

「両親は亡くなりました。なので冒険者になって自分

 の食い扶持は自分で稼ぐつもりです」

「なんと、まだ子供なのに、えらいね〜」


女将さんはこう言う話には弱いらしい。

すぐに部屋へと案内してくれた。


「何日にするんだい?それともこの街で暮らして行く

 のかい?」

「いえ、ある程度お金が貯まったら、ハルラの街へと

 行こうと思ってます」

「あーハルラかい、あそこはあまり薦めないね〜奴隷

 の多くが集まる街で、至る所に奴隷商人がいるし、

 ちょっとでも街の規律違反をすれば、罰金か、奴隷

 落ちにされちまうって話さ」

「それは……大変ですね…では、マジステのが安全で

 すかね……」


船が出ている港街であるアネスタ最大の街、マジステ。

南の海に面した街で王都として栄えている。


「そうだね〜、王都の街としてはいいね!ただ物価が

 高いから気を付けるんだよ?スリも多いと聞くねー」


女将さんは心配そうに、色々と話してくれた。


だが、本当の目的地はイーストだった。

飛行船が出ているのは西にあるイーストだけだったか

らだ。


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