4話 鑑定スキル
初めて自分が作ったポーションを手に取ると遙は嬉
しそうに老人に飛びついた。
「師匠!できましたっ!見てください」
「おぉ、なかなかいい出来じゃ。ハルカ、お主には
才能がある様じゃのう。次はもう少し難しいのに
挑戦せんか?」
「はいっ!」
そう言うと、夜更けまでポーションの基本となる薬草
となかなか手に入らない薬草を使った講義を教えたの
だった。
倉庫にあった分の薬草や鉱石は徐々に減っていく。
一ヶ月後にはポーション作成に関しては遙の作れない
ものはなくなっていた。
「これで、全部のポーションが作れるようになったの」
「これで全種類なんですか?」
「あぁ、そうじゃよ。まだ何か不服かの?」
「いえ……」
よく読んでいた小説の中にはエリクサーと呼ばれる薬。
万能薬というものが度々登場していた。
これはポーションと同じ製法なのではと思ったのだ。
「万能薬と呼ばれるエリクサーは作れないのですか?」
「エリクサーか………それはのう…レシピがないんじゃ
よ。北の山この国の北に険しい山があるのは知って
おるか?そこの頂上には龍の眠りし祠があって、そ
こにはエリクサーなる薬のレシピが眠っておりと言
われておるのじゃが……」
北のナニス王国がそこへの立ち入りを許可していない
という。
山はナニス王国とオスタリア公国の国境となっており
両国の承諾を得なければ登る事も許されないのだとい
うのだった。
その為、年に一度遠征隊を組んで両国の騎士達の訓練
の場となっている。
その時だけは魔獣討伐という理由で山への立ち入りが
許されるのだという。
「わしも一回でいいから作ってみたいのじゃがな」
「そうなんですね……」
遙はチラリと開いた小さなウインドウを見た。
そこには、『エリクサーのレシピ』と書かれた文字が
見えた。
しかし、横に鍵の様なマークがあり、開く事は出来な
かった。
何か条件があるのだろうか?
多分、遙だけがこの世界で異質な存在なのだろう。
だから、このウインドウが見えているのだと思う。
最初に戻るが、鑑定スキルとは対象物をじっと見て
念じる事で魔力を使ってその物の情報を見る事が
出来るのだと聞いた。
だから1日に使える鑑定の数は決まっているのだと
いう。
だが、遙はずっと鑑定していても疲れすらしない。
多分だが、魔力を使っていないのだと思う。
それは、遙にとっていい事ではなかった。
魔力を使わないと寿命が縮んでしまう体質のせいか
とにかく空っぽまではしなくてもいいが、ある程度
使える様にしておかなければならないのだ。
そこで、一番魔力の効率の悪い魔力回路作りを教え
て貰うこととなった。
それと同時にこの国の事や、この世界の情勢なども
教えて貰う事となったのだった。
老人はまずは、この今いる国の事から話始めたのだ
った。




