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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第二章 冒険者として生きる
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4話 残してくれた物

北の国境付近が騒がしくなっていきた。

メノウの逃亡と、処刑された少年は実はファオニン

だった。

この事実は、民衆には秘匿される事となった。


見ていた人は、皆驚愕した顔を浮かべていた。

それもそうだろう。

少年だった人物が、いきなり死んだ途端に老人にな

ってしまったのだ。

これほど、奇妙な事はないからだった。





師匠の死を知った、かつての弟子だったエクドール

は、冒険者ギルドへと来ていた。


「すいません、鑑定スキルを持った人はいますか?」

「居ますが、どう言ったご用件ですか?」

「はい、この瓶の中身を鑑定してもらいたいのです」

「これですね。今、呼んでまいります」


受け付けの女性は小瓶を見ながら、料金を書き足す。


「今来ますので、あちらの部屋でお待ちください」

「急いでいるんで、早くお願いします」


身なりはどこにでもいる平民っぽいが、袖口から見

える下のシャツはかなり高価な生地でできているよ

うに見えた。


それを加味して、値段も決めた。

そして、呼ぶ人も選定する。


「お待たせしました。そちらを鑑定すればいいですか」


来たのは、少し年配の落ち着いた男性だった。

机の上に乗っている小瓶に手を触れると、サッと顔色

が変わった。


「これは……まさか……こんなものをどこで……」

「なんだったんですか?」

「それよりも…これをどこで手に入れたのですか?是非

 買い取りたいです」

「鑑定結果はどうなったのですか?もう時間もないの 

 です」


あまりに興奮する男性を制してエクドールが言うと、

男性は興奮をそのままに、説明を始めたのだった。


「これは素晴らしいです!エリクサー、又の名を万能役

 とも呼ばれる品物です。これほどのものを作れるとは

 どこの錬金術師なのですか!是非とも紹介してほしい」

「これはメルバルト・ファオニン……あの人の最後の

 傑作ですよ」


それだけ言うと、金貨を置いてギルドをでた。


これでイーサ様が助かる。

まさか、こんなものまで作っていたとは驚きだった。


本当ならマーロ公爵に渡すのが筋だが、今はそれどこ

ろではない。

イーサを救うのに、必要なのだ。

これさえあれば……イーサを救える。

そう思うと、馬車が停めてある場所へと戻ってきたの

だった。


すると、罰の悪そうな顔で、メノウが年配の女性を

連れて来ていた。


「何かあったのですか?」

「あんたが、連れかい?屋台のものを食べたらお金

 を払うのは常識だろう?あんたが払ってくれるっ 

 て言ってるんだよ。ちゃんと払ってくれるのかい?」

「あーーー……仕方ありませんね……」


エクドールはため息を吐きながら財布を取り出した

のだった。

その間に、メノウはどこかへと行ってしまった。


「全く、自由すぎるな…あの人は……」


おばさんはお金を払うと、満足そうに帰って行った。

エクドールも、すぐに城へと戻っていったのだった。



その日の夕刻にイーサの容体が急変し、一時的に危険

な状態になったのだが、すぐに持ち直したと医師達を

驚かせる事になったのだった。






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