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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第一章 異世界にきてしまった
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22話 意外な来客

念願のエリクサーが出来て、ご満悦な師匠と共に

次の日はぐっすりと寝て1日を過ごした。


こんなに時間を無駄にしたのは久しぶりだったよ

うな気がする。


昼もご飯だけ食べると、再びベッドへと戻る。

師匠も眠そうな顔でご飯を口に運んでいた。


「もう少し寝るでの……」

「はい、おやすみなさい」


そうして遙も再び眠りについたのだった。

次の目が覚めたのは朝方だった。

穏やかな、朝日を浴びると、いつものようにのん

びりとした朝食をとって、研究室へと籠った。


太陽が昇り切った辺りだろうか?

外が何やら騒がしくなったのだった。


またメノウが尋ねに来たのかと思うと、面倒くさ

そうにドアを開いた。


すると、予想外の客人が待っていたのだった。

この塔は師匠である老人が一人で住んでいる事に

なっているので、遙の存在を知る者はいない。

唯一メノウだけだろう。


だが、今目の前にいるのはメノウでもない。

完全武装した騎士達だったからだ。


中央にいる馬に乗ったままの偉そうな人が降りると

遙の前に出てきた。


「子供……どこから入った?」

「あ………えーっと、ここに用事があって……」

「ふんっ……こんな子供を弟子に取っているわけでも

 あるまい……いや、一緒に連れて行け!」

「はっ!」


部下に言うと、即座に遙は取り押さえられると縄を

かけられたのだった。


「僕は何もしてないですっ……ただ用事があってここ

 にいるだけで……」

「黙ってろ……子供といえど反逆罪は死刑だぞ?」

「………」


どうして、いきなり反逆罪になるのだろう。

ただ、今は黙っている事がいいと思った。


そのあと、師匠も同じように縄をかけられて荷馬車に

載せられた。


「なんじゃ、久しぶりに来たと思ったら、何があった

 んじゃ?」

「白々しい。お前のやった事は重罪だからな!それに

 その子供はメルバルト、お前の弟子か?」

「いや、この子には少し頼み事をしておってのう。だ 

 からわしとは無関係じゃ」

「ふん、そんな事は調べれば分かる事だ…連れていけ」


二人を乗せた荷馬車は、遠くに見える城へと運ばれる

事になったのだった。


あまりにも粗雑な荷馬車のせいか運ばれるだけで全身

が痛い。

城についてからも引きずられるように運ばれると、そ

のまま薄暗い地下牢へと入れられたのだった。


「ここでおとなしくしておけ!」

「それは酷いのう。無実の老人と子供をこんな場所に

 入れるとはのう。何かワケでもあるなら話していか

 んか?」

「それがイーサ様の毒殺を図った者の態度か?しっか

 りと吐かせてやるからな」

「………ふむ……それは困ったのう。全く身に覚えが

 ないしのう」


騎士の憤った態度に老人は全く意にも返さなかった。


「ハルカ…すまんの、何か知らんが巻き込んでしま

 ったようじゃ」

「いえ……師匠のおかげで色々学べたので…でも、こ

 れからどうしましょう」

「うーん。まずは縄を解くかの」


そういうと、師匠は難なく縄を解くと遙の方も解いて

くれた。

きつく縛ったせいか腕や手に縄の痕が残った。


「大丈夫かの?」

「はい………しかし、困りましたね」

「そうじゃのう。どうしたもんかの〜」


そう言いながら、師匠は着ていた服のポケットに手を

突っ込むと大きな錬金鍋を取り出したのだった。


そして薬草と鉱石を取り出す。

ぐつぐつと煮るような感覚で中に入れていく。

そして遙の髪をプツッとちぎった。


「いたっ!師匠なにするんですか?」

「うーん。ちょっとな」

「ちょっとで人の髪を取らないでください。こんな

 時にまたそんなもの作って……」

「大事な時だからじゃ。何事も出来る時にやる。そ

 れが大事なんじゃ」


そう言うと、自分の髪も混ぜる。

ぐるぐると混ぜると色が変わってポンッと変わった

色の液体が入った小瓶が出来た。


「あれ……それって」

「思い出したか?」

「でも、そんなものどうして?」

「誰か来たようじゃの、静かにしておれよ」


師匠は出来た小瓶をポケットにしまうと、鍋も一緒に

収納した。


解いた縄はい後ろ手で持った。


「おい、いい加減にしろよ!俺は何もしてねーって言

 ってるだろ?おい!まじで怒るぞ!俺を誰だと思っ

 てるんだ!」


この騒がしい声には聞き覚えがあった。

怒鳴ると色んな場所を蹴っているのかドタバタと煩い。


一体何があったのだろう。

メノウは一般人ではない。

一応身分は高いのだ。あんなバカでも……。

二人はじっとその場の成り行きを黙って見ている事に

したのだった。








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