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黒の錬金術師〜異世界に来たからには無双したい〜  作者: 秋元智也
第一章 異世界にきてしまった
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18話 似た者同士

いつのまにか遠くまで走って来ていた。

馬の足で走り続ければ、ある程度遠くまで行ける。


愛馬に乗って駆けている時が一番気が楽だったから

なのだ。


「はぁ〜………どうしたらいいかな〜」


メノウの前には青の塔が遠くに見えた。

そこには、あの生意気なガキがいる。

そして、頑固ジジイ。


そんなイラつく二人だけど、唯一同等に話してくれ

る人間だった。


馬番も、騎士も兵士も、みんなメノウを見ては眉を

顰めるのだ。

仕方なく答えるという感じが気に食わない。


何の気兼ねなく話してくれる事は決してない。

だけど、ハルカとジジイは違った。


目上の身分の自分にも。普通に話してくれるし、

突っかかって行っても、決して手を抜かない。

非難さえも、普通にするのだ。


それがなぜか嬉しかった。


「おーい!俺様がきてやったぞ〜!茶でも出して

 くれんだろ〜っ!」


ギィッと塔のドアが開くと、不機嫌そうな老人の

顔が見える。


メノウは歓迎されて居ないのを知っていて、それ

でも毎回訪れたのだった。


「また来たのか?暇じゃのう」

「あぁ、俺はやる事がないからな!母上が根回し

 してくれるって思ってるし、どーせイーサには

 どうしようもないだろうさ」


自分の力では何もできない。

だが、自分じゃなければならない理由も知っている。


民を思うなら、戦いは避けるべきで、それをするに

はメノウを選ぶべきだと思っているのだった。


「そんなに余裕かましておると足元をすくわれるぞ」

「ですよね〜、メノウさんがそんな人ならこの国は

 終わりですね〜。あ、そうなったら師匠、一緒に

 旅に出ましょうよ」

「おぉ、それはええのう。ハルカと一緒なら毎日が

 楽しいからのう」


嬉しそうに話す二人は、意気投合するように話なが

ら手を動かしていく。


「おい、ジジイ!俺の事もかまえよ」

「まだおったのか?」

「もう、帰ってもらっていいですよ」


二人はメノウを邪魔者のように揶揄うのだった。


「何を作ってんだよ?」


「エリクサー」

「万能薬じゃ」


二人が口を合わせて言った。

それはまだ見ぬ奇跡の薬の名前だった。

そもそも、そんなモノは作れないとされていた。


昔の伝承では、北の山にレシピが眠っていると言わ

れている。

だが、それがただの迷信で、確信はないのだ。


「そんなものできたら、神でもない限り無理だろ」

「そうですか〜?やってみないと分からない。それが

 錬金術ですよ」

「そうじゃよ。何事も挑戦せずにいたら、成長は見込

 めないからのぅ」


二人は、あれでもない、これでもないと言いながら

試行錯誤している。


「何なんだよ。そんなに楽しいか?」

「当たり前じゃないですか!」

「当たり前じゃ!」


血のつながりもないというのに、そっくりな二人

に驚きしかなかった。


「似過ぎだろ………お前拾われたんだろ?」

「拾われたってうるさいですね?貴方だって、いい

 身分に生まれたのに、無能じゃないですか!」

「ぷっ!そうじゃな、メノウよ。お主はハルカの爪

 の垢を飲まねばならんのう」

「なっ!なんでそんな……」


息のあった言葉にメノウはグウの音も出なかった。







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