9話 怪しい動き (9)
次の日は公式な会見が開かれたのだった。
テーブルにはナニス王国からはサードニクス王子
と大臣。
オスタリア公国からは父親のマーロ公爵とメノウ
王子が参加していた。
「此度の訪問、歓迎してくださってありがとう
ございます。父上より、平和的な解決をと言
われて僕が遣わされました。メノウ兄さんに
は我らと共に一旦王国に来ていただく思って
いるのですが…」
「それは無理な相談だな、メノウは罪人だ。
この国から出す事は罷りならない」
「しかし、部屋に軟禁されていると言うではあ
りませんか!」
「それがこの国の法だからだ。メノウも反省して
真面目に部屋に閉じこもっているんだ。それを
連れ出すことはこの国を軽んじていると取るが
いかがか?」
「それは………」
サードニクスは言葉に詰まると黙ったままのメノウ
へと視線を向けた。
「お待ちください。こちらとしてはそのような思惑
はありません。むしろ、そちらの方が非道ではあ
りませんか?ナニス王国の血が混ざったメノウ様
を蔑ろになさるなんて……」
「もうよい…」
大臣の言葉を遮るとサードニクスはこれ以上マーロ
の怒りを買わないようにと止めたのだった。
「メノウ、お前はどう思うのだ?」
「俺は……毒殺などしていない、無実なんだ!だか
ら、俺をはめた犯人をこの手で捕まえて償わせる。
それが終わるまではここを出るつもりはない!」
「メノウ兄さん……」
意思が固いように見せつつも、メノウの考えだと
思わせる事が大事だった。
「わかりました。しかし、これだけは覚えておいて
ください。父上は気が短いお人だと言う事です」
それはマーロ公爵に向けた伝言だったのだろう。
昔の約束をしっかりと守れと言っているように聞こ
えたのだった。




