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召喚士なのに前に居る  作者: マナ
2編 6章:首都アルヴェリア

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93話:招かれざる客

「ソーセージうまっ!」

「粒マスタードがいいアクセントになってる」

「付け合わせのサワークラウトも酸味が強すぎなくていい感じだね」


 にぎやかだな。

 ミケがソーセージを食べるのを防御しながら、私も舌鼓を打つ。歯切れよいお肉に、じゅわっと広がる肉汁がめっちゃうまい。サワークラウトも酸っぱすぎなくておいしいな。こういうのってなんか酸っぱくて苦手なんだけど、このお店のは食べられる。うまい。


「おぁああ!」

「猫にソーセージはしょっぱいからダメ」

「あぁん?」


 ヤンキーかな。


「召喚獣に舐められすぎ」

「召喚獣たちよりも弱いからな」

「威張って言うことではない」


 威張ってはいない。まぎれもない事実である。DEX以外はほぼ初期値だからな。

 そんな感じで食べ進めていると、見かねたロウがミケを抱っこしようとして失敗していた。顔を踏まれて逃げられてやんの。ミケもそこそこにDEXが高いからね。ロウは前衛職で、タンク役だから、DEXはそんなに高くない。だから簡単に逃げられるというわけですよ。

 聞いてみたら、ブルーリムの中で一番足が速いのはフェンらしい。エリオは魔法系なんだってさ。へー。


「デザートにリンゴのコンポートはいかが?」

「ローズさんのおごり?」

「ええ。ウラナには助けてもらったからね」


 ブルーリムもリンゴのコンポートを注文してた。もちろん自腹です。コンポートができるまでの間、ローズさんや店主の奥さんと雑談していると、お店の扉が開いた。


「いらっしゃ、あっ」


 ローズさんが一歩後ずさる。おびえた様子に、おもわず入ってきた客を見る。

 きらびやかな服を着た男と騎士がいた。どちらも冒険者や普通の人とは明らかに雰囲気が違う。騎士は男の護衛役なのか。アルヴェリアの騎士たちとは違った装備で、ごてごての装飾がついている。


「またこんなところにいたのですか。ここはあなたのような可憐な女性に似つかわしくない」


 そういって、男は近くにあったテーブルを蹴った。がしゃーんと音を立て、テーブルが周りの椅子を巻き込んで転がった。奥さんがローズさんを庇うように抱きしめ、私たちも2人を守るように席を立つ。


「ねぇ、彼って貴族じゃない?」

「明らかに身なりがなぁ。フェン、どう思う」

「……アルヴェリアの貴族じゃない。あまり考えたくはないが、クレア=ドミニオンの貴族だと、思う」


 あのクソ神を崇め奉ってる国で、オズワルドさんを意味もなく責め立てた国の貴族、だと?

 男がにやにやと笑いながら、こちらに向かって歩いてくる。ローズさんは明らかに怖がっており、奥さんも「お許しを、お許しを……!」と頭を下げていた。

お読みいただき、ありがとうございます。

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