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召喚士なのに前に居る  作者: マナ
2編 6章:首都アルヴェリア

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92話:ローズのお店に遊びに行こう

 装備が完成したので、お祝いにどっかでご飯を食べることにした。ブルーリムもなぜかついてくるようです。タークスさんたちは合流しないぞって言ったら、「お前と飯を食いに行くのになんでタークスさんたちが出てくるんだ? 保護者同伴じゃないと飯食えない感じ?」ってロウに言われた。

 お前らが(私以外の)バックラーオタクだから気を使ってやったんじゃろがい。

 気にしてなさそうだから、店を選ぶことにする。どうせなら、この前助けたローズの店に行こうかな。いろいろバタついて結局行けてないしさ。というわけで、教えてもらった店に行く。

 大衆食堂『小人の靴屋』。食堂なのに靴屋とはこれいかに。看板も靴のマークだからマジで間違えそう。店内に入ると、壁一面の靴。……ここ、本当に食堂か?


「あ! ウラナ、ようやく来たのね! 全然来ないから、忘れられたのかと思ったわ!」

「ごめん。いろいろとバタついててさ。今日はようやく一区切りついたから食べに来た。友達も一緒なんだけどいい?」

「ええ、もちろんよ。4人でいいのよ、……えっ!?」


 ローズがフェンを見て驚いている。フェンもまた、目を見開いて驚いていた。なに、知り合いか?


「フェン、どうしたの」

「っあー、失礼。あまりの美しさに驚いてしまいました。美しいお嬢さん、お名前を教えていただけますか?」

「あ、いつものフェンだな」


 滑らかな動作で片膝をつき、ローズに手を差し伸べている。うん。いつも通りのフェンだな。


「ロ、ローズよ。ここのお店で働いているわ」

「承知いたしました。では、2人の出会いを祝うために、この店で一番おいしい料理をいただけますか?」

「この店って何がおいしいの? 煮込み?」

「煮込みよりも焼き物ね。店主が作ったソーセージが絶品なの。店主のおすすめっていうメニューは銅貨5枚よ。パンもつけるなら銅貨6枚」

「お、いいな。俺はそれにしよ」


 ポーズを決め続けているフェンを放置し、案内されたテーブルに座る。全員、ローズに教えてもらった店主のおすすめにするみたいだ。え、フェン? あいつはずっとポーズ決めてるから同じのでいいだろ。私が何か言う前にエリオが決めてたし。

 ミケとイノには味付けなしの魚と肉を注文した。緑子には新鮮な野菜ね。


「ソーセージか。たまに食うとめちゃくちゃうまいよな」

「わかる。毎日だと味が濃くて飽きちゃうんだよね」

「それにしても靴が多いな。靴屋さんじゃないのか」

「奥さんが靴職人なの。靴の販売もしてるのよ」


 どうやら兼業しているお店のようだ。冒険者だけじゃなく、貴族も買っていく人がいるほどの職人らしい。今度、靴に困ったら買いに来ようかな。すり減りが早いんだよね。動き回ってるからさ。


「それにしても、おとなしいのね」

「ん? ミケとイノ? これは余所行きの顔だよ」

「あぁん?」

「ふごっ」

「これが飼い主に対する態度だよ。いてててててっ」

「舐められすぎじゃない?」


 ミケが頭に爪を立て、イノは足にごりごりと頭をこすりつけている。とても痛いのでやめてほしい。HPが削れてるんですよ。エリオがあきれた顔で回復薬を渡してくるほどにはダメージ食らってます。あとで代金払うね。


「HPが消し飛んでないだけ、手加減されていると思うぞ」

「おかえり、フェン」

「お前、店の迷惑になるんだから決めポーズして動かなくなるのやめろよな」

「この出会いを神に感謝していたのさ」


 フェンがしれーっとした顔で席についた。いままでずっとポーズを決めたまま固まってたのだ。ふらついたりもしないから、こいつの体幹は強い。

お読みいただき、ありがとうございます。

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